よみ:しとなげきのかぜのと-いおたらむだいおたおみくろんにゅー-
死と嘆きの風の都-Ιλιον- 歌詞
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Sound Horizon
- 2015.2.1 リリース
- 作詞
- Revo
- 作曲
- Revo
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「急いそいで,貴方達あなたたち?風神殿あねもんの神官様しんかんさまがお待まちよ?」
「んもぅ,新入しんいりィ。グズグズしてると、
アタイの鉄拳てっけんが日ひを噴ふくよォ?」」
「んふふ」「ごめんなさい」
女蛮族あまぞんのような腕力わんりょくはないけれど
芸げいのない唯ただの売女ぽるねとは違ちがうわ
嗚呼ああ...花代どらくまと真心まごころを引ひき換かえに美うるわしの夢ゆめを売うる...
敬愛する詩人そふぃあのような教養きょうようはないけれど
学がくのない唯ただの街娼でみえとは違ちがうわ
嗚呼ああ...元々もともと哀かなしき奴隷どれいの身みとはいえ
今いまは咲さき誇ほこる薔薇ばら【高級遊女】へったいら
花はな開ひらき風薫かぜかおる春はるを鬻ひさぐ以外いがい
身寄みよりなき娘むすめには何なにもないけれど
憐あわれみならば要いらないわ...馬鹿ばかにしないで...
アナタの其それは愛あいじゃない!
「っと、着ついたわねぇ」
「ぅわぁーぉ」
「ここが風の都いーりおん」
【風の都 】
「お前まえらーささと運はこべ」
「サボるんじゃない!」」
「貴様きさまらはここで、死しぬまでこの城壁じょうへきを
作つくり続つづけるんだ」
「さぁ、運はこべ!休やすむんじゃない!」」
「さっさと運はこばんかい コラァ!エェイ!!」
壁石いしを運はこぶ者もの 乾かわいた音おとに打うたれ
医師いしを叫さけぶ者もの 地ちに臥ふして虚むなしく
奴隷どれい達たちの多おおくは背後はいごに黒くろき影かげを纏まとっていた...
遺志いしを継つげる者もの 奴隷どれいの替かえ数多あまた
縊死いしを遂とげる者もの 冥府めいふへの逃避行とうひこう
その影かげは他ほかの者ものには視みえていないようだったが
少年しょうねんは何時いつからかその存在そんざいに気付きづいていた...そして――
その影かげを纏まといし者ものはそう遠とおくない内うちに確実かくじつに死しんでいったのである……
愛あいと慈いつくしみだけに 抱だかれ育そだった少年しょうねんは
怒いかりと憎にくしみだけを 抱だいて今いまを耐たえ忍しのぶ
いっそ死しんだらラクだなんて きっと今いまよりマシだなんて
酔よった譫言うわごと繰くり返かえして 去さった希望きぼうに追おい縋すがった
そんな負まけ犬いぬのように 運命みらに飼かい馴ならされはしない
たとえ奴隷どれいが犬いぬであれ 剥むくべき牙きばは忘わすれない
オオカミは奔はしる前まえに 満月まんげつに吠ほえる
「どこがイイんだい?言いってごらん?」
「息仔ねくろす…モット生せいヲ憎にくムガィィ…
ィズレソノ身みハ我わがモノトナル…」
「くそぅ、痛いてぇ…あの変態神官へんたいしんかんいつか、殺ころしてやる」
「よぉ、ブサイクちゃん!ひでぇツラだなぁ」
「フン、人ひとのこと言いえたツラかよ…」
「フ、フフッ、ちげぇねぇ!」「ハハハ」
人ひとは誰だれもが 死しすべき運命さだめを背負せおい
儘まま...抱だいて(抱だかれて) 寂さびしさを愛あいで埋うめる
されど彼等かれらの多おおくは 死しすべき運命さだめを呪のろい
儘まま...奪うばい(奪うばわれ) 虚むなしさで胸むねを満みたす
少女しょうじょの頬ほおを伝つたわる 清きよらかな雫しずくを
赤黒あかぐろき舌先したさきが 掬すくいかけた刹那せつな
繋つないだ手てと手て 駈かけ抜ぬける風の都いーりおん
降ふり注そそぐ星屑ほしくず 夕闇よいやみの風の都いーりおん
嘆なげきと死しの城壁しろ 聳そびえ立たつ風の都いーりおん
振ふり返かえる背後はいごに 遠離とおざかる風の都いーりおん
神域しんいきを穢けがした者ものを 風神ふうじんは決けっして赦ゆるさない
その怒いかりは 雨あめ女神めがみと交まじわり 娘むすめを生うむだろう……
「んもぅ,新入しんいりィ。グズグズしてると、
アタイの鉄拳てっけんが日ひを噴ふくよォ?」」
「んふふ」「ごめんなさい」
女蛮族あまぞんのような腕力わんりょくはないけれど
芸げいのない唯ただの売女ぽるねとは違ちがうわ
嗚呼ああ...花代どらくまと真心まごころを引ひき換かえに美うるわしの夢ゆめを売うる...
