徒花夢現 歌詞 Rita 「徒花異譚」主題歌 ふりがな付

胸むねの中なかには
ただひとつだけ
祈いのりがあった
祈いのりがあった

乾かわく喉のどを 掻かき毟むしるように
願ねがえども 願ねがえども
それは とうに 天てんつ日ひに溶とけ
夢ゆめに消きえ 夢ゆめに見みる

幽玄ゆうげんの 際さいを出いで
手折たおる花はな 零こぼれて
竦すくむ足あし
逃にげ場ばなく
立たち尽つくす 独ひとり

遠とおくより 聞きこゆるは
闇やみの声こえ 呟つぶやき
苦くるしみの 現うつし世よに
背せを向むけて 独ひとり

胸むねの中なかには
もうひとつだけ
願ねがいがあった
願ねがいがあった

命いのち 削けずり 描えがき続つづける
徒花あだばなは 紅くれないの色いろ
血潮ちしお 赤あかく 雫しずくとなりて
足元あしもとを 塗ぬりつぶす

戻もどれない あの場所ばしょを
ここでまた 思おもい染そめ
落おちてゆく
泥どろの淵ふち
眠ねむりては 揺ゆれる

遠とおくより 聞きこゆるは
知しらぬ声こえ まぼろし
苦くるしみの 現うつし世よは
遠とおくなり 独ひとり

ただひとり
闘たたかいに 血塗ちぬられた 両手りょうてを
見みつめては 繰くり返かえす
懐なつかしき 言葉ことば

幽玄ゆうげんの 際さいを出いで
ここで今いま 離はなれる路みち
切きり裂さいた 夜よるはまた
墨色すみいろに 溶とけて

遠とおくより 聞きこゆるは
闇やみの声こえ かすかに
咎とがの中なか
果はてもなく
繰くり返かえし 独ひとり