待ち遠しい春の幸せな光を感じる曲
女優としても高い評価を受け、数々の賞を受賞した経験を持つ中山美穂は、デビュー当時はその圧倒的なルックスの良さからアイドルとしても活躍していました。
そんな中山に「ピュア」な色をつけたのが、竹内まりやが作詞・作曲を担当したシングル『色・ホワイトブレンド』だったのではないでしょうか。
資生堂の1986年春のキャンペーンソングだった『色・ホワイトブレンド』は、アイドルらしい明るくポップな曲でありながら、竹内まりやらしい人生の真理が感じられる曲となっています。
さっそく歌詞を見ていきましょう!
----------------
リボンが風に踊る
大好きな季節が
涙をはらいのけて
私をきれいにしてくれる
≪色・ホワイトブレンド 歌詞より抜粋≫
----------------
元気な様子で歩いていると、髪に着けたリボンがぴょんぴょん跳ねて、なんだか踊っているように見えますね。
そんなリボンを躍らせながら元気いっぱいに歩いている女の子をイメージすることができます。
「大好きな季節」が春であることが、引用した歌詞の少し前に提示されているので、春になり、悲しいことから立ち直った女の子のハッピーオーラが感じられますね。
「春」は、季節の変化を歌っただけではなく、気持ちの変化も表現しているのかもしれません。
きっと、「私」の心の中にも春がきたのでしょう。
「春」「リボン」「大好き」「きれい」というような、明るい気持ちになれる言葉がたくさん出てきて、この曲を聴くと元気になれます。
ホワイトになって新しい彼と出会おう
----------------
White night 眠れぬ夜も
White lie あなたの嘘も
White blend 淡い過去に
消えてしまう
White witch 愛の女神が
White love 新しい彼と
White blend
めぐり逢わせるの
≪色・ホワイトブレンド 歌詞より抜粋≫
----------------
眠れないほど苦しんだり悲しんだりしたことも、好きだった人が嘘をついて「私」を裏切ったことも、もうよく見えないほど淡い過去になって消えてしまった…。
そして、愛の女神はこれから新しい彼と「私」を巡り合わせてくれるだろう。
「私」がそう考えていることがわかります。
「私」は未来に希望を持っているのですね。
自分を裏切って悲しませた元カレを過去に消し去って、「White(真っ白)」になってこそ、新しい彼と出会える。
これは、人生の真理の一つなのではないでしょうか。
そういった経験のある人はたくさんいることでしょう。
新しい彼と歩む真っ白な人生に、明るい色を乗せていく。
辛いことから立ち直って、ハッピーオーラをまとっている「私」ならきっとそれができるでしょう。
うまくいく恋が運命の恋
----------------
人気のないギャラリー
すれ違った瞳
ずっと前から私
彼と出会う運命だった
≪色・ホワイトブレンド 歌詞より抜粋≫
----------------
歌詞の続きを見てみると、やっぱり新しい彼に出会っています。
「ずっと前から私 彼と出会う運命だった」と言い切るところが、素晴らしい。
うまくいかなかった恋は運命の恋ではなかったのです。
こんなに前向きな女の子が幸せにならないはずはないですよね。
「愛の女神」にも愛される人なのでしょう。
その後の歌詞でも「私」の恋が進展し、新しい彼とうまくいって、「日記の真っ白な新しいページを熱い想いでうずめてゆく」幸せな様子が綴られています。
この曲を聴くと元気になれるのは、恋愛に限らず「何かうまくいかないことがあっても、何も始まっていない真っ白な状態から、またやり直せる」と思わせてくれるからではないでしょうか。
歌っているうちに、いつの間にか笑顔になっている。
「何かうまくいかないことがあっても、リボンを揺らしながら元気に街を歩いていける日がくる」と信じさせてくれる、「色・ホワイトブレンド」。
この曲はアルバム「REQUEST」に収録されています。是非きいてみてくださいね。Amazonのレビューでも高評価ですよ。
TEXT 三田綾子