実話を盛り込んだ歌姫・浜崎あゆみ誕生秘話
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テレビ朝日とABEMAの共同制作ドラマ『M 愛すべき人がいて』をご存じですか?
平成を代表する人気歌手・浜崎あゆみの誕生に秘められた出会いと別れを描いた恋愛ストーリーです。
原作は、歌手の浜崎あゆみを主人公とした小松成美による同名小説です。
約10日間に及ぶ松浦会長と浜崎あゆみへの取材をもとに、フィクションを交えて執筆しています。
浜崎あゆみが駆け出しの頃、所属するエイベックスの松浦勝人と恋仲であったことを綴り、大きな話題を呼びました。
今もなお、フィクションかノンフィクションなのかは明かされていません。
彼女のデビュー裏話や人気楽曲誕生秘話、当時のエイベックス社内事情も描かれ、ファンにとって見逃せない作品です。
そんな原作から生まれた本作ドラマの魅力を紹介します。
ドラマ「M 愛すべき人がいて」あらすじ
主人公は、福岡に住む女子高生アユ。福岡でモデルをしていましたが、一念発起し祖母と上京しました。
高校に通いながら、ドラマのエキストラのような仕事をしていた彼女に、転機が訪れます。
歌手を目指す友人とディスコに行き、そこでレコード会社「A VICTORY」のカリスマプロデューサー、マックス・マサと運命の出会いを果たしたのです。
ディスコのVIPルームに通されたアユは、女子の顔を見て次々落とす彼の方法が納得がいきません。
堂々と意見した彼女は彼に気に入られ、歌手としての素質を見いだされます。
彼の全力プロデュースに応じ、歌手としての階段を歩み始めるアユ。
彼に惹かれていく彼女を、嫉妬心に駆られた女性達の嫌がらせが待ち受けていました。
果たしてアユは次々襲いかかる苦難を乗り越え、歌手として成功できるのでしょうか?
音楽業界を震撼させた彼女の知られざる物語が始まります。
懐かしくも新しいストーリーと90年代の名曲に君もハマる
見どころは、見る人によって懐かしさと斬新さを感じさせるストーリーや演出です。脚本を担当したのは、放送作家の鈴木おさむ。
彼は、80年代のドラマの演出や王道展開を盛り込み、懐かしくも斬新でクセのある映像に仕上げました。
ドロドロな愛憎劇や陰湿な嫌がらせはまるで、トレンディードラマのよう。
数々の妨害や試練を経てふたりの心の距離は接近し、共に不可能を乗り越えていくのです。
公私ともにお互い想い合うふたりの恋の行方は?
それこそが今作の注目点であり、最後まで見逃せません。
そして、彼女がデビューする1990年という時代を音楽を通して体感できます。
TRF、相川七瀬、Every Little Thing、globeといった当時の人気アーティスト達の名曲を、新進気鋭のアーティストlolやFAKYがカバーしているのです。
当時を知る人はもちろん、知らない人もキャッチーなサウンドや洗練されたボーカルがきっと気に入りますよ。
是非耳を傾けながら、ドラマを堪能してみてくださいね。
安斉かれん、三浦翔平の熱演に引き込まれる!
