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THE ORAL CIGARETTES、バンド最大規模のツアーを締め括った完全燃焼の横浜アリーナ!


▲Photo by Viola Kam (V’z Twinkle Photography)

バンド史上最大のツアーが完結

THE ORAL CIGARETTESが昨年9月から半年にわたり開催してきたバンド史上最大のツアー「Kisses and Kills Tour 2018-2019 A/W」のファイナルを横浜アリーナで迎えた。

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昨年6月にリリースしたアルバム『Kisses and Kills』を引っ提げた今回のツアーは、全国15ヵ所をまわったライブハウスシリーズを終えたあと、年末からは名古屋、神戸、福岡、横浜を含む初のアリーナシリーズとして開催。

アルバム『Kisses and Kills』で表現した「Kisses=愛情」と、「Kills=憎しみ」という二面性をテーマに構成されたライブは、様々な演出を駆使しながら、人間が持つ感情に訴えかけるメッセージ性の強いショーだった。

"KK CUBE"との近代的共演


▲Photo by Viola Kam (V’z Twinkle Photography)

近未来的な映像がスクリーンに映し出されると、「人間は両極端な感情を持つ」というメッセージと共にライブがスタート。ドラム台がせり上がるかたちで姿を現した中西雅哉(Dr)が強烈な一打を叩き出すと、続けて、あきらかにあきら(Ba)、鈴木重伸(Gt)、山中拓也(Vo/Gt)が床からジャンプアップして登場した。

ゴスペル風のコーラスがメロディを彩った『What you want』から、山中が「お前ら、全員ついて来いよ!」と煽った『容姿端麗な嘘』へ。ロックバンドとしての獰猛で荒々しい佇まいと、スタイリッシュなポップミュージックのエッセンスが融合した最新系のオーラルサウンドが1万2,000人を魅了していく。

「今日は俺らにとって大事な日やし、みなさんにとっても大事な日に変えていきたいと思います」(山中)。最初のMCでは、ライブを支える協力な助っ人として、頭上に浮かんだ箱型のLED照明を人口知能=「KK CUBE」だと紹介した。

たとえば、「KK、電気消して」とお願いすると、会場の照明が消える。「KK、最近聴いたいちばん良かったアルバムは?」と訊ねると、「THE ORAL CIGARETTESの『Kisses and Kills』ですかね」と答える。そんなKK CUBEが今回のライブでは大事な役割を果たしていくことになるという。

そして、山中が「KK、愛の歌をちょうだい」と伝えると、カラフルな照明に包まれた温かなナンバー『LOVE』や、雪に見立てたシャボン玉が美しく舞い散った冬のバラード『不透明な雪化粧』など、前半はKisses=愛の側面を表す楽曲が披露された。

後半はギアを上げて攻める!


▲Photo by 鈴木公平

『起死回生STORY』や『リブロックアート』といった疾走感溢れるロックナンバーで会場を湧かせた中盤。“変わらずに隣り合って生きていこう”という想いを込めた『トナリアウ』を語りかけるように歌い上げると、メンバー紹介をしながら、あきら、鈴木、中西がステージ袖へと退場した。

ひとりステージに残った山中は「自分はこの世界に何を残すのか考えながら聴いてください」と伝えて、ギター1本の弾き語りで『ReI』を届けた。東日本大震災の被災地を訪れたことをきっかけに作られたこの曲は、バンドにとって特別なナンバーだ。

そこから愛の流れを断ち切るように、KK CUBEに「憎悪、裏切、孤独……」というマイナスの感情を表す言葉が映し出された。真っ赤に染まるステージに再びメンバーが 登場すると、怪しげな舞踏会を思わせる『Ladies and Gentlemen』から、ライブはKills=憎しみ編へと突入していく。

ドス黒い感情を狂気的なロックサウンドに叩きつけた『PSYCHOPATH』に続き、ドープなヒップホップの影響を受けたサウンドの『DIP-BAP』で、ダークな闇の世界へと引き込んでいった。


▲Photo by 鈴木公平

バンド史上最もゴージャスで艶やかな『ワガママで誤魔化さないで』や、温かなアレンジで届けた懐かしいナンバー『LIPS』で会場が特大のシンガロングに包まれると、「6月からツアーをやってきて、今日がいちばん楽しいです!」と伝えた山中。

「ここから攻めさせてらいます!」とギアを上げて、後半はアップテンポな楽曲を畳みかけるオーラル恒例の「キラーチューン祭り」へと突入した。ここで山中が「KK、キラーチューン祭りやろうぜ!」と伝えると、「しょ、しょ、承知しました……人類を滅亡させよ」という不穏な言葉とともに、KK CUBEに異変が起こり始める。

だが、ライブは続行。「横アリ、こんなもんか!?」と煽った『CATCH ME』、センターステージでフロント3人が激しく頭を振った『カンタンナコト』から、鈴木がスライディングしながらギターソロを繰り出した『狂乱 Hey Kids!!』へと、怒涛のアップナンバーで横アリのボルテージはマックスへと達した。

本編のラストは『BLACK MEMORY』。無数のレーザーがお客さんの頭上を交差する1万2,000人の熱狂のなか、KK CUBEが煙を吐いて停止するという意味深な演出でライブを締めくくった。

アンコールで知る、彼らの本当の想い


▲Photo by Viola Kam (V’z Twinkle Photography)

アンコールでは、「いまは弱くても強くなれる。それを俺たちが証明するから」と真摯な言葉で伝えると、ピアノの旋律にのせて“また強くなって、この場所で再会しよう”という想いを込めた『ONE'S AGAIN』を披露した。

ここで終演かと思われたが、会場が暗転したあと、山中が静かに問いかけた。「技術の発展が本当に経済の発展につながるのか。いや、衰退につながるのか。便利だと言いながら、何も考えずに手を出していないか。自分の考えをないがしろにしてないか」と。

Kissesと Killsというふたつのテーマにわけて、この日、オーラルが伝えたかったことは、人間の感情の大切さだ。そのために、技術の発展が生んだ無感情な非人間の象徴として、KK CUBEという演出を使ってみせた。


▲Photo by Viola Kam (V’z Twinkle Photography)

山中の言葉は続いた。「俺らはひとりでは生きていけない。なぜなら感情があるから。感情は自分に対して向けるものじゃない。人とぶつけるもの。それが、あなたたちはできていますか? 俺らは感情にこだわり続けます。この世から人間の感情がなくなりませんように」と。

祈るように言葉を尽くしたあと、本当のラストを締めくくったのは『嫌い』だった。メンバーの背中を真っ白な光が照らし、シルエットだけが浮かび上がったステージ。そこで何度も“嫌い”というフレーズを叩きつけると、4人は何も言わずにステージを去っていった。

心の奥まで余韻を残す圧巻のライブ

たとえ負の感情でも、自分に芽生えた感情を否定してはいけない。それが、この日、THE ORAL CIGARETTESが伝えたかったことだ。

深すぎる愛情が憎悪を生むこともあれば、嫉妬や後悔が生きる原動力になることもある。いま、あなたはどんな感情を持っていますか? そんな言外の問いかけが、終演後いつまでも消えない余韻を残す圧巻のライブだった。

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