「忍たま乱太郎」主題歌『勇気100%』
『勇気100%』は、ジャニーズアイドルの後輩であるYa-Ya-Yah(当時)やHey!Say!JUMP、NYC、Sexy Zoneによってカバーされ「忍たま乱太郎」の主題歌として定着した。カバーしたアイドルたちのコンサートでも披露され、光GENJIを知らない世代にも幅広く愛されている。
平成の子どもたち、平成のアイドルたちによって歌い継がれてきた『勇気100%』。
令和の時代にも繋いでいきたい名曲だ。
なぜ『勇気100%』はこれほど長きにわたって愛されるのか。
あの頃の光GENJIが歌ったからこそグッとくる、発売当時の彼らの背景も踏まえ考察していく。
ここを聴いて!グッとくる歌詞
『勇気100%』は1993年5月と、光GENJIの活動としては後期にリリースされた楽曲である。94年7月に光GENJIから2名のメンバーが卒業。
残る5人で「光GENJI SUPER5」と改名し活動を継続するも、翌95年8月に解散を迎えている。
オリジナルメンバーで活動した94年7月を「光GENJI」の終焉とするならば『勇気100%』は限りなく終焉に近い時期に歌われた楽曲だ。
その点を踏まえて歌詞を読み返すと、グっとこみあげてくるものがある。
作詞は松井五郎氏。
数多くのジャニーズソングを手がけてきた名作詞家である。
サビ後半のフレーズ。こちらに注目して聴いていただきたい。
----------------
もうふりむいちゃいけない
ぼくたちはぼくたちらしく
どこまでも駆けてゆくのさ
≪勇気100% 歌詞より抜粋≫
----------------
----------------
もうやりきるしかないさ
ぼくたちが持てる輝き
永遠に忘れないでね
≪勇気100% 歌詞より抜粋≫
----------------
まさか松井氏が光GENJIの今後を知っていたなんてことはあるまい。しかし、よもや予見していたのではと勘繰ることもできるほど、この先それぞれの道を行く彼らの姿にぴたりと合った歌詞なのだ。
YouTubeなどでしか見ることがかなわないのだが、もうすぐ解散してしまうということが分かった上で『勇気100%』のパフォーマンスを観るとなおグッとくるものがある。
デビュー当時少年だった彼らはすっかり大人になったが、持ち前のキラキラした笑顔はそのままだ。
全力のパフォーマンス
光GENJI最大の魅力はいついかなるときも全力のパフォーマンスにある。ハイレベルなダンスやアクロバットも、笑顔でやりきる姿勢に「アイドル」の原点を感じさせる。
解散がすぐそこに迫っていると分かって観ているにも関わらず、「この時間が永遠に続くのでは」と錯覚してしまう。
この圧倒的な引力と煌めきは、光GENJIが「スーパーアイドル」と呼ばれる所以だろう。
光GENJIはデビューから解散まで、活動期間はたった8年だった。しかし、8年という短い期間であったとは到底思えないほど、数々の功績を残し見る者を楽しませてきた。
「刹那的な美しさ」を体現した最後のスーパーアイドル。
光GENJIが持つ輝きは、永遠に忘れられない。
TEXT シンアキコ