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歯痒さが迫る夜を乗り越えてこそ、虹に出会える旅が始まる。BUMP OF CHIKIN「なないろ」[しゅかしゅんYUNA Urock! 第97回]

大阪☆春夏秋冬・YUNAの連載歌詞コラム[しゅかしゅんYUNA Urock!]。今月6月は『虹』となりました。今回はBUMP OF CHIKIN「なないろ」でをお送りします。

大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。

Urock!97回目になりました。



先月5月は『天気』というテーマでお届けしました。

梅雨でもある今の時期、雨以外にも多く見られるのが‟虹”。

ということで今月6月は『虹』というテーマで選曲していきたいと思います。

虹を見られると、良いことがありそうな予感がしますよね。まだまだ大変なこの時期、皆さんに良いことが訪れるようにと願いも込めて。

連続テレビ小説「おかえりモネ」の主題歌

BUMP OF CHICKEN「なないろ」

BUMP OF CHIKIN「なないろ」


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闇雲にでも信じたよ きちんと前に進んでいるって
よく晴れた朝には時々 一人ぼっちにされちゃうから
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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先の見通しがない中でも、信じてみるという選択を取る場面って沢山あるかと思います。

例えば、周りに頼れなくなったり人に任せるのが気に入らず自分1人だけで完結しようと頑張ってみたとします。

闇雲になっている時って周りのことが見えにくくなりますよね。

だから自分なりには進んでいたつもりでも、よく晴れて見晴らしが良くなったとたん、周りを見渡すと誰もいなくなってしまっていて孤独を感じてしまうのかもしれません。

がむしゃらにやったつもりなのに、なぜか空振りしてしまう。

先の見通しがなくても周りと足並みを揃えたり、誰かを頼る勇気が欲しいものです。

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ヤジロベエみたいな正しさだ
今この景色の全てが 笑ってくれるわけじゃないけど
それでもいい これは僕の旅
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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ヤジロベエとは日本に昔からある伝統的な人形で、胴の先が細くなっていて左右に伸びた手の先っちょに付いた重りでバランスをとって、倒れない仕組みになっている玩具です。

足元が不安定になりながらも、日々のバランスを上手く取りなんとか正しく生きている人々と重なるのでしょう。

見えている景色全てが自分の味方をしてくれるわけではないけれど、誰に何を言われようと、自分自身の旅である。

未来に勇気を与えてくれるそんな歌詞ですね。

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昨夜の雨の事なんか 覚えていないようなお日様を
昨夜出来た水たまりが 映して キラキラ キラキラ
息をしている
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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ここの歌詞を見ると、人の感情が天気に例えられているのだとわかってきます。

大雨が降っていても翌日には晴れる天気のように、人々も昨日悔しい事や悲しい事があったとしても、明るい笑顔で翌日を迎えようとするのです。

涙を流してできた心の水たまり。

皆さんにも人に吐き出さずにずっと溜め込んできたものって、あるかと思います。

それをバネに頑張れる人は、かっこいいですよね。

苦手だった事をいつの間にかクリアできていたり、辛いことを乗り越えられたからこそ得られるキラキラ。

それを乗り越えられたのは自分自身でしかないです。証明されることのない事実を歌ってくれる事で自信が持てますよね。

そして‟水たまり”→‟息をしている”に繋がっているのも、素敵です。

ただの悲しみとして消えていくのではなく、自分の経験のひとつとして生かせてあげる歌詞がとても美しい。

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高く遠く広すぎる空の下 おはよう 僕は昨日からやってきたよ
失くせない記憶は傘のように 鞄の中で出番を待つ
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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望むことに中々手が届かない遠さ。

