一大旋風を巻き起こした人気ドラマ、待望の完結編
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2019年に劇場公開された映画『おっさんずラブ LOVE or DEAD』。
ピュアな主人公・春田創一を巡って繰り広げられる、おっさん同士の恋模様を描いたTVドラマの完結編です。
2018年に放送されたTVドラマ版は「東京ドラマアウォード」で作品賞グランプリ、「第97回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で6部門を受賞。
また、流行語大賞ベスト10入りを果たし、映画の興行収入は26.5億円を記録。
OL民と呼ばれる熱狂的ファンを中心に一大旋風を巻き起こして社会現象となりました。
この記事では笑いも胸キュンもスリルもスケールアップした劇場版「おっさんずラブ LOVE or DEAD」の魅力をご紹介します。
TVドラマ版を少しおさらい
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主人公・春田創一は、結婚願望があるものの未だ独身の30代会社員。
ある日電車で通勤中に痴漢と間違えられた彼は、頼れる上司・黒澤武蔵部長に助けられます。
その際、部長の落とした携帯の待ち受け画像に自分の写真が登録されているのを見てしまうのです。
そんな中、本社から仕事も家事も完璧でハイスペックな後輩・牧凌太が赴任してきます。
家事ができない春田は彼にルームシェアを持ち掛け、一緒に住むことになりました。
ある晩、春田は部長から夜の公園に誘われます。
なんと彼はバラの花束を渡し、告白してきたのです。
一方、秘かに春田への思いを募らせていた牧からも、告白をされてしまいます。
同性二人からの愛の告白に戸惑いながらも、二人の真剣な想いに心動かされ、少しずつ向き合い始める春田。
しかし、幼馴染の女子であるちずも春田が気になっており、黒澤部長の妻である蝶子は夫の浮気相手の春田が許せません。
さらには主任の武川が牧の元彼だったことも明らかになり、3人を取り巻く恋はもつれにもつれていきます。
やがて付き合い出した春田と牧には様々な困難が待ち受けており、とうとう牧は「春田さんといると苦しい。」と言って家を出ていってしまいました。
それから1年が経ち、春田はなりゆきで黒澤と同棲していました。
本気の黒澤部長は春田にプロポーズし、押しに弱い春田はOKしてしまいます。
結婚式当日ようやく自分の本当の気持ちに気がついた春田は結婚式を飛び出してそのまま牧のもとへと向かいプロポーズ。
惹かれあうふたりは結ばれたのでした。
劇場版では、TVドラマのその後が描かれています。
田中圭、林遣都、吉田鋼太郎とおなじみの顔ぶれに加え、新たに沢村一樹、志尊淳が彼らの恋に参入。
もつれにもつれる愛の大混戦から目が離せません。
映画のあらすじを紹介
上海勤務を経て、香港で仕事をしていた主人公・春田創一の日本への帰国が決まりました。
帰国目前の彼を待ち受けていたのは、修羅場でした。
送別会の翌朝目が覚めると、なんと横に裸の外国人男性が寝ていたのです。
そこへ日本から彼の恋人・牧凌太が会いに来てしまい、ショックを受ける牧の誤解を解くことができないまま春田は帰国。
日本に戻り東京第二営業所に出勤するも、肝心の牧の姿が見当たりません。
そこへ本社のプロジェクトチーム「Genius7」が登場。
本社開発事業部の狸穴迅の部下として牧が現れたのです。
彼らは春田たちのいる第二営業所と対立し、第二営業所の担当エリアである湾岸地区にリゾート地を含めた新規開発計画を立ち上げます。
牧の仕事が忙しくなり二人の心の距離は遠くなるばかりです。
一方、新入社員の山田正義(ジャスティス)は春田を兄のように慕うようになり、黒澤部長は事故をきっかけに記憶喪失に。
なぜか春田のことだけ忘れてしまった彼は、再び春田に恋をしてしまうのです。
仕事も恋もまっすぐなおっさんたちのラブバトルロイヤルが開幕します。
誰が欠けても物語が成り立たない、魅力あふれる登場人物達
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本作が人気な理由のひとつに、魅力あふれる登場人物達と俳優陣の作品にはまった演技力があげられるでしょう。
田中圭演じる主人公・春田創一は、困っている人を放っておけないお人好しサラリーマン。
後輩のジャスティスとすぐ意気投合したり、記憶喪失になった部長に恋心を思い出させてしまったりと、今作でも彼の好かれやすさは健在です。
そんな彼も今作では成長した姿を披露してくれます。
自分から好きになった牧を一途に想い、他の誰の好意にも揺らぎません。
林遣都演じる牧凌太は、これまでは相手のためを想い身を引こうとしてきました。
向き合うことから逃げてきた彼でしたが、春田の絶体絶命のピンチを機に自分に足りないところを知り、春田と向き合って本心を語るシーンは必見です。
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吉田鋼太郎演じる黒澤部長は、男気あふれる上司の顔と恋するヒロインの顔を併せ持つ役どころ。
