気の合う二人
ZARDの『ハートに火をつけて』は、2006年5月にシングル曲として発売され、ドラマ『すてきにコモン!』の主題歌として起用されました。明るくポップなメロディーと、軽やかな空気感のあるサウンドが魅力の楽曲です。
結婚をテーマとしており、坂井泉水の前向きなメッセージが感じられる歌詞が綴らています。
さっそく歌詞に込められた意味を考察していきましょう。
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私たち 正反対のようで
案外 似てるのかな?
留まる ことない 時間
だからこそ いとおしい
≪ハートに火をつけて 歌詞より抜粋≫
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性格が正反対の主人公と恋人。
「案外似ているのかな?」と感じるのは、互いの心の距離が近いからでしょう。
気の合う二人だからこそ、一緒にいる時間を愛おしく感じられるのですね。
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あの時 君の孤独を
分かってあげられなかったね
春の訪れ 待っている
≪ハートに火をつけて 歌詞より抜粋≫
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気の合う二人は、これまで順風満帆な恋愛をしてきたわけではないようです。
恋人が感じていた孤独を察することのできなかった主人公。
一度はすれ違った二人ですが、再び絆を深め、新たなスタートを切ろうとする前向きな様子が次の歌詞で描かれています。
未来へ踏み出した二人
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ハートに 火をつけて
(It's) time to go back to you 君の胸へと戻る時が来た
手をつなぎ 今 踏み出した
新しいこの宇宙へと
未来に 灯をともし
教会の鐘 君のそばから もう 離れない
自分で選んだ道だもの
後悔しないように
たったひとりの人だから
≪ハートに火をつけて 歌詞より抜粋≫
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教会の鐘の音が鳴り響く中、主人公と恋人は結婚という新たな一歩を踏み出したようです。
「君の胸へと戻る時が来た」というフレーズは、恋人への一途な想いを感じられますね。
「新しいこの宇宙」とは恋人と共に歩んでいく未来を表しているのでしょう。
この歌詞では、自分で選んだ道を後悔しないように生きるという、主人公の決心が綴られています。
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不安と興奮の岐路
いつも今が最高って思いたい
≪ハートに火をつけて 歌詞より抜粋≫
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人生に幾度となく訪れる岐路。
この歌詞では将来を不安に思う気持ちと、恋人と充実した人生を歩んでいきたい希望の感情が入り混じる中で、結婚という岐路に立った主人公を表しているようです。
「いつも今が最高って思いたい」というフレーズは、不安に感じる気持ちを振り払い前向きに生きようとする強い意志が感じられます。
懐かしい故郷の景色
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あんなに見るのが厭だと
思っていたこの故郷が こんなにも
懐かしく思えるなんて
≪ハートに火をつけて 歌詞より抜粋≫
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結婚式は主人公の故郷で行われたようです。
「厭」という言葉が飽きていやになるという意味で使われることから、以前の主人公にとって故郷は退屈な場所でしかなかったのでしょう。
しかし、久しぶりに帰って来た故郷に主人公は、「こんなにも懐かしく思えるなんて」と感動しています。
それはきっと、故郷の懐かしさだけでなく、祝福してくれる家族や友人が与えてくれる幸福感のおかげでしょう。
恋人だけでなく、家族や友人の大切さも教えてくれています。
自分が後悔しないように選んだ大切な人との結婚は、前向きな意思と強い絆で結ばれた明るい未来が待っているのだとこの楽曲は教えてくれているのです。
TEXT Roy