何度でも可能性があるという広さ。

しかし広いのは空だけでなく、足をつけている地だって空と同じくらい広くて、沢山の可能性や希望が広がっているのです。

失くせない記憶というのは、何かしらの感情を抱いた出来事に重なると考えます。

傘というのは私たちから雨を守ってくれるものですよね。

失くせない記憶が傘に例えられているという事は、経験から得た覚悟や優しさが自分を守ってくれるものに変わっていくという事なのかもしれません。

鞄の中で待つと書かれているので、おそらく折り畳み傘なのですが、他人には見せないままどこにでも連れて行けるからこその折り畳み傘なのかもしれませんね。



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手探りで今日を歩く今日の僕が あの日見た虹を探すこの道を
疑ってしまう時は 教えるよ
あの時の心の色
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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手探りで歩いている自分は、今の道でいいのか迷っているようです。

あの日見た夢や特別な時間をもう一度求めるには、本当にこのままでいいのか?

この道に時間をかけて良いのか?

ふとした夜にそんなこと考えてしまいますよね。



一度手に入れたあのステージをもう一度手に入れるにはどうすればいいのか。

あの時の自分たちは、きっと運が良かった。

だけど当時はカメラの使い方がわからなかったために、虹が掛かった瞬間にうまくシャッターを切れなかった、そんな気がします。

記憶にはあるけれど記録にはない、そんな感じ。

考えと行動がうまく重なり合わない時って皆さんにもあると思いますけど、私自身はこの曲を聴いて大切にするべき瞬間が少しずれていた事に気づけました。

あの日の心の色をもう一度信じてみようと思います。

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胸の奥 君がいる場所 ここでしか会えない瞳
ずっと変わらないままだから ほっとしたり たまに目を逸らしたり
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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私の今までのコラムでは、“君”という言葉を‟自分”に置き換える解釈をしてきた事が何度かありましたが、ここの歌詞もその置き換えができるんじゃないかなぁと。

胸の奥にいる自分=過去の自分

ここでしか会えない初々しい瞳や失敗したり喜んだ沢山の瞬間が、それぞれの胸の奥にはあると思うんです。

懐かしいなぁと思う部分と、なんだか変わってないなぁと思う部分。

自分が自分であり続ける事に安心したり、変わりたいのに変われないもどかしさに目を逸らしたり。

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思い出すと寂しいけど 思い出せないと寂しい事
忘れない事しか出来ない 夜を越えて 続く僕の旅
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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思い出してしまえば切なくなるし悲しくなる、そんな出来事。

だけどなんとなくそれに辿り着きたくなったり、縋りたくなったりしてしまいます。

なんでなんですかね。

泣き言を言ってみたり弱い自分を表現したくなったり。

本来なら出したくない部分でもたまに寄り添ってあげたくなる。

夜にはよくそんな感情になります。

忘れようとするものほど忘れられない、歯痒さが迫る夜を乗り越えてこそ、明日を迎え旅が続いていくのです。

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治らない古い傷は 無かったかのように隠す お日様が
昼間の星と同じだね 本当は キラキラ キラキラ
この街中に
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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過去の出来事を隠すのは、雨ではなくお日様。

それも割とポジティブな意味ではなく、空元気を感じさせますね。

ただ表に見えているだけでしかない表情の裏には、沢山のキラキラが溢れてるはずなんです。

治る古傷も治らない古傷も、無かったものにはならないですよね。自分の経験として今後に活かす強さになるのです。

証のような。

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歯磨きして顔洗って着替えたら いつもと同じ足で出かけようぜ
相変わらずの猫背でもいいよ 僕が僕を笑えるから
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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当たり前ができる間はあえてそれを特別視するのではなく、当たり前を過ごすからこそ良さが生まれる気がします。

相変わらずの自分を笑ってあげられるって、自分を理解して受け止められてるからだと思うので。

過去を慰めたり未来の後押しをするだけでなく、今の自分を肯定してくれる歌ってすごいパワーになりますよね。

ここのサビが一番とは全く違う歌詞だったり、1曲に沢山の言葉が詰まっていてまるで宝箱のよう。

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涙の砂 散らばる銀河の中 疲れた靴でどこまでだっていける
躓いて転んだ時は 教えるよ
起き方を知っている事
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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涙が砂になって自分の目に見えない範囲まで散らばっていくのです。

