愛しさを目一杯に詰め込んだ歌詞
心を震わす力強さと、透き通るような美しさを併せ持つ歌声が特徴の『Novelbright』。一度聴けば忘れない印象的なメロディラインにも定評があります。
そんな人気ロックバンドの新曲『夢花火』の歌詞の意味を考察します。
この楽曲の一番の特徴は、恋人への愛しさが詰め込まれた歌詞です。
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明日の目覚ましは
朝6時だけど君と話したい
おやすみの合図はさぁ
カーテンの隙間から覗く光で
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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歌い出しは、恋人と朝まで電話をするシーンから始まります。
次の日は早く起きなければいけないのに、電話したい気持ちが上回り、ついつい長電話をしてしまうというのは誰しも経験があるはず。
「おやすみの合図はさぁカーテンの隙間から覗く光で」とあるように、楽しくて幸せな時間があっという間に過ぎてしまう様子を描いています。
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いつもは眠らないこと悔やむけど
今日だけは欠伸さえも愛しく思えた
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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睡眠不足でも、その理由が恋人とのものであれば、いくらでも頑張れますよね。
欠伸でさえ、恋人と過ごした勲章のように愛しく思える程、自分の心が愛情で満たされていることを表しています。
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初めて会った日から
まっすぐな君に心惹かれて
いつの日か見上げれば
無意識に君を思い浮かべた
決め手は価値観性格全て
そして人の悪口言わないところ
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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恋愛をしていると、四六時中恋人のことを考えてしまいます。
頭の中で二人の出会いから今に至るまでを思い返したり、伝える予定もないのに好きなところを一つずつ挙げていき、勝手に口元が緩んでしまうなんてことも。
そんな幸せな考え事をこの部分の歌詞で表しています。
「決め手は価値観性格全て、そして人の悪口言わないところ」
恋人のどこが好きなのか。
言うまでもなく全部が好きだけれど、その中でも決め手になるような理由を見つけた時は嬉しくなりますね。
「夢花火」に込められた意味
曲名だけを見ると「花火がテーマの曲なのかな」と思うでしょう。しかし、歌詞中には「夢」や「花火」というワードは登場しません。
では、この『夢花火』とは何を表しているのでしょうか。
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溢れ出す想いを
抱きしめて言いたいよ
こんなにも見たい景色があるから
君の街は綺麗に見えますか?
いつかふたりで行こうね
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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こちらはサビの歌詞です。
前述したように、恋人への気持ちが溢れる様子をストレートに歌詞にしています。
欠伸さえも愛しく思うように、君と過ごす日々全てが愛しい。
愛しさは、見える景色さえも美しく変えていきます。
「僕は君を愛しているおかげで景色すら美しく見えるけれど、君はどうかな」という問いが「君の街は綺麗に見えますか?」に込められています。
そして、君と美しく見える景色や思い出を共有したいからこそ出た言葉が「いつかふたりで行こうね」というセリフなのだと推測出来ます。
ですが、歌詞中では具体的にその場所は明言されません。
それは曲名を『夢花火』とすれば、歌詞中で明言しなくても「あぁ、花火に行きたいんだな」と思わせることが出来るからです。
恋人と花火に行くというのは、日本人にとっては定番の夏のイベントと言っても差し支えないでしょう。
恋人と花火に行くことは素敵で楽しいことです。
この文化が根付いているからこそ、サビの「いつかふたりで行こうね」という気持ちをわかりやすく解釈させるために、曲名で「花火」が用いられています。
「いつかふたりで行こうね。どこでもいいけど、花火とかさ」なんて歌詞にするよりも、効果的でお洒落な手法ですね。
素直な思いを伝えよう
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照れ臭い言葉でも
君には言いたいよ
癒えない傷があっても背負うよ
泣きたい時はこの胸を貸すから
ずっと愛を歌って
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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たとえ恋人同士でも、素直に気持ちを伝えるのは照れ臭かったりします。
「好き」というのは簡単ですが、それがどれほどかを伝えるのは難しいです。
「癒えない傷があっても背負うよ」「泣きたい時はこの胸を貸すから」
恥ずかしくて中々言えないような言葉ですが、伝えられた方は嬉しいはずです。
二人でこの曲を聴けば、普段言えない言葉も伝えられるかもしれません。
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今すぐ会いたいよ
その声聞きたいよ
飾らないその姿が愛しい
君の眺め独り占めさせてよ
何年先も
≪夢花火 歌詞より抜粋≫
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「今すぐ会いたいよ」「その声聞きたいよ」
Novelbrightの『夢花火』を聴いて、大切な人に素直な気持ちを伝えてみませんか?
TEXT 富本A吉
Vo.竹中雄大の心を震わす圧倒的な歌声、一度聴いたら忘れられない確かなメロディワーク、細部まで練りこまれた楽曲アレンジに定評がある、大阪発5人組ロックバンド。 2013年にオリジナルメンパーで結成。 2019年1月に現体制となり、同年7月に開催した「どチクショー路上ライプTOUR」がSNS・···