ものすごい緊張感と不安との戦いの毎日でした。
──最新アルバム『SING SING SING 7』は、大阪城ホール公演を終えてすぐに作り始めたのでしょうか。![](https://cdn.utaten.com/uploads/images/specialArticle/4017/10/42360426fd1948b51fa87363ae01efe6e6e57b03_l.jpeg)
──それだけ、大阪城ホールでの公演で達成感を覚えてたということですね。
MOCA:そうなんです。大阪城ホールを成功させ、「ここから第二のスタートや」という気持ちですぐに向かおうと思っていたんですけど……一度、燃え尽きましたね(笑)。だけど、そうなってしまうのは自分たちでもわかるというか。
大阪城ホール公演へ向かうまでは、それまで経験したことのない規模でのワンマン公演だったこともあって、ものすごい緊張感と不安との戦いの毎日。プレッシャーというストレスもあったからなんでしょうね、大阪城ホールを終え、その不安がなくなって暫くは毎日のように呑んでいましたから(笑)
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それでも覚悟を決め、自分たちの置かれた状況の中で精一杯やるしかないと3人の意思を統一してからは、多少は気持ちも落ち着きましたけど。それでも、本番を迎えるまでプレッシャーを完全に拭い去ることはなかったと思います。
──だからこそ、大阪城ホールを成功へ導いた安心感から、一時期脱け殻のようになっていたんですね。
Rover:でっかい肩の荷を下ろしたような。とても大きなミッションを成し遂げた感覚はあったと思います。
──そうなると、大阪城ホール公演を終え、いきなりエンジンをかけるのは難しいのも納得です。
Rover:すぐにエンジンをかけなきゃいけないんでしょうけど、僕らの場合、そうはいかなかったですからね。
食わず嫌いな人がいようとも、全員の心に届いて欲しい
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──大きな夢の一つを達成したメンバーたち。もちろん、悩み葛藤がゼロとは言いませんが、それでも必死に這い上がろうとしていた時期よりは、心の中の揺らぎも小さくなるのかなと普通は考えてしまいます。
でも、アルバム『SING SING SING 7』には、悩み葛藤を覚えれば、苦悩の中にいながらも、必死に夢をつかみ取ろうとする歌たちもけっこう収録していますよね。
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そういう毎日の中で、音楽が心の拠り所になってきた人たちも多いと思うし、僕たちもそうでした。ましてベリーグッドマンの場合、そういう想いをぶつけた曲たちを支持してくれる人たちが増え、ここまでに成長することも出来ました。
だからこそ、そういう姿勢を持った楽曲を、僕らはこれからも作り続けていきたいし、そうしていこうと思っています。同時に、音楽的にいろんな冒険をしたい気持ちもある。だったら、その二つを追求しようと思って作ったのが『SING SING SING 7』というアルバムなんです。
──だから、前半部と後半部では異なる姿勢や表情も見えてくるわけだ。
Rover:そうなんです。少しずつですが世の中への認知度が上がってきた今、ベリーグッドマンに求められている気持ちにも応えたいし、表現者としての自分たちの意思も伝えたい。だから、どっちの姿勢も同居してくというのは、僕たちにとっては当たり前の姿勢なんです。そこは今回に限らず、昔から一貫している姿勢ですからね。
──ベリーグッドマンの歌に励まされ、それを未来へ進むための糧にしている人たちはとても多いですから、その姿勢は嬉しいです。
Rover:今でも僕ら、この季節になると特にtwitterへ高校球児たちからの書き込みが増えるんですね。みんな言ってくれるのが、「ベリーグッドマンの歌を励みに甲子園を目指してる」という言葉。それは球児に限らず、身近で応援している人たちや、OBの方々からも届きます。
そういう言葉を毎年のようにいただくたび嬉しくなりますし、一人一人へ直接「頑張れ」とは言えないですけど、歌を通してそういう気持ちを伝えていけることが僕ら自身の力にもなっていること。
ホント、恐れ多いことですけど。プロのアスリートの方々からも、「ベリーグッドマンの歌を励みに日々の練習を頑張っている」という言葉もいただくんです。プロだろうと、アマチュアであろうが、誰だって気持ちが疲れれば、心細くなるときがあると思います。そういうときにベリーグッドマンの歌が、その人の心を押す力になれることが僕らも嬉しいのはもちろん。ベリーグッドマンの歌を、これからもそういう力に変えていけたらなとも思っていることですからね。
──ベリーグッドマンの歌に励まされる気持ちって、世代や年齢に関係なく誰もが感じること。人が、前へ進むうえで悩み葛藤するとき、間違いなくベリーグッドマンの歌が心の支えになってくれますから。
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ここで寄り添われてもお節介でしかないと思ったこともあれば、状況によっては「頑張れよ」といわれることが逆につらいときだってあるのもわかります。でも、大人になるにつれ、その言葉の意味がすごく身に沁みていくんですよね。
もちろん、僕らの歌をディスる人や馬鹿にする人がいても、僕らはそれで構わないと思ってる。応援歌やメッセージソングがダサいと思える時期があるのもわかりますし、中には、その気持ちが変わらない人だっているかも知れない。たとえ僕らのことを鼻で笑う人がいても、その人たちも含め僕らは応援歌やメッセージ、今の僕ら自身が感じる想いを届けていきたい。そこが、僕らの揺るがない姿勢なんだと思います。
──「真っ直ぐな応援歌を格好つけて拒否したくなる時期がある」という言葉、経験上わかります。
Rover:僕自身が、学生時代に真っ直ぐな歌を嘗めていましたからね。それが20代になって一気に変わり、言葉の力に何度も励まされ、助けられてきた。そこからですよ、「言葉の力ってすげぇな」と思うようになったのは。だからこそベリーグッドマンは、たとえ食わず嫌いな人がいようとも、全員の心に届いて欲しいと思いながら、いつも歌っています。