新しいものに目移りしてしまいがちですが、自分を連れてきてくれたものはずっと大切にしておきたいですよね。

そして躓いて転んだ時にこの歌が与えてくれるものが少し変わっていて。

起き方を教えるのではなく起き方を知っている事を教えるというのです。

なんとも魅力的ですよね。

こうやってまた一つ、また一つと成長できる種が増えていくのかもしれません。



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乾いて消える水たまりが それでも キラキラ キラキラ
青く揺れる
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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水たまりというのはどんなに大きくても、晴れの日が続けば乾いて消えてしまうものです。

人の涙の水たまりだって消えていきますよね。

生きていくためには晴れの日も雨の日も必要であるように、人の心もいろんな天気があるからこそ輝くのだと感じています。

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高く遠く広すぎる空の下 おはよう 僕は昨日からやってきたよ
失くせない記憶も傘のように 鞄の中で明日へ向かう
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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一番では鞄の中で出番を待っていた傘ですが、二番では鞄の中で明日へ向かっています。

過去にとどまるのではなく、自分と一緒に明日へ向かう事で、日々の経験が更新されていくのでしょう。

ただの過去の思い出も、どんどん自分に似合う思い出になっていくはずです。

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手探りで今日を歩く今日の僕が あの日見た虹を探す今日の僕を
疑ってしまう時は 教えるよ あの時の心の色

いつか また会うよ 戻れないあの日の 七色
≪なないろ 歌詞より抜粋≫
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過去に戻る事はできないけれど、あの日のような今にはまた出会えるよ。

この言葉にはどんな瞬間でも心打たれるものがあります。

再現できないような過去でも、それをもっと大切だと思わせてくれるような日々に出会える。

そう思うだけで、今日も夜を超えて旅を続けていこうと思えませんか?

BUMP OF CHICKENがかける虹は、世界中の人が見えてる奇跡に違いないです。



どうでしたでしょうか??

皆さんにとっての‟なないろ”の日はありますか??

私も、相変わらずな猫背の日々ですがなんとか明日も一歩踏み出せそうです。

そして改めて文字を読んでくれている皆様もありがとうございます。

どうか今後ともよろしくお願いします。

ではまた。

You rock!!

しゅかしゅんINFO

【リリース】
●最新アルバム『BRAVE SOULS』CD発売中&配信中 

【イベント】
※国及び各都道府県からの要請に基づき変更となる場合もございますので、イベントの実施に関しましては各所ホームぺージ、SNS等でご確認の上、ご参加下さい。

●大阪☆春夏秋冬単独ライブ『∞ ~INFINITY~』
※4月27日(火)から変更になりました!
[延期日程] 2021年6月9日(水)
[会場] 大阪・心斎橋BIG CAT
[時間] 開場18:00 / 開演19:00
[料金]
《VIP(最前列指定席)》:¥20,000 +1ドリンク
※Tシャツ、サイン付きサインタオル、マスク、リハーサル体験 
《グッツ付きチケット(エリア自由席)》:¥10,000 +1ドリンク
※Tシャツ、サイン付きタオル、マスク
《タオル付きチケット(エリア自由席)》:¥5,000 +1ドリンク
※サイン付きタオル

●MANAソロライブ『SOOTHING vol.3』
[日程] 6月8日(火)
[会場] 阿倍野ROCK TOWN
[時間] 開場17:30 /開演18:00
[ゲスト出演] KOIKEMAN 55

●MAINAソロ・バンドセットライブ『プラスティック・ラブ』
[日程] 6月8日(火)
[会場] 阿倍野ROCK TOWN
[時間] 開場17:30 /開演18:00
[友情出演] TETSUYA(Bass)・TENTEN(Drums)・MAECHAN(Guitar)

●EONソロイベント『せやかてEON』
[日程] 2021年 6月 17日 (木)
[会場] 東京・池袋 Space emo
[時間] 開場17:30 / 開演18:00

