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DoAs冬の名曲のタイトルは、なぜ「柊」であるのか

静かなピアノの旋律は、深々と降り積もる雪を思わせる。発表から13年を経ても、今なお冬の名曲として人気の高いDo As Infinity『柊』の歌詞には、どのような想いが込められているのか。

語り継がれる冬の名曲

▲Do As Infinity / 柊(Hiiragi)

2006年に発表されたDo As Infinityの『柊』。

毎年冬を迎えると聴きたくなる、という方も多いのではないだろうか。

現在では『柊』を検索しようとすれば、サジェストの上位にDoAsの名が表れるほどに定着した。

YouTubeの動画視聴回数も現在まで伸び続け、600万再生を突破している。

再結成後ののリアレンジ・ベストアルバム『2 of Us [BLUE] -14 Re:SINGLES-』においては、新たにアレンジされたバージョンが収録され話題になった。

Do As Infinityの代表曲と言っても過言ではないほどの人気を誇るこの楽曲の歌詞を、今一度振り返りたい。

人生における「冬」

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僕たちは あやまちを犯す
僕たちはすぐに立ち止まる
ささいな小石にさえも 躓いて
誰かの言葉を信じ
誰かの手の中にいる
最後は一人なのに
≪柊 歌詞より抜粋≫
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序盤から淡々と語られる言葉は、軽やかなピアノの音色に反し暗く、重い。人生の辛さやどうしようもなさを抱え込んだ孤独感を表しているようだ。

しかしそんな思いを抱えながらも、人は生きていかなくてはならない。



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長い橋
引き返す 勇気もなくて
こぼれてく
両手から 大切なもの
≪柊 歌詞より抜粋≫
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大切に思っているものでさえ、必ず守り抜けるとは限らない。

どうしても抱えきれなくなったり、やむを得ず手放さなくてはならないこともあるだろう。

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舞いだした粉雪は
積もるのでしょう
冬を耐え抜いてゆく
強さが欲しいよ
≪柊 歌詞より抜粋≫
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そんな、辛く苦しい思いを抱える時期を、「冬」に表したのだろうか。

舞い落ちる雪はさながら自分の涙のようであり、その苦しみを浄化する化身のようでもある。

降り積もる雪は「冬」の長さを、かつその苦しみの大きさを訴えているかのようだ。

孤独の中この寒さに抗うことは出来ず、ただじっと春を待つ情景が浮かんでくる。

なぜ「柊」でなくてはならないのか



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柊は
冬の訪れ告げる花
僕たちを
ただ そこで 見下ろしている
≪柊 歌詞より抜粋≫
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柊は、冬を前に白く小さな可愛らしい花を咲かせる樹である。

花と言えば寒々しいに明るく暖かみをもたらす存在かのように思えるが、どうもそうではないらしい。

その樹に見下ろされているという表現。

凍えるこちらを嘲笑しているような、自然の厳しさを見せつけてくるようなイメージなのだろうか。

あらゆる生物が息絶え、植物も葉を落とす冬。

そんな季節に花を咲かせ堂々とそびえ立つ姿は、「生き抜かなくてはならない」という現実の象徴のように思えてしまうのかもしれない。

辛く投げ出したい状況の中、勇ましく美しい生き様を見せつける存在が柊であったのだろう。

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長い孤独な夜に
つぶされそう
満たされぬ現実が
押し寄せてくるよ

君を守り抜きたい
この冬から
やがてつく赤い実を
二人で待とう
≪柊 歌詞より抜粋≫
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辛く苦しい季節だ。

それに押し潰されそうになったとしても、人は生き抜かなくてはならない。

花が終わると綺麗な赤い実を纏う柊。

それはいつか地に落ち、鳥に運ばれ、新たな芽となる。

人も同じだ。

どんなに長い苦しみもいつかは終わり、また新たな旅に発つための糧となる。

それを大切な誰かと実らせることができたら、また新しい季節が始まる。

そうして人生を前へと進んでいけるのだ。


TEXT 島田たま子

伴 都美子(Vo.)、大渡 亮(Gt.&Vo.)からなるロックバンド。 1999年結成。 デビュー前から渋谷ハチ公前を中心に100回以上路上ライブを行い、同年9月29日、シングル「Tangerine Dream」でavex traxよりデビュー。 2005年11月25日に日本武道館でラストライブをもって6年間の活動を終了したが···

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