恋の終わりをリアルに表現
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「おはよ。朝だよ。朝っていうかもう昼だけど。
私もう時間だから行くね。今までありがとう。
楽しかったバイバイ。」
「最後くらいこっち見てよ。」
≪10月無口な君を忘れる 歌詞より抜粋≫
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ドラマのようなワンシーンから始まるのは、日本の4人組バンド『あたらよ』の『10月無口な君を忘れる』という楽曲。
2020年11月のMV公開から、半年経たずで再生回数が300万回を超えた話題の一曲です。
同曲が多くの人を惹きつけている理由の一つは、共感せずにはいられないリアルな歌詞にあります。
というのも、冒頭でご紹介したフレーズは歌詞ではなくセリフ。
リアルすぎる別れ際に心を掴まれた、自分の経験と重なって感情移入した、という方も多いのではないでしょうか。
そして、リアルなのは冒頭のセリフだけではありません。
楽曲で歌われている別れた後の心情もまたリアル。
ぜひMVもチェックしてみてください。
2人の関係を考察
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こうなってしまうことは
本当は最初から
分かりきっていたはずだったのに
変わってしまうのなら
終わりがあるなら
初めから何も要らなかったのに
≪10月無口な君を忘れる 歌詞より抜粋≫
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「こんな辛い思いするなら、恋なんてしなければよかった」
失恋をする度にそう思いますよね。
でも、また新しく恋をするときには失恋の辛さなんて忘れています。
むしろ恋は「ずっと一緒にいたい」という想いから始まるはず。
しかし、この楽曲の主人公は自分の恋に終わりが来ることを初めからわかっていたようです。
一体なぜなのでしょう?
一つ考えられるのは、公にできない恋であったということ。
もしかしたら、主人公の恋人には別の恋人がいて、恋をした時点で終わりが見えていたのかもしれませんね。
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ごめんねが痛いから
さよならが辛いから
涙が染みるから
下を向いて歩いていたのに
君が笑いかけるから
こんなに痛いなら
知りたくなかったよ
優しさなんて
≪10月無口な君を忘れる 歌詞より抜粋≫
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こちらはサビの歌詞です。
2人は別れているようですが「君」は主人公に対して優しいのでしょう。
お互いが嫌いになって別れた訳ではないのかもしれません。
なんだか意味深ですね。
次の歌詞にも注目です。
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君はいつだって
なんにも言わないくせに
顔にはよく出るから
正解ばかり探して
暗中模索の日々
正直もう疲れたの
≪10月無口な君を忘れる 歌詞より抜粋≫
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タイトルに「無口な君」というフレーズがあるように、一見すると「君」は無口な人だったようですね。
…なぜ「君」は無口だったのでしょうか?
ただの性格だとすればそれまでですが、自分の思いを口にしてはいけない理由があったのだとすると、この恋の背景がもう少しだけ明確になるような気がしませんか。
誰目線の楽曲?
ボーカルが関田ひとみという女性であること、MVの主人公が女性であることから、なんとなく女性目線の楽曲だと感じていた人も多いのではないでしょうか?
しかし、楽曲の終盤では「僕」という一人称が登場します。
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今すぎた時に何かができるなら
このままの僕に何かが変えられるわけが無いのに
≪10月無口な君を忘れる 歌詞より抜粋≫
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女性男性問わず「僕」という一人称があってもいい時代ですが、女性目線の曲だと思っていた方は、視点を変えてもう一度楽曲を聴いてみてください。
MVも主人公は女性ですが「女性が見えている」ということは、むしろ男性の視点なのかもしれません。
彼女と別れたという男性の方、ぜひ『10月無口な君を忘れる』の世界観に浸ってみてくださいね。
思い切り泣きたい時は「あたらよ」で
『10月無口な君を忘れる』は、女性でも男性でも共感できる切ない失恋ソングです。
別れたばかりで傷が癒えない方、そろそろ終わりを迎えそうだという方、ぜひこの曲で思い切り泣きましょう。
ちなみに、『10月無口な君を忘れる』は『あたらよ』の1stミュージックビデオ。
今後ますますの活躍が期待されますので、次の曲を楽しみに待ちましょう。