もがく姿も自分だから
ガールズバンドとして高い人気を得ているSCANDALが、7月15日にデジタルシングル『SPICE』をリリースしました。
今作はミクシィのXFLAGが制作したオリジナルショートアニメ『XPICE』の主題歌になっており、アニメのために書き下ろされました。
作詞をRINA、作曲をMAMIが手掛けた『SPICE』は、『XPICE』に出てくる主役のヒーロー2人がそれぞれ得意分野を持ちながらも、劣等感やコンプレックスを抱えて戦う姿に共感をし、描かれたそうです。
そんな『SPICE』にはいったいどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
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今だって手探りのまま
本当の"自分らしさ"なんて
消えない劣等感さえも
結局は僕らの一部だってことさ
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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夢に向かったり、仕事をしている時、「本当にこのやり方は合っているのだろうか?」「この道を進んでもいいのか?」と迷うことがありますよね。
そんな悩みにぶつかった時ほど、他人が輝いて見えるものです。
他人に比べて自分は劣っているのではないかと考えてしまうと、どんどん大きくなる劣等感はなかなか消えてくれません。
認めたくはない劣等感さえも「自分」なのだから、考え方を変えて、むしろ認めようと歌っています。
完璧でなくていいから前へ進もう
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全てを正当化したいんじゃない
正解はひとつじゃないって
分かり合いたい
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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前を進みながらも、時には回り道をしたり、横道にそれることもありますよね。
しかし、それを見た人はこう言うかもしれません。「ムダなことをしてないか?」と。
1番のサビにこんな歌詞があります。
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飛び出して 狭い世界から
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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どんな道でもむしゃらに進む人をムダだと言う人の方が、狭い世界にいるのかもしれません。
何かを実現するために向かう道ならば、どの道を歩んでも失敗ではなく正解と言えるのではないでしょうか。
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大丈夫
剥き出しの姿で挑め
もう、悲しみも武器にして
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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剥き出しの姿はつまり、完璧でも無敵でもないありのままの自分。
劣等感だってコンプレックスだってある、弱い自分を認めて挑んでしまうのです。
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諦めかけた夢を叶えに行こう
何度だってこの場所で会えるように
傷付いた分だけ強くなって
明日に向かって走り続けよう
無くさないで君だけのプライド
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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「悲しみ」を武器にし、劣等感を認めた剥き出しの姿は決して完璧ではありません。
しかし、完璧な人などいないはずです。輝いて見えたあの人にも、弱さや失敗があるものです。
自分のプライドを持った人は、完璧でなくても強さがあります。
その強さを大切に持って進もうと言っているのではないでしょうか。
コンプレックスは輝く個性
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どこまで行けるかなんて分からないけど
僕に何ができるかなんて分からないけど
守りたいものが確かにあるから
また笑って突き進んで行けるんだ
飛び出して 狭い世界から
誰かを想って零れ落ちてゆく
涙は最高のスパイス
≪SPICE 歌詞より抜粋≫
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MAMIはXFLAG ANIME公式You Tubeチャンネルの『XPICE』で、次のようなコメントを残しています。
「自分にしかできないことがきっと誰にでもあって、それを求めてくれている人がどこかにちゃんといる。誰かから見たらそれも素敵な個性なのかもしれない。」
自分ではコンプレックスだと思っていたものが、実は誰かにとっては輝いてみえる個性。
今は自分では分からないけど、そのコンプレックスが輝く日がやって来るはずです。
完璧ではない、コンプレックスや劣等感を持った自分を肯定すること。
それらの弱さを武器にして前へ進もうと『SPICE』は伝えているのかもしれませんね。
TEXT サトイ モノコ