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映画「ステキな金縛り」証人は落ち武者の幽霊!前代未聞の裁判から生まれる人間ドラマとは?

三谷幸喜監督5作品目となる映画『ステキな金縛り』。三流弁護士が被告人を助けるため、落ち武者の幽霊を証人に起用するドタバタ劇を描く法廷コメディです。笑いの要素満載なのに、最後には心がじんわり温まる本作の魅力を紹介します。

幽霊が証言する前代未聞のおかしな裁判が開幕!


2011年公開の映画『ステキな金縛り』は、法廷を舞台にしたサスペンスコメディ作品です。

脚本から監督までこなす邦画コメディ界に君臨する三谷幸喜。

彼が監督を務める5作品目にして、長年の夢だったという法廷コメディを作り上げました。

本作で登場するのは、三流弁護士と被告人の証言台に立つ落ち武者の幽霊。

ありえない設定とギャグや小ネタのオンパレードのドタバタ劇に、大いに笑えます。

そして、泣けるという感想を持つ人も多く、見終わるとどこか感動の余韻を覚える不思議な映画となっています。

痛快コメディとして人気の本作のあらすじや見どころを紹介します。

三流弁護士が証人として連れてきたのは落ち武者の幽霊!?

▲ステキな金縛り(プレビュー)

宝生エミはおっちょこちょいで失敗ばかりの三流弁護士。

裁判に遅刻し、資料をぶちまけ、尋問もうまくいきません。

ついには被告人から担当を外された彼女は、上司の速水悠に最後のチャンスとしてある殺人事件の弁護を任されることに。

被告人の矢部吾郎は、別居中の妻で美術品バイヤーの鈴子を殺害した罪に問われています。

被告人はアリバイを主張し、容疑を全面否認。

そのアリバイとは、宿泊していた旅館「しかばね荘」で落ち武者の幽霊が出没し、金縛りに遭って動けなかったというものでした。

にわかには信じられないアリバイに、検事の小佐野徹からは鼻で笑われてしまう始末。

落ち武者の幽霊を連れてくるようにとの冗談を真に受けた彼女は、しかばね荘を訪ねます。

そしてそこで、本当に落ち武者の幽霊である更科六兵衛と出会うのです。

ほとんどの人が目に見えていない幽霊が証言台に立つという前代未聞の裁判は、どんな結末を迎えるのか。

思いがけない人間ドラマにきっと胸が温かくなるでしょう。

豪華オールキャストの演技が笑いを誘う


三谷作品は豪華キャストが思い切りの良いコメディ演技を見せることで、話題となりますが、本作もキャストが見どころの1つ。

主演を務めるのは、多くのヒューマンドラマで演技力の高さを見せつけてきた深津絵里。

コメディ作品に参加することは珍しいですが、三谷幸喜は前作の『ザ・マジックアワー』で起用した際に、深津絵里のコメディエンヌとしての才能と理解力の高さに惹かれたそう。

「僕の求めるものを全て持っている」とコメントするほど惚れ込み、本作で主演に抜擢されました。

主人公のバディ役として登場する落ち武者役には、彼の作品に欠かせない大御所俳優である西田敏行。

アドリブが多いことでも知られており、本作でもアドリブが炸裂。

のびのびとした演技で、存在感を放ち笑いを誘います。

また、戸田恵子、梶原善、佐藤浩市、中井貴一などの三谷ファミリーと呼ばれるお馴染みのキャストが出演。

さらに、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草彅剛といった演技に定評のあるキャストが脇を固め、おかしな世界観を楽しませてくれます。

笑いと感動を与えてくれるストーリーが楽しい!


本作の一番の見どころは、ハチャメチャな裁判の行方。

失敗続きの三流弁護士と敏腕検事の対決という時点で被告人に不利な状況ですが、さらに唯一のアリバイ証人が幽霊という摩訶不思議な裁判が繰り広げられます。

映画を見ている人にとっては見える存在なのに、映画内ではほとんど見えない落ち武者の幽霊である六兵衛。

見えないことを利用した好き放題の行動や物言いに、思わず笑ってしまいます。

さらに、裁判を成立させるために取った弁護側の行動により、騒動は裁判内だけでなく「あの世」も巻き込む事態に。

普通なら絶対に採用されない証人を用いた裁判がどのような結末を迎えるのか、大いに笑いながら見届けてください。


そして本作は法廷コメディとしてだけでなく、人間ドラマとして観ても意外な共感があって面白い作品です。

主人公のエミは弁護士としてはいまいちですが、人としてはとてもピュアな女性。

自分の目に見える六兵衛を信じ、たとえ周囲の人に見えていなくても証言が通ると確信して様々な策を講じます。

六兵衛と知り合ったことで弁護士として成長していく姿は、多くの人が応援したくなるはずです。

一方の六兵衛は、冤罪で打ち首になったため未練を残してこの世に留まっている幽霊。

彼が人に信じられ、この世の楽しさを感じることができたのは、彼女と出会ったからです。

風変りな友情ですが、この出会いがなければ2人とも変化することはできなかったでしょう。

また、六兵衛の証言を認めてもらうために用いたハーモニカが、映画のストーリーを盛り上げるアイテムとして活用されているところも魅力的です。

目に見えない存在だとしても大切に思える人がいる素晴らしさを感じて、最後にはきっと感動を覚えます。

「ONCE IN A BLUE MOON」は主演が歌うロマンチックな主題歌

画像引用元 (Amazon)

本作の主題歌は、映画のサブタイトルを冠した『ONCE IN A BLUE MOON』です。

作詞を三谷幸喜、歌唱を深津絵里西田敏行が担当しています。

タイトルとなるフレーズは「滅多にないこと」を英語で表現したもの。

歌詞にはまさしく滅多にないエミと六兵衛の友情関係が、優しい言葉で綴られています。

月夜に聴きたくなるようなロマンチックでムード漂うメロディが歌詞にマッチ。

そして、深津絵里のキュートな歌声と西田敏行の伸びやかな低音が美しいハーモニーを奏で、映画の中での息の合ったやり取りを思い出させます。

さらに共演者の阿部寛、中井貴一、KAN、小林隆がコーラスとして参加。

どこを切り取っても映画の世界観にぴったりはまる主題歌です。

「ステキな金縛り」は出会いの奇跡が伝わる傑作!

画像引用元 (Amazon)

三谷幸喜監督の映画『ステキな金縛り』は、ありえないこと続きのコメディでありながら、人の出会いの奇跡を映し出しています。

現実でも、普段は関わることが少ないタイプの人と知り合って予想外の深い友情を築くことがあるでしょう。

人生において、何がどう転ぶかは誰にも分かりません。

だからこそ人生は楽しく、出会いは尊いことに気付かされます。

何だか上手くいかない時、本作を観ればきっと心が軽くなりますよ。


TEXT MarSali

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