敬愛する詩人そふぃあのような教養きょうようはないけれど
学がくのない唯ただの街娼でみえとは違ちがうわ
嗚呼ああ...元々もともと哀かなしき奴隷どれいの身みとはいえ
今いまは咲さき誇ほこる薔薇ばら【高級遊女】へったいら
花はな開ひらき風薫かぜかおる春はるを鬻ひさぐ以外いがい
身寄みよりなき娘むすめには何なにもないけれど
憐あわれみならば要いらないわ...馬鹿ばかにしないで...
アナタの其それは愛あいじゃない!
「っと、着ついたわねぇ」
「ぅわぁーぉ」
「ここが風の都いーりおん」
【風の都 】
「お前まえらーささと運はこべ」
「サボるんじゃない!」」
「貴様きさまらはここで、死しぬまでこの城壁じょうへきを
作つくり続つづけるんだ」
「さぁ、運はこべ!休やすむんじゃない!」」
「さっさと運はこばんかい コラァ!エェイ!!」
壁石いしを運はこぶ者もの 乾かわいた音おとに打うたれ
医師いしを叫さけぶ者もの 地ちに臥ふして虚むなしく
奴隷どれい達たちの多おおくは背後はいごに黒くろき影かげを纏まとっていた...
遺志いしを継つげる者もの 奴隷どれいの替かえ数多あまた
縊死いしを遂とげる者もの 冥府めいふへの逃避行とうひこう
その影かげは他ほかの者ものには視みえていないようだったが
少年しょうねんは何時いつからかその存在そんざいに気付きづいていた...そして――
その影かげを纏まといし者ものはそう遠とおくない内うちに確実かくじつに死しんでいったのである……
愛あいと慈いつくしみだけに 抱だかれ育そだった少年しょうねんは
怒いかりと憎にくしみだけを 抱だいて今いまを耐たえ忍しのぶ
いっそ死しんだらラクだなんて きっと今いまよりマシだなんて
酔よった譫言うわごと繰くり返かえして 去さった希望きぼうに追おい縋すがった
そんな負まけ犬いぬのように 運命みらに飼かい馴ならされはしない
たとえ奴隷どれいが犬いぬであれ 剥むくべき牙きばは忘わすれない
オオカミは奔はしる前まえに 満月まんげつに吠ほえる
「どこがイイんだい?言いってごらん?」
「息仔ねくろす…モット生せいヲ憎にくムガィィ…
ィズレソノ身みハ我わがモノトナル…」
「くそぅ、痛いてぇ…あの変態神官へんたいしんかんいつか、殺ころしてやる」
「よぉ、ブサイクちゃん!ひでぇツラだなぁ」
「フン、人ひとのこと言いえたツラかよ…」
「フ、フフッ、ちげぇねぇ!」「ハハハ」
人ひとは誰だれもが 死しすべき運命さだめを背負せおい
儘まま...抱だいて(抱だかれて) 寂さびしさを愛あいで埋うめる
されど彼等かれらの多おおくは 死しすべき運命さだめを呪のろい
儘まま...奪うばい(奪うばわれ) 虚むなしさで胸むねを満みたす
少女しょうじょの頬ほおを伝つたわる 清きよらかな雫しずくを
赤黒あかぐろき舌先したさきが 掬すくいかけた刹那せつな
繋つないだ手てと手て 駈かけ抜ぬける風の都いーりおん
降ふり注そそぐ星屑ほしくず 夕闇よいやみの風の都いーりおん
嘆なげきと死しの城壁しろ 聳そびえ立たつ風の都いーりおん
振ふり返かえる背後はいごに 遠離とおざかる風の都いーりおん
神域しんいきを穢けがした者ものを 風神ふうじんは決けっして赦ゆるさない
その怒いかりは 雨あめ女神めがみと交まじわり 娘むすめを生うむだろう……