本作では、春田と親しい牧やジャスティスにやきもちを焼いたりしていますが、どこか憎めない愛らしさの持ち主でもあります。
所々最強ヒロインの部長が和ませてくれることで、シリアスな展開があってもこの作品をコメディとして楽しめているファンも多いのではないでしょうか。
そして、映画ゲストキャラクターの山田ジャスティス(志尊淳)と狸穴迅(沢村一樹)も、見事に本作に溶け込んでおり、安定感をもたらしてくれています。
また、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々らTVシリーズでおなじみの顔ぶれも続投し、存在感のある演技で魅せてくれていますよ。
彼らがTVシリーズからどのように成長し、どんな活躍を見せてくれるのかぜひご覧ください。
笑いと胸キュン、切なさがあふれ出す愛の終着点
本作の注目点は2つあります。1つはコミカルな恋愛バトルロイヤルです。
TVドラマでは春田をめぐる三角関係でしたが、本作では新人の山田ジャスティスとプロジェクトリーダー・狸穴が加わり、五角関係にスケールアップ。
特にサウナで5人がはち合わせ、火花を散らすバトルシーンは見逃せません。
部長は春田に愛の告白をし、そこに居合わせてしまった牧が誤解して大喧嘩に発展。
部長も恋敵の牧に向かってサウナの水を掛け、居合わせた狸穴とジャスティスとも一触即発のピンチになってしまうのです。
普通のラブロマンスならドロドロしかねない状況でも、ドタバタコメディー風で思わず笑ってしまう一場面に仕上がっているのが『おっさんずラブ』ならではですね。
もう1つは、両想いになった春田と牧のこれからの展開です。
本作では、2人に恋人から家族になるとはどういうことなのかが問いかけられています。
結婚して伴侶となり人生を共に歩むことは、恋愛の延長という考えではうまくいかないものです。
今後のビジョンや互いの気持ちを伝え合わないと、すれ違ってしまいます。
2人で悩み、ぶつかり、そして彼ら自身で答えを導き出す課程を繊細に描きながらも、互いへの愛情がストレートに語られています。
果たして春田と牧が出した答えとは?
胸がいっぱいになるラストシーンは必見です。
他にも、TVシリーズで描ききれなかったメインキャラクターたちの恋の終着点が描かれています。
テレビシリーズを経て大きく成長した、彼らの恋の結末にも注目してみてください。
感動、名場面、彼らの姿がよみがえる名曲「Revival」
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主題歌には、TVシリーズに引き続きスキマスイッチの『Revival』が使用されています。
スキマスイッチは、ボーカルの大橋卓弥とピアノの常田真太郎の2人組ユニット。
2003年にメジャーデビューを果たして以来、ドラマ・映画・アニメなど多岐にわたる主題歌を送り出し、作品のファンの心を掴んできた実力派アーティストです。
その魅力は、大橋卓弥の卓越した歌唱力、常田真太郎の伴奏の表現力の高さが挙げられるでしょう。
この曲も彼らの歌声と演奏をじっくり聴き入りたくなるバラードナンバーとなっています。
『Revival』は2018年にリリースされていたアルバム『新空間アルゴリズム』収録された既存曲。
ドラマスタッフがこの曲を聴いたときに、歌詞とメロディが作品に相応しいと思ったことから主題歌に決定したそうです。
この曲は、アコーステックギターが少し切なく温かい雰囲気をかもし出しています。
安らぎを感じる心地よいボーカルとメロディーが重なることで、耳残りがいい曲に仕上がっており、切なくも温かい恋を描いた映画との相性もばっちりでしょう。
ひと夏の思い出に浸りながら、大切な人にもう一度会いたい気持ちを唄った『Revival』。
2番の「祭囃子 打ちあがる花火 人混みの中 行こうよ!って僕の手を引く」は、映画の春田と牧の花火大会デートのシーンが目に浮かびます。
2人の心情に通じるところが歌詞の随所に感じられ、聴いているだけで本作を観た時の感動が蘇ってきます。
愛の尊さが伝染する極上のラブストーリー
映画『おっさんずラブ』は、胸キュン恋愛シーンや胸がいっぱいになるような切ない恋がこれでもかと詰め込まれていてます。
牧と春田が初めて名前で呼び合うシーンもあり、ファンにとって観て良かったと思える作品に仕上がっています。
映画『おっさんずラブ』をとおして、恋愛のことや仕事のこと、あるいは自分の夢の両立などに対して悩んでいる人の肩の荷が少しおりるような映画に仕上がっています。
劇場版だけ観ても楽しめますが、TVドラマ全7話を観てから映画を観るとさらに大きな感動に浸ることができますよ。
TELASAでは月額562円(税別)でTVシリーズ全話と劇場版を見放題配信しているので、ぜひまとめてご覧ください。
笑って泣いて、胸キュンして「恋する感情」や愛し続けることの素晴らしさを私たちに与えてくれた『おっさんずラブ』。
この映画では「誰かを想い、大切にする」シンプルだけど尊いことが命がけで語られています。
ぜひ本作を観て笑って泣きながら、極上のラブストーリーを堪能してみてくださいね。
TEXT Asakura Mika