アユとマサを演じるふたりの演技も目を見張るものがあります。アユを演じたのは、エイベックスに所属する歌手の安斉かれん。
今作が女優デビューとなりました。
カリスマ性のある浜崎あゆみを、恋に夢にひた走る等身大の女の子として親しみやすく演じています。
三浦翔平が演じるプロデューサーのマサは、大声で叫びながら、彼女や周りの社員達を奮い立たせる役どころ。
まるでスポ根ドラマのコーチのような熱血ぶりを見せ、セリフにも迫力があります。
「限界なんてものは越えるためにあるんだよ!限界作ってんのはテメェだろ!中途半端な気持ちでやってるんだったら今すぐやめろ!」
彼の言葉には強い説得力や迫力を感じられます。
ドラマの各回で名言を生み出していて、視聴者である私たちの心に火を付けてくれますよ。
ふたりのまっすぐな演技、心に響く名言を通して作品に引き込まれることでしょう。
人気の秘密はインパクト絶大の脇役達にあり
本作が話題になった理由は、奇抜なルックスと強烈な個性を併せ持つ脇役と、俳優陣のオーバーな演技にもあります。特に、SNSで話題だったのが眼帯を付けたマサの秘書・姫野礼香の強烈な存在感です。
彼女を演じたのは、アナウンサーの田中みな実。
最近では女優としても活躍の幅を広げています。
彼女はマサに思いを寄せており、彼が大切にしているアユを陥れようとする役どころ。
一度観たら忘れられない怪しさを持った女性です。
名台詞となった「絶対にゆるさなーーーーーーい」は、とにかくアクが強くて、観る者をゾクッとさせる演技で魅せてくれます。
他にも、個性派キャラがたくさん登場します。
水野真紀演じる天馬ゆかりは、ドラムセットを叩きながら指導するスパルタ教師。
ヒッピーなファッションセンスの持ち主でもあります。
姫野礼香と同じく強烈な存在感を放ち、彼女が登場する度に笑みがこぼれてしまう人もいるのではないでしょうか。
他にも「です」しか言わないバブリーファッションの社長秘書・吉田明日香。
あの有名プロデューサーをモデルにした極彩色で奇抜なファッションセンスを持つ、敏腕プロデューサー・輝楽天明など、見た目のインパクトの強い人物が登場します。
観ているだけで自然と表情が緩んでしまう、個性派キャラ達の活躍もお見逃しなく。
彼へのラストレター「M」
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主題歌『M』は、誰もが共感したくなる切ない恋心を歌った楽曲。
131万枚以上の大ヒットを記録し、彼女が初めて作詞作曲全てを手がけた楽曲となりました。
発売当初タイトルの『M』は、サビに登場する“マリア”の頭文字だといわれていました。
聖母マリアのような気高い女性も愛に悩み苦しみ、涙したはずというメッセージを込めたそうです。
ドラマでは、曲を通して愛する彼へラブレターを送ってきたアユが、最後のラブレターとして制作しました。
ピアノの切なげなイントロと気持ちを乗せた歌声が心を包み込み、切なくて美しい恋の世界に連れて行ってくれます。
サビの振り切るようなパワフルな歌い方から、狂おしいほど愛しい気持ちがひしひしと伝わってきますね。
聴いているだけで自分の恋と重ねたり、誰かを一筋に愛したいと思うのではないでしょうか。
愛する人に心救われることも歌われていて、恋の素晴らしさにも気づかせてくれます。
さらにドラマと重ね合わせて聴くことによって、歌詞に説得力とパワーを感じられます。
一途に彼を想っていた彼女が別れを経て大人へ成長し、切ないストーリーに泣けてくるでしょう。
18年前から全く変わらない感動を私たちに伝えてくれる不朽の名曲です。
ストーリーとのリンクが心を震わせる!
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本作は、浜崎あゆみ楽曲をストーリーに巧く溶け込ませていて、聴いているだけで場面が浮かび上がります。
なかでも、素晴らしいのが『appears』です。
恋人達が幸せそうに見えていてもふたりが幸せとは限らない。その切ない現実を達観するように歌い上げています。
この楽曲の「7回目の電話で会おうよって」という歌詞のきっかけとなった出来事がドラマ第1話に差し込まれています。
彼からの7回目の電話でようやく会う約束をしたふたり。
この電話は、初めてふたりっきりになれるチャンスをくれた大切な思い出なのです。
ドラマ最終回で、アユはこの楽曲を音楽番組で歌うのですが、マサとのすれ違いが辛くなり、途中で歌えなくなってしまいます。
その抜けた箇所こそがこの「7回目の電話」でした。
破局するかもしれないけれど、恋人と一緒にいられる未来を信じたい。
そんなジレンマが歌われていて、その当時の彼女の恋と重なっているのです。
彼女の抱いていた恋人関係が崩れる不安がひしひし伝わり、聴いているだけで胸が張り裂けそうになった人も多いのではないでしょうか。
ぜひドラマを観て、彼女に感情移入しながら聴いてみてくださいね。
ドラマを観て浜崎あゆみの音楽の力を発見しよう!
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本作は、使用された浜崎あゆみの楽曲を脚本と巧くリンクさせていて、音楽ファンに刺さる作品に仕上がっています。
大好きな彼への正直な気持ちを綴った歌詞と耳残りがいいメロディーに触れるだけで、また聴きたい、歌ってみたいと思えますよ。
このドラマを観れば、彼女の人気の理由がよくわかり、彼女の音楽がより深く理解できます。
AbemaTVでは、1話~3話まで無料配信中。
Abemaプレミアムに加入するとTVシリーズ全話と、姫野礼香主役のスピンオフも全て視聴可能です。
彼女の音楽に触れたことがない方も、ぜひドラマを観て、そのパワーと美しさをじっくり堪能してみてください。
TEXT Asakura Mika