非常の雪 歌詞 shr feat. 鏡音リン ふりがな付

厄介やっかいの夏なつも早はや斜陽しゃようにて
人々ひとびとなら堵とに安やすんずる
不都合ふつごうばかりの具合ぐあいの中なかぢゃ
慨嘆がいたんに堪こらへず 仕様しようが無ないから

ああ先まづはさういう事ことは棄すてて
時分じぶんに身みを任まかすのさ

誰だれも季節きせつ夫々それぞれに
見合みあふ恋こいをそつと願ねがつて居いる
至極しごく平生へいせいの雪ゆきなら
直すぐに君きみを此処ここに入いれて遣やれる

さういふ事ことなら さあ お往いきでなさい
全まったく僕ぼくらは始末しまつにいけぬ
却かえって不埒ふらちな世上せじょうの事ことぢゃ
憚はばかるでしよう 恥はじかくでしよう

ああ其それでも赤心せきしんの次第しだいでは
忘わするゝ積つもりも無ないのさ

口くちにせられた言葉ことば
併しかし餘程よほど心地ここち悪わるいやうで
敢あへて雪ゆきを願ねがつて
都合つごう付つけて仕舞しまふ恋こいでした

ああ恋こいとは何こうも不思議ふしぎなもので
拘かかはらずには居いて呉くれない

其それは非常ひじょうの雪ゆきが
君きみの心こころ體からだ隠かくすやうで
直すぐに君きみの許もとへと
向むかふ足あしは僕ぼくに無ないやうで

今日きょうに非常ひじょうの雪ゆきが
君きみの心こころ體からだ奪うばつて往いく
今いまは往いかれぬ日々ひびさ
僕ぼくは此処ここで冬ふゆを待まつて居いる