cinema staffの自主企画フェス「OOPARTS」が10月3日、岐阜club-Gで開催された。
OOPARTSはcinema staffのベーシスト・三島想平が代表を務め、「自分たちの活動で岐阜に何かを還元したい」という想いのもと2013年からスタート。岐阜在住の有志を募って開催し、チケットは3年連続でソールドアウトを記録している。
三島の開会宣言のあと、岐阜のバンド界のレジェンドと言われるトップバッターのmy young animalが登場。cinema staffが彼らの姿を見て育ってきたことも納得の、誠実なステージ。穏やかさや憂いのなかに劇場を迸らせる音像で、多くの観客を魅了する。「一生岐阜から出る気はありません」という発言にも、岐阜への誇りを強く持っていることを感じさせた。
2番手はcinema staffとは同い年で、今回が初の岐阜ライブとなるSAKANAMON。反骨精神をポップかつポジティブに昇華し、暑く激しい音と姿で観客の心をまっすぐ掴む。「cinema staffへ愛をこめて」と語り、cinema staffの人気曲「drama」を披露するというサプライズも見せた。
3番手は今回の出演者では唯一のガールズバンドである、ねごと。cinema staffとはもう4年くらいの仲で、この日のライブも音楽や仲間への純粋な愛や尊敬が伝わるものだった。4人全員が身体いっぱいに音楽を吸収して笑顔で 楽しむ姿は、多くの人々の目にも眩しく移っただろう。
イベントの折り返し地点に登場したのは、岐阜在住の若手バンドのなかでも特に頭角を現している鳴ル銅鑼。和や歌謡曲に合った演出を用い、観客をスマートにエスコートするようにライブを展開していく。人懐っこい色気は天性か。「岐阜には何もないけれど、ここにいる人たちにはcinema staffがある」という発言にも、cinema staffが岐阜の若いバンドマンたちから大きな尊敬が寄せられていることを感じた。
イベントも後半戦、18時30分ごろ、ステージには今年の2月のcinema staffの自主企画ライブにも出演したPOLYSICSが登場。彼らにとって実に7年ぶりの岐阜でのライブだった。アッパーな楽曲を揃えたセットリストで、3人全員が尋常じゃない集中力をもって全力で体当たり。そんな迫真のステージングは、フロアを一気にトランス状態へ導いた。
その熱気が冷めやらぬなか、トリ前に登場したのは飛ぶ鳥を落とす勢いで人気急上昇中の04 Limited Sazabys。感情のかたまりを豪速球で何百発と打ち込んでいくような荒々しさはカーチェイスさながらにスリリング。直情的なサウンドは非常にフレッシュで、多くの若者が目を輝かせながら彼らを見つめる姿も印象的だった。
トリを飾るのはこの日の主役cinema staff。他出演者がライブで出したパワー、観客からの愛情、岐阜から得てきた様々な想いを全部味方につけたような、確固たる陽性のエネルギーが放出されていた。新作『WAYPOINT E.P.』に収録の「YOUR SONG」も披露し、そのどこまでも誠実な音に、観客も聴き入る。湧き上がる感情のまま120％の力で突っ走る4人、本編ラストで三島想平は膝から崩れるほどだった。
アンコールは「海のない岐阜で、海のことを想像しながら作った」という「海について」を披露。「僕らはまだまだやれます」と語る三島の言葉を強く印象付ける圧巻のステージで、長丁場のイベントを堂々と晴れやかに締めくくった。
cinema staffは12月2日に、豊島公会堂で初のホールワンマン「waypoint 2015」を行うことが決定している。
ライブレポート：沖 さやこ
撮影：ヤオタケシ
■2015.10.03(sat) 岐阜CLUB-G
「cinema staff presents”OOPARTS 2015″」
cinema staff set list
1. theme of us
2. tokyo surf
3. exp
4. YOUR SONG
5. great escape
6. 西南西の虹
7. GATE
en. 海について
■■2015.12/2(水)豊島公会堂
「waypoint 2015」
OPEN / START 18:00 / 18:30
前売り:\4,000
