神使轟く、激情の如く。の現体制終了ライブ「 -宣戦布告- 」が1月22日(水)にZepp Shinjuku (TOKYO)で開催された。実久里ことの、生牡蠣いもこ、涙染あまね、三笠エヴァ、二日よいこ、TiNAの6人が全身全霊でパフォーマンスした最高のライブ。激しさと多幸感に包まれた、本公演についてレポートしていく。
現体制終了ライブの幕開け
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パンパンのオーディエンスで埋め尽くされた、Zepp Shinjuku。これからどんなライブが目の前で繰り広げられ、どんな終わりを迎えるのか、まだ我々には分からないけれど、このフロアに集まったすべての人間が思うことはただ一つだろう。実久里ことの、生牡蠣いもこ、涙染あまね、三笠エヴァ、二日よいこ、TiNAの6人の姿、神使轟く、激情の如く。の最後を目に焼き付ける、そんな人間の感情がこのフロアには渦巻いている。
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SE (SOUND EFFECT) が会場に鳴り響くと、フロアは暗転。ペンライトが揺れ動く。1人ずつステージに姿を表す神激の6人はいま、どんな感情を胸に抱いているのだろう。大クラップが巻き起こるフロアで二日よいこが高らかに「2025、1月22日、今日という日を全細胞に刻みつけていけよ!」と声を上げる。“合法トリップ:ボイルハザード”から幕を開けたライブ。スタートからフルスロットル、いや、最初から全身全霊をかけて彼女たちは“音楽”を我々に届けようとしている。オーディエンスはペンライトを回し続け、頭を揺らし続け、高く跳び続ける。
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6人の個性に、6人の熱量に置いていかれないように、そして6人の姿を刻みつけるように、オーディエンスは声を上げる。“神奏曲:インフェルノ”、“BAD CAKE”と流れるように曲を投下していく神激。まるでジェットコースターのようなライブ展開に、圧倒されてしまう。これほどまでに激しく動く彼女たちの表情に目を移すと、6人は笑顔なのだ。この状況を最高に楽しんでいるのだ。
ステージの中心に6人が並び歌い奏でる。時折メンバー同士で目を合わせ、時折オーディエンスを指差し、笑う。鳴り響く音像は、ラウドであり、ロックであり、プログレッシブであり……しかし、ここZepp Shinjukuに漂う空気はとても多幸感に包まれ、とても温かい。煽り続けながら、ライブは展開していき、“夏声蝉時雨”までノンストップに歌い上げると、MCの時間が訪れた。
オーディエンスと6人の涙の掛け合い
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TiNAとよいこのテンポのいいMC。「記憶に残っているステージは?」という質問に秒で「武道館」と答えるよいこ。来世まで語りつごううと思っていると武道館の思い出を回顧しながら、来てくれたオーディエンスに涙を浮かべながら感謝を伝えるよいこ。「まだ泣いていません」と言葉に出すと、フロアからは彼女を泣かせようと「よいこコール」が巻き起こる。「ここに来てくれたすべての人を幸せにして帰ることを約束します」とよいこは言う。「うちらの楽園へようこそ!」と始まった、“EGO PARADISE”。
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ことのの歌声がフロアに轟くとクラップが包み込む、ジャンプして彼女たちに呼応するオーディエンスの姿。「幸せなやつ、手を叩け」とよいこは煽り続ける。波のように動くオーディエンス、〈どこにいるかじゃない〉と強く歌い続ける6人、続いて“生まれ変わっても自分になりたい”を投下すると、ボルテージは上昇していく。
まさに本気と本気のぶつかり合い、ステージ上で魅せる6人に脳天ぶち抜かれて、踊り狂うオーディエンス、ああ、これで本当に最後なのか、彼女たちの一挙手一投足から目が離せない。涙を浮かべながら彼女たちを見つめるオーディエンスもいる。〈君がいるから意味があるんだよ〉といもこが高らかに声を上げる。その通りだ。君たちがいるから僕たちもここにいる意味があるんだよ。そう伝えたいオーディエンスも多い、いや、ほぼ全員が思っているはずだ。
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“生まれ変わっても自分になりたい”を歌い切ると、「今日もフロアで笑ってくれる目の前のうちらのHEROために歌います」と“不器用HERO”を投下。「Oh Oh」とオーディエンスがフロアに声を届ける中でいもこが感情を吐露する。感謝の言葉と「今日だけはいっぱい泣いていいよ、感情のままでやってやりましょう!」と。
ツーステでステージを揺らしながら、ギアを上げながらライブの展開、六者六様の歌声とパフォーマンス、そんな6人に我々は身を委ねるだけ、〈Wanna be HERO for you〉と歌う6人の声に寄り添っていると、エヴァががなる。「真剣にやってきたライブに勝ち負けも優劣もないと思ってきた、けど、そんなわけねえな、そんなわけない。だって、今日この日に俺たちが今までやってきたライブ、お前らと重ねてきた思い出、その全てに勝たなきゃやってきた意味がねえんだよ!」と熱い思いを吐露して始まった“ワールドブレイカー”。
