国内外の豪華なアーティストを迎えて制作された、極めて高い完成度を誇るNozomu Wakai’s DESTINIAのデビュー・アルバム『Requiem for a Scream』が、ロング・セールスを続けている。昨年11月26日に発売された直後、レコード・ショップ店頭で売り切れが相次ぎ、所属するキングレコードでは、新人としては異例のスピードで追加プレスを決定。現在も毎日、バック・オーダーが寄せられている状況だ。
このプロジェクトの唯一の主役である若井望(g)は同作、そして国内外のリスナーからの目覚ましい反応について次のように振り返っている。
「私が想う理想のHM/HRに共感して頂ける方がこれほどまでにいること、そして日本の正統派HM/HRは、世界に通じるプロダクションであると、僭越ながら感じました。『Requiem for a Scream』は、こういったアルバムを聴きたくとも聴けなかった方々の想いが形となったものであり、鎮魂歌であると思っています。そして、自ら建てた私自身の墓碑でもあるんです」
これまでも多方面で活躍してきたミュージシャンであり、相応の評価を受けてきたとはいえ、HM/HRのフィールドでは、“無名”と言ってもいい存在だった若井。それゆえに、彼が掲げた「鎮魂歌」「墓碑」という言葉が意味するものはなおさら重い。詳しくは自身で綴った歌詞をじっくりと読み込んでみて欲しいが、若井が愛するこの音楽の素晴らしさを広く伝えたい、自らの人生を集約した作品を生み出したい、そんな純粋かつ崇高な思いが込められたアルバムは、結果的に多くの支持を得ることになったのである。
事実、世界的に知られる日本のHM/HR専門誌『BURRN!』4月号(3月5日発売/シンコーミュージック刊)で発表になった2014年度の《READER’S POP POLL》(読者人気投票)では、<Brightest Hope>(最優秀新人賞)でチャンピオン(1位)に選出された。他にも<Guitarist><Album><Tune><Shining Star><Songwriter><Album Cover>部門でも上位にランキング。世界の名だたるアーティストが顔を揃える中、まさに“席巻”という表現が相応しい躍進ぶりである。
だからこそ気になるのが今後の展開だが、ここにきて新たな計画が明らかになった。まずは次回作となるEP『Anecdote of the Queens』の制作がスタートしたことだ。まだワーキング・タイトルの状態ながら、実は本作の内容を言い表すもので、特に“Queens”という言葉は一つのヒントだろう。『Requiem for a Scream』の外伝的作品であることも判明している。
また、待望の初ライヴも決定した。来る8月30日に東京・渋谷TSUTAYA O-WESTで行われるこの公演は《a Live for a Scream》なる仮題が冠されている。どのような布陣が集結するのか、詳細は追って発表されるが、少なくとも『Requiem for a Scream』に心酔しているリスナーの期待に応えるものであることは間違いない。若井本人もようやく実現するステージに遙かなる思いを馳せる。
「デビュー作『Requiem for a Scream』に伴うライヴとしては、この公演が最初で最後です。せめて一夜の夢、共に見て頂けましたら大変嬉しく思います」
Nozomu Wakai’s DESTINIAが描き始めた理想郷は、着実に具体的なものとして広がりつつある。若井望に対する関心の高まりは、今や日本国内にとどまらない。次なる朗報もほどなくして届けられることになりそうだ。
文:土屋京輔
◇ライヴ《a Live for a Scream》(仮)
2015年8月30日(土)東京・TSUTAYA O-WEST
チケット:前売り5000円/当日5500円
3月13日よりeプラスにて最速先行発売
※一般発売は6月27日(土)より各プレイガイドにて
(問)NEXTROAD 03-5712-5232 (平日14:00-18:00)
[参加メンバー] G:若井望/B:寺沢功一/Dr:宮脇 JOE 知史/ Vo:小野正利/ 他
◇タイトル・トラック「Requiem for a Scream」
◇OFFICIAL SITE:
http://www.guitarofzorro.com/