小さな恋のおはなし 歌詞 20th Century feat. Coming Century ふりがな付

ある街まちに
毎日まいにち、手紙てがみを届とどける郵便ゆうびん配達人はいたつにんがいた

あるときは涙なみだを
またあるときは微笑ほほえみを

くりかえす営いとなみに
揺ゆるぎない誇ほこりを抱だきながら

彼かれは今日きょうも
誰だれかのもとへ手紙てがみを届とどける

配達はいたつの帰かえり道みち
いちばん星ぼし見みて
大好だいすきな人ひとのこと
そっと願ねがってる
君きみ想おもうだけ それだけで明日あしたも頑張がんばれるよ
ありふれた 小ちいさな恋こいのおはなし

似合にあわないのはわかっているけれど
カフェに通かよっている

頼たのむものは決きまっているけれど
悩なやむふりをする

できるだけ時間じかんをかけて
一杯いっぱいのコーヒーを飲のみ干ほしながら

彼かれは想おもった
この気持きもちを彼女かのじょに届とどけよう…と

エプロンと白しろい肌はだ ジャスミンの香かおり
淹いれたてのコーヒーに 優やさしい微笑ほほえみ
募つのる気持きもちを紡つむいでく
愛いとしさ降ふり積つもる
君きみがいる 小ちいさな恋こいのおはなし

彼かれは手紙てがみを書かいた

言葉ことばじゃたりないほどの
想おもいを込こめて

その一通いっつうを
ポストに入いれることが出来できたら
どんなに楽らくだったろう

沢山たくさんの想おもいを届とどけた彼かれが
たった一ひとつの想おもいを届とどけられない

雨あめの日ひも風かぜの日ひも
くさることもなく
「大切たいせつ」を届とどけてきた
この手てで渡わたそう
そっと開ひらいた花はなのよに
静しずかに伝つたわってく
叶かなえたい 小ちいさな恋こいのおはなし

宛先あてさきのない手紙てがみを渡わたすのは
初はじめてかもしれない

それでも彼かれは自分じぶんの手てで渡わたした

冷静れいせいを装よそおって
渡わたそうとするほど手ては震ふるえたが

これは僕ぼくだけの
小ちいさな恋こいのお話はなしなんだと笑わらってみせた

あの日ひから相変あいかわらず「想おもい」を届とどけて
ささやかな毎日まいにちに感謝かんしゃをしている
愛いとしい人ひとが待まっている
お家うちへさあ帰かえろう
この世界せかいに 一ひとつの恋こいのおはなし