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頭を振り落とすつもりで振りまくるオーディエンス。あまねのスクリーム、エヴァの「生きてる?じゃあ、今死ね!」と強烈にスタートした“神奏曲:テンペスト”、いもこが「この記憶が永遠に残りますように」と言葉にしてスタートした“ノクチルカ”とライブが展開していくと、よいこが「惑星直列という現象をこの場所でも起こしたい、夜空の星に君たちの光を合わせて、君だけの光を焼き付けてください」と“SYZYGY”を投下。
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「この光が何光年先にも続く景色になりますように」と思いを込めて、丁寧に歌い上げると、ライブはもう終盤戦に突入していた。いもこは声を震わせながら思いを語る。
「目を合わせちゃうとグッとくるものがある。これまでの7年間、今までの人生を認めてくれるような温かく包み込んでくれるようなそんな景色だなと感じました。上京前、いろんなこと諦めて引き篭もっていた過去も神激に入ったあともMCでボロボロになって何話してるか分からなくなって逃げるように帰って散々怒られたあの日も。お母さんが亡くなっちゃって、もう立ち直れないと思ったあの日も、全部全部、苦しい日々や苦しいことはあなたがいたから、あなたがいたから進むことができた。そして今日心から幸せだって思える景色を、生きてきてよかったと思える景色を一緒に作ってくれて本当にありがとう!そんな居場所を作ってくれた神激へ、そんな私が作った歌詞を、私たちが作った音楽を愛してくれた君へ、そして何よりこんな素敵な世界に生んでくれた母へ、私の全てを込めて捧げます」、「7年間戦い続けた戦士の歌を」と“黎明ジャンヌダルク”を投下。
フロアはいもこの言葉に感動し、ギアをさらに上げる。拳を突き上げ、彼女たちの音楽に呼応する。ステージの上では、目を合わせながら歌い奏でる6人がいる。まだ終わらないでくれ、終わらないでくれ、そんな感情が渦巻くフロアとステージ。
幸せに包まれた景色
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力強く“黎明ジャンヌダルク”を歌い上げると、ことのが口を開く。
「私が、この7年間ワンマンでマイク握ってしてきたこと。いつだってライブの最後の最後リーダーとして、神激の未来を語ってきました。そして迎えた今日、何話そうか悩んだんだけど、いつも通り未来の話をします。明日からも生きていってね。当たり前かもしれないけど、それが当たり前じゃない世の中じゃないですか。うちらは君らに生きてほしいから歌ってきたし、足が止まりそうなとき、背中を押してほしいとき、そばにいたいから歌ってきたし、幸いなことにうちらがやってきた音楽はうちらがいなくなっても聴いてくれるあなたが、必要としてくれるあなたがいる限り、残り続けます。だから一緒に生きていってください」、「もう一つ!うちらも生きてるから!こんな縁があるうちらです。いろんな景色を過ごしてきた縁のある仲間たちです。画面で見ている君もそう、全員仲間達です。どこかでまたすれ違う気がしてるんですよ。その時は、今楽しいよ、ちゃんと生きてるよと言い合える仲間でいましょう。そのために、君らのことをそんな切ない顔のままじゃ帰らせられないんですよ」とラストスパートへ向かうライブ。
“神奏曲:ライトニング”を投下すると、〈じゃ 限界突破でいけるよな!〉と歌詞を変えて、フロアへ訴えかける、ことの。
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空気感が一変することを肌で感じる、ラストに向けてギアがまた一つ上がった。感情のままに彼女たちのライブに寄り添うオーディエンス、そして全身全霊で応える6人。ライブはもう終盤、“宣戦布告”が始まるとフロアはさらに熱を帯びる。全力なパフォーマンスに手が千切れそうな勢いでペンラインと振り回すオーディエンス。
フロアで巻き起こった「Oh Oh Oh」のシンガロングは、きっと未来へつながる、ここで起きた最高の事象、そしてここで出会った最高の出会い、またきっとどこかで会って「生きてるよ」と笑顔で言える。そんな予感がする。エヴァは言う「奇跡みたいな日々を、時間をありがとう!」と。オーディエンスは、今日ここで、最高な景色を君たちと作ったことを絶対に忘れないだろう。
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“宣戦布告”を歌い終わると、メンバーそれぞれが名前を、そして、神使轟く、激情の如く。と声を高らかにフロアに響かせると、「ありがとうございました」と深く一礼。オーディエンスからは大きな拍手と「ありがとう!」と声が飛び交う。「最後、1人じゃ歌いたくないから一緒に歌ってくれますか?」とことのが口を開く。〈例えばこの先にさよならが待とうとも共に戦った日々を誇れるような〉と“supernova”をシンガロング。
6人全員で肩を組んで、オーディエンスも全員で肩を組んで、あの光景はここにいたすべての人間が忘れることが出来ないだろう。それほどまでに多幸感に満ち溢れた景色。涙と笑顔、そして6人が浮かべる達成感にも似た表情。
僕たち、オーディエンスには最高の景色が広がっていたけれど、6人の目の前にはどんな景色が広がっていたのだろう。神激の目の前に広がった景色がどうか、素敵で、幸せに包まれた景色でありますように、そして、彼女たちのこれからの未来が最高のものでありますように。
7年間、本当にありがとう!神使轟く、激情の如く。よ永遠に!
そして、次の未来でまた会おう!
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TEXT 笹谷淳介
PHOTO メトロ。