●MANAソロライブ『SOOTHING vol.4』
[日程] 2021年6月18日(金)
[会場] 東京・池袋 Space emo
[時間] 開場17:30 /開演18:00

●『YATSUI FESTIVAL 2021』
[日程] 2021年6月19日(土)、6月20日(日)
[会場] 東京・渋谷 O-EAST / O-WEST / duo MUSIC EXCHANGE 他。配信あり。
※大阪☆春夏秋冬はどちらか1日出演。
INFO: yatsui-fes.co

【BOOK】
●『おとめ失格』コミックス第1巻(5月14日発売)の帯にYUNA、RUNAが登場!!
【関連リンク】
▷MAGKAN
▷公式Twitter:@MAGGardenKansai
▷『おとめ失格』HP

●『IDOL FILE Vol.21 Morning Routine』
※ANNA掲載中!

●『Kyoto & Shiga Creative Life Magazine Leaf』6・7月合併号
※ANNA・MANA連載コラム掲載(ANNAラスト出演)

【WEB】
●「Let you fly」ダンス・プラクティス動画YouTubes公開中
<YouTubeタイトル> 大阪☆春夏秋冬 / 「Let you fly」 Dance Practice Video @LIVE HOUSE
▷視聴はこちら

●MAINA作詞・作曲「春風」Music Video、YouTubeにて公開中
2月27日に放送された読売テレビ「御社のMVつくります」で制作された、MAINA作詞・作曲「春風」のコラボMusic VideoがYouTubeにて公開中!
▷大阪☆春夏秋冬 / 春風 -Collaboration MV-

●WEB【SPICE】インタビュー掲載中
▷インタビューはこちら

●YouTube『しゅかしゅんのバラエTV』
毎週火曜日20:00更新
▷YouTube Channel

●2020年6月に実施したオンライン単独ライブ『MABU~From LIVEHOUSE~』ライブ映像YouTube公開中
▷動画はこちらから

この記事を書いた人


YUNA(ユウナ)
1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)

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5人組ガールズ ダンス&ヴォーカルユニット! 圧巻の歌唱力と、4人の個性溢れるコーラス&ダンスワークで、ROCK・ファンク・POPS・バラードと幅広い音楽を、歌とダンスで表現する驚きのパフォーマンス。音源だけでは満足できない、本物の LIVEアーティスト。 ▷大阪☆春夏秋冬オフィシャルHP ▷大阪☆···

この特集へのレビュー

男性

黄色いカラス

2021/06/09 09:57

『当時はカメラの使い方がわからなかったために、虹が掛かった瞬間にうまくシャッターを切れなかった、そんな気がします。』

幼い頃、未熟な頃に覚えておきたかったこと、苦い思い出でも記録として残しておくべきだったこと。
そういう場面が沢山あったはずなのにカメラの使い方がわからずあたふたしてるうちに消えてなくなってたなんてこと、振り返ってみると山ほどある。

でもカメラの使い方を勉強すればシャッタースピード、ISO感度、F値、露出を自分なりに変えて残したい瞬間を自分の表現方法で記録できるようになっていくし、そうやって少しずつ成長すればブレブレだった虹もだんだん綺麗な七色に写せるようになるかもね。

自分の中でもだんだん記憶が薄れてきてるけど、
あのステージに戻れた時は必ず呼んでね。

男性

まーくん

2021/06/03 16:23

起き方はもう知っていて、それを教えてあげるって表現がめちゃくちゃ素敵

大なり小なりあるにせよ、人って何かしら苦労して生きてきたものだから、
その経験から次に進む方法って
すぐに気づけないだけで、既に持ってたりするものなんだよね

最近になって、その感覚が分かるようになってきた気がする

レビューを書いてる今日という日はもうそろそろ終わるけど、また明日から当たり前な日々を笑って過ごせそうです

これからもよろしくお願いします

それじゃまた

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