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【ライブレポート】そこには“歌”があった ―世界とあなたへ向けて歌うSHE’S『Wandering』ツアー・感動のファイナル!


『Wandering』ツアー最終公演は東京 EX THEATER ROPPONGI

次世代ピアノロックバンドSHE’S。2016年6月のメジャーデビュー以降、フルアルバム2枚とミニアルバム1枚とシングル2枚を精力的にリリース。最新作の2ndフルアルバム『Wandering』はGREAT3の片寄明人をプロデューサーに迎えて、ピアノロックの枠にとどまらないサウンドを聴かせる飛躍作となった。

『Wandering』を携えての対バン10カ所、ワンマン10カ所を含む過去最大規模のリリースツアーもこの日が最終公演。ソールドアウトとなった会場の東京 EX THEATER ROPPONGIには開演を待ちわびるファンの熱気が立ち込める。



君が君を信じられるように アンセムを鳴らそう

真っ暗なステージにSHE’Sの4人が登場。名刺代わりに演奏されたのは『Wandering』でも1曲目に収録されている『All My Life』。ボーカルの井上竜馬(Vo)が会場にマイクを向けてコーラスをうながすと冒頭から会場の興奮は最高潮に。


服部栞汰(Gt)が奏でる印象的なギターのフレーズからはじまる『Blinking Lights』。
フックのあるサビのメロディーとスケールの大きなサウンドからバンドの自信が伝わってくる。全国ツアーを経て成長した4人を迎えるファンの思いもひとつになって会場に広がる。


定番曲を次々と投入!

ライブの定番曲『Un-science』。イントロが流れた瞬間、会場から手拍子が起きる。「SHE’S」の横断幕のみというシンプルなステージ上で、迫力あるシンガロングナンバーを支えるのは広瀬臣吾(Ba)と木村雅人(Dr)のリズム隊だ。


「さあファイナルの声を聞かせてくれ!Freedom!!」
休むことなく1stフルアルバムからの定番曲を投入していく。1st Album『プルーストと花束』から1年あまり。ピアノロックとして完成したスタイルのその先へ行こうとするチャレンジが一回りもふた回りも大きくなったこの日の演奏に実を結んでいた。


「今日はみんなでたくさんいっしょに“歌”を歌う日にしたい」

ここでMC。「ついに来ましたファイナル、ただいま!」と服部。
木村が「今日は気合い十分で来ているので、みんなも気合い十分でついてきてください!」
ライブを通じて“定番”となったお客さんイジリを交えながら「今日はみんなでたくさんいっしょに“歌”を歌う日にしたい」と言ってエレキギターを手にとる井上。
『Getting Mad』はピアノロックの枠にとらわれないことを意識した『Wandering』の中でも新機軸のロックンロールナンバー。中盤で服部のソロが炸裂すると会場も否応なしに盛り上がる。

動きのある広瀬のベースからはじまる『Runnnig Out』に続いて会場が暗転すると、ピアノのイントロから美しいアンサンブルを奏でる『White』へ。

声を涸らせて歌い上げる井上の姿に会場中が思わず引き込まれる。ギターロックからバラードまでさまざまな方向性の楽曲からSHE’Sの現在地が伝わってくる一幕だった。


完成度の高いメロディーを存分に味わえるステージ


ボーカル井上竜馬が手がける楽曲は、海外のヒットチャートに混ざっていても違和感を抱かせないポップなメロディーと、日本語の響きを生かした叙情性をあわせもつシンプルかつ完成度の高いものだ。

ビートルズやオアシスなどUKにインスパイアされた『Beautiful Day』。
インディーズ時代の『Back To Kid』など多彩なメロディーの曲が続けて演奏される。

再びステージが暗転。
「映画を観て書いた」という『Remember Me』はいなくなってしまった人についての曲。
「生活していくなかで日々忘れていくけど、思われている人はきっと思っている人の何倍も幸せなんじゃないかな。」
紡ぎだされるメロデイー自体が映画のエンディングのように響いて空間を満たしていく。


バンドの決意表明のような『Flare』

『Say No』、『Ghost』と1stアルバムからの曲を続けて披露。ドラマチックなエンディングから間を置かずに『Flare』へ。
SHE’Sの多面的な魅力を引き出した『Wandering』を象徴するロックナンバーはライブでこそ真価を発揮する1曲だ。

前へ前へと背中を押す縦ノリのビート。手を振りあげて熱唱するファンの姿は、すでにこの曲が特別な1曲になっていることを物語っていた。

MCそして『C.K.C.S.』からの『Over You』

ここで小休止。マイクをとる木村に対して冷静にツッコミを入れる井上。最近伸ばし始めたという広瀬のヒゲをネタに客をいじる様子に、会場の大きさを感じさせないバンドとの距離の近さが感じられた。

ほっこりしたところで後半戦へ。「実家の犬が好きすぎて書いてしまった」というソウルフルなダンスナンバー『C.K.C.S.』。ハンドクラップに合わせて会場にコーラスをうながす井上。ワウをかませたファンキーな服部のギターソロに歓声があがる。


続いてアルバムではストリングスからスタートする『Over You』。アコギをかき鳴らして井上が歌う。

サビの「Hey!」では観客もいっせいにジャンプ。会場中にポジティブな空気が充満する。


パンクロックの疾走感とピアノにポップなメロディー

「行けるか、東京!!」会場の温度が上がったところでさらにたたみかける4人。軽快に駆け抜けていく『Time To Dive』。
「もっともっと遠くまで行こう」と歌う『遠くまで』はパンクロック的な疾走感とピアノ、ポップなメロディーというSHE’Sの魅力を凝縮したような1曲だ。位置を交代しながらステージを動きまわる服部と広瀬。
「今日いちばんデカい声で頼むよ!」完全燃焼する4人と客席の歌声がひとつになって会場を揺らせる。


「自分たちの居場所をつくるための歌を!」

「対バンで出会った先輩たちや各地のファンの思いを背負ってファイナルを迎えました。楽しみももちろんあるけど、絶対いい時間にしようと思ってやってきた」と語る井上。
結成して7年。一歩一歩すすんできたSHE’Sの歩みを振り返りながら「こうやって集まって目を合わせて話してくれるみんなに、ありがとうという気持ちでこれからも曲を届けたい」と話し、本編最後の曲『Home』へ。



懐かしさを覚えるメロディーに会場の空気が包みこまれる。
「みんなで最後にいっしょに、自分たちの居場所をつくるための歌を!」
やむにやまれない思いを歌に乗せて放つ。そこにはただ大きな“歌”だけがあった。
時代と共振しながらも普遍的なポップスを目指すSHE’Sの音楽は、これからも多くの人にとっての居場所となっていくに違いない。


進化するSHE’Sのピアノロックに注目!

アンコールでは2曲を披露。『Wandering』から『The World Lost You』。
インディーズ時代から大切にしている楽曲『Curtain Call』では、大空に絵を描くような服部のギターソロがファイナルを彩る。
「あなたの歌です。歌おう!」井上の呼びかけにガッツポーズでこたえるファンの姿も。

「またライブハウスで会いましょう!」
身体の芯から温まるような余韻を残してSHE’Sの4人は会場をあとに。20カ所を巡る『Wandering』ツアーはこうして閉幕した。

5月25、27日にはストリングス&ホーンを含む編成でのベストセレクションライブ「Sinfonia “Chronicle” #1」を開催、今夏にはニューシングルのリリースも決定しているSHE’S。
普遍的なメロディーと進化したピアノロックで歌い続ける4人の今後に注目したい。


Text:石河コウヘイ
Photo:MASANORI FUJIKAWA

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