コロナ禍の世界観にマッチした歌詞
TVアニメ『シャドウバース』のテーマソングに起用されたFLOW待望の新曲『新世界』。これまでアニメやゲームへ数多くの楽曲提供をしてきたFLOWですが、『シャドウバース』とのタイアップは初となります。
タイトルの通り、まさに暗闇を切り裂き新しい光を生み出すような、疾走感とパワーに溢れた楽曲。
鬱々としがちな今の時代に放つ彼らの覚悟のようなものを感じます。
『新世界』の歌詞に触れながら、今だからこそ聴きたい楽曲の魅力や、その内容に迫ります。
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憂い 期待 僕らのパレード
孤独なまま 続いていくよ
どれくらい?傾く足元
そうゴールもわからないままで
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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歌い出しから、FLOWらしい疾走感や躍動感に満ちていますね。
多くのイベントやライブが中止を余儀なくされる中、FLOW自身もライブの中止が続き、もどかしい思いを抱えていることでしょう。
そんな中でも、オンラインで楽しめる企画や配信ライブを積極的に取り入れ、ファンの心を離さない彼らは、前向きなパワーに満ちています。
「どれくらい?傾く足下」「ゴールもわからないままで」という歌詞には、先の見えない現状へのもどかしさを感じます。
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届かない 届かない 夜に溺れて
伝えたい 伝えたい 気持ち溢れた
だからね 君と笑い合う 明日を目指すんだ
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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「届かない夜に溺れて」「伝えたい気持ち溢れた」という歌詞はまさに、コロナ禍で会うことの叶わないFLOWとファンの思いそのものではないでしょうか。
先の見えない不安を打ち消す光
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迷いのライフ ただデスパレート
視界ゼロでも 進んでいくよ
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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2番の歌詞はまさに、未来の見通しが立たない現状と重なります。
すべてのエンタメがストップし、不安を抱えた時期。
それが解消され、少しずつ経済が動き出したと思っても、再び先行きが不透明になり、3歩進んで2歩下がるような状態が続いています。
「視界ゼロでも進んでいくよ」という力強い歌詞は、コロナ禍に負けずエンタメを届け続けるというFLOWの覚悟を感じます。
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雨に打たれたって
胸は熱くなった
永遠って瞬間を君と見たくなって
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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たとえ足止めをくらっても、ファンと集まりつないだ記憶は本物で、絆は確かにあります。
だからこそ熱を失わず、いつか再会できる日を夢見ることができるのでしょう。
「永遠って瞬間」は、FLOWとファンとで作り上げてきたもの。
離れていても、たとえ配信ライブでも、同じ時間や同じ音楽を共有して感動を分かち合うことができれば「永遠って瞬間」は生まれるのでしょう。
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笑えない 笑えない 夜の淵でも
変わらない 変わらない その笑顔には
いつしか 笑えるに変える 光感じるんだ
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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ファンの笑顔こそ、「笑えない夜の淵」を「笑えるに変える」力を持つもの。
離れていても変わらずにあるファンの笑顔が、FLOWをここまで強くしているのでしょう。
前だけを見て突き進むFLOWの原動力
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僕らは 愛のまま 愛のまま 飛び出すのさ
夜空にサヨナラ サヨナラ
Say Hello Hello Hello Hello
新世界
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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『新世界』のサビは「愛のまま」に世界へ飛び出してゆく躍動感ある歌詞が印象的です。
「夜空にサヨナラ」とは、単純に夜明けを意味するものではないでしょう。
先の見えない不安を「夜空」と表現し、その不安に別れを告げ、希望溢れる新世界へと飛び出していこうという意味ではないでしょうか。
FLOWの、未来への希望と覚悟を感じさせますね。
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全ては 最初から 最初から
不可能 不可能 不可能 不可能じゃなく
可能 可能 可能 可能性さ
≪新世界 歌詞より抜粋≫
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世界線さえも変えてゆく力を持っていると自負しているようです。
「現状に負けるな!不可能を可能に変えていけ!」と鼓舞するような歌詞に、パワーみなぎるFLOWらしさを感じます。
こうして見ると『新世界』は、まさにコロナ禍の今だからこそ生まれた曲だと言えるかもしれません。
TEXT 岡野ケイ