卒業メンバーが参加したことで話題に
国民的アイドルグループAKB48の新曲『離れていても』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために取り組む人たちへのメッセージソングです。
この楽曲にはAKB48の現役メンバーに加え、前田敦子や大島優子をはじめとする卒業メンバー8人と卒業を発表しているSKE48の松井珠理奈が参加したことで話題を呼んでいます。
MVにも引退したメンバーは参加しており、大切な人を守る為にコロナ渦中で必死に生きる人たちへのエールを送る内容となっています。
----------------
昨日は吹いてたしあわせな風が ああ いつの間にか止んでしまったようで
立ち止まって 空を見上げ誰もが戸惑っている
明日が見えない世界は不安で 心がどんより雨雲に覆われる
≪離れていても 歌詞より抜粋≫
----------------
新型コロナウイルスが流行する中で、多くのアーティストがその感染拡大防止を呼びかけるメッセージを込めた楽曲を発表してきました。
その中でも『離れていても』は、どの楽曲よりもシンプルかつストレートな描写でその願いを歌詞に込めています。
冒頭で描かれるのは、緊急事態宣言下の鎮まりかえった異様な街の光景です。
これまでの日常が一変し、多くの人が戸惑い不安を覚えた様子をシンプルな比喩表現で描いています。
強く背中を押すメッセージ
----------------
微笑み方さえ忘れてしまいそうになるけど
ねえ 俯いてたら日差しが出ても気づかないよ
少しだけ離れて歩いて行けたらいい
近づき過ぎないで距離を保っておこう
後ろで見守ってるから
君は一人を寂しがっているけれど
その手と手が触れなくても
いつだって僕はここにいる
≪離れていても 歌詞より抜粋≫
----------------
この部分では感染予防を呼びかけつつも、励ましやエールを送っています。
距離を取って過ごすことを強く呼びかけたフレーズ。
先の見えない不安や外出できないことから孤独を感じると、人との繋がりを求めてしまうでしょう。
それでも大切な人を守る為に、今は我慢するように「その手と手が触れなくても いつだって僕はここにいる」と励ましの言葉を送っているのです。
----------------
大切な人を守るそのために 抱きしめるよりも 今は遠い場所から
会える日まで元気でいて それだけ願う
ほら どこにいても瞳を閉じれば君が見えるよ
≪離れていても 歌詞より抜粋≫
----------------
今度は距離を保つことが相手を思いやる事だと語られています。
不安なのは誰もが同じ。
ここで不安に身を任せて、大切な人に会いに行ったり抱きしめてしまうと、その人どころか多くの人を危険に晒すことになってしまいます。
抱きしめるよりも健康を願い、想い続けることが愛の証明だというメッセージが強く感じられます。
もう一度新型コロナウイルスと向き合おう
----------------
離れてた日々が僕らを強くするんだ
どんな涙もやがては乾くもの
希望はそこから始まる
人と人とがくっつきすぎない方が
温もりとか思いやりに
いつの日か気づく日が来る
≪離れていても 歌詞より抜粋≫
----------------
「離れてた日々が僕らを強くするんだ」と会いたくても会えない日々を払拭する言葉がでてきます。
新型コロナウイルス流行下に身を置いていると、いつまでもこの状況が続くのではないかと終わりの見えない生活に恐怖を感じることがあるでしょう。
ですが未来や希望を描く言葉で、背中を押し続けてくれており、勇気がもらえます。
歌詞後半部分は、コロナ渦中でなくとも当てはまる言葉ではないでしょうか。
家族や友人、恋人などいつも隣にいる大切な人の温もりや思いやりは、近くにいるとなかなか気付くことができません。
少し距離を置いて、初めて気付いたという人も多いでしょう。
大切な人を失ってから気付くということが起こらないよう「くっつきすぎない」ことも時には重要かもしれません。
----------------
少しだけ離れて歩いて行けたらいい
近づき過ぎないで距離を保っておこう
後ろで見守ってるから
君は一人を寂しがっているけれど
その手と手が触れなくても
いつだって僕はここにいる
君のために離れていよう
≪離れていても 歌詞より抜粋≫
----------------
この歌詞の内容に全く無関係だという人はいないでしょう。
コロナウイルス感染者が出ていない地域もありますが、それでも何かしらの影響があったり、感染予防は行っているはずです。
ですが、流行から時間が経ったことで、この状況に慣れてしまい危機意識が低下している人もいるのではないでしょうか。
感染症とは一人では戦えません。
『離れていても』を聴いて、大切な人を守る為にもう一度気を引き締めて新型コロナウイルスと向き合いましょう。
TEXT 富本A吉