中山優馬、豪華ベテランと挑む舞台『大誘拐』再演！全国ツアーで描く「生きる煌めき」

公開日：2025年9月17日

抱腹絶倒の誘拐劇、舞台『大誘拐』が豪華キャストで全国再始動

2024年に大きな反響を呼んだ舞台『大誘拐～四人で大スペクタクル～』が、2025年10月の東京公演を皮切りに、全国13カ所を巡る再始動を決定しました。主演の中山優馬さんをはじめ、柴田理恵さん、風間杜夫さん、白石加代子さんという、日本の演劇界を牽引する大ベテランたちが再び集結します。この豪華な顔ぶれが織りなす「スペクタクル」とは一体どんなものなのでしょうか。中山優馬さんの独占インタビューから、この舞台の持つ途方もない魅力に迫ります。

舞台イメージ

原作は1978年に発表された天藤真の傑作推理小説で、82歳の小柄な老婆が国家権力やマスコミを巻き込み、最終的に百億円を略取するという破格の物語です。この大胆不敵なストーリーを、たった4人の役者で舞台化する「四人で大スペクタクル」。初演が早々に再演決定となった背景には、キャスト陣の確かな手応えがありました。中山優馬さんも「もっとやりたいと思っていた」「ありがたい気持ちでいっぱい」と語っており、その興奮が伝わってきます。

中山優馬が語る、ベテラン勢の「究極の役者パワー」と役への共感

中山優馬さんが特に熱く語っていたのは、共演する大先輩方への深い敬意と洞察でした。彼らの「すごさ」を肌で感じたという言葉には、舞台にかける情熱がにじみ出ています。

白石加代子さんについては「圧倒的な声の圧と存在感と生き様」と評し、彼女の人生そのものが一言一言に込められ、観客を一瞬で飲み込むパワーは「究極の役者のパワー」だと絶賛しています。培われた経験が生み出す表現は、まさに唯一無二のものです。

白石加代子さんの画像

一番多くの役柄を演じ分ける柴田理恵さんには、その器用さに驚きつつも、「私は不器用だ」と愚直に稽古を重ねるとめどない向上心に感服したそうです。風間さんたちに演劇の話を貪欲に聞く姿は「少女のよう」と形容され、その探究心と演劇への愛がひしひしと伝わってきます。

柴田理恵さんの画像

風間杜夫さんの芝居については「何を考えているのか分からない方」と、まずそのミステリアスな魅力に触れた中山さん。役を演じるだけでなく、「役者自身の面白さ」と「役の魅力」が共存する、スリリングな「遊び方」 だと言います。台本通りのセリフにこだわらず、感情やその場の空気を重視する自由な演技は、私たち観客にとっても予測不能なワクワクを提供してくれるでしょう。

中山優馬さんが演じるのは、誘拐グループのリーダー・戸並健次です。犯罪を犯すダメな部分を持ちながらも、彼が「愛に溢れた人間っぽさ」を持つ点に魅力を感じているそうです。当初は一千万円の身代金を狙いますが、誘拐したおばあちゃん（とし子刀自）に愛情を感じ、「本当のおばあちゃんになってほしい」とまで思うようになる健次。彼が望む一千万円は、人生を少し変えるための、ささやかな希望の金額です。そんな憎めない人間味あふれる「愛のある誘拐犯」像は、観客の心に強く響くことでしょう。中山さん自身も、健次がおばあちゃんの計画に乗っていく姿に「周りの意見も取り入れて、頼っていく」という自身の仕事観との共通点を見出し、役との深い共感を語っています。

中山優馬さんインタビュー画像

予測不能な「四人で大スペクタクル」が織りなす舞台の真髄

本作の最大の醍醐味は、やはりこの少数精鋭の4人で繰り広げられる「ドタバタ劇」です。中山優馬さんは「キャストが4人しかいないので、自分の持ち場が崩れたら大変なことになる。その綱渡り感がある」と、その緊張感を表現しています。大ベテランの3人と、若手として重要なピースを担う中山優馬さんが、お互いにパスを出し合い、舞台上を縦横無尽に駆け巡る姿は、まさにライブパフォーマンスの極致と言えるでしょう。

「若手4人で演じたらきっとこの面白さは出ない」と中山さんが断言するように、豪華なベテラン陣がドタバタと動き回るからこその面白さ、そして深みがこの作品の大きな魅力です。

中山優馬さんは、この舞台について「ご来場くださる皆さんより僕の方が楽しみにしていると思うくらい、ワクワクしています」とコメントし、観客へのメッセージとして、こう語っています。「御三方のパワーや、生きることはこんなにも煌めきのあることなんだということを受け取れる舞台です。まるでアトラクションに乗っているようなスピード感で進んでいくので、一緒になって楽しんで、見届けていただければと思います。」あらゆる年代の人が楽しめて、「演劇っていいな」と思える作品になるという自信に満ちた言葉からは、最高の舞台体験が期待できます。