あたらよが手掛ける夏のラブソング
バンド初のオリジナル曲『10月無口な君を忘れる』が、Spotifyバイラルチャートを中心に上位入りを果たしている『あたらよ』。
2021年8月11日リリースの新曲『夏霞』は「もう戻れない夏」を歌った切ないラブソングです。
あたらよ公式YouTubeチャンネルでは『夏霞』のMVも公開中。
何気ない日常を過ごす彼女を彼氏目線で描いており「エモい」と話題になっています。
注目の夏歌『夏霞』の歌詞の意味を考察していきましょう。
「色のない世界」の意味を考察!
『夏霞』には「僕」「君」の2人の人物が登場しており、男女の切ない恋心が歌われています。
----------------頬を掠めた風に、「君」の香りを感じる主人公。
懐かしい風が頬を掠めて
君の香りを今も想ってる
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
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「懐かしい」「今も想ってる」から、相手はもう近くにいないことが想像できます。
----------------誰かと一緒に過ごしていると、相手の好きな食べ物や趣味に影響を受けることもありますよね。
ねぇ 今更になって思い出す
色のない世界残る香りに
後悔ばかりが募ってゆく
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
----------------
「君」は「僕」の人生に彩りを添えてくれる存在だったのでしょう。
そんな相手がいなくなってしまった現状を、主人公は「色のない世界」と表現しています。
新しく色をつけてくれる存在はいなくなってしまったけれど、思い出は自分の中に残っているもの。
相手と過ごした日々を思い出して、後悔する主人公の姿が想像できます。
「夏霞」の意味とは?
楽曲タイトル『夏霞』の読み方は「なつがすみ」。
「霞」は春の季語ですが、夏に見られる霞を「夏霞」と呼びます。
辞書によると「霞」の意味は「空気中のさまざまな細かい粒子で遠くがはっきり見えない現象」。
意味を踏まえて曲を聴くと、歌詞中の夏霞には2つの意味が込められているように感じます。
----------------別れた相手との日々を思い出すと、切なく苦しくなるもの。
忘れられないと泣くくらいなら
ただ僕らを包めよ夏霞
さよならが痛いのは
苦しいほど知ってるのに
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
----------------
夏霞が周囲を見えなくするように、相手の存在を自分の中から消してしまえたら楽でしょう。
ここでは、夏霞を「相手を忘れようとする手段」に描いていると解釈できます。
----------------続く歌詞では、「一瞬」だけ輝く花火と「永遠」を誓う2人を対比しています。
あの儚く散る花火の下で
馬鹿みたいに永遠を誓った
今更、思い出すなよ
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
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「僕らは花火のように短く終わってしまった」と馬鹿らしく思う、主人公の姿が切ないですね。
『夏霞』の歌詞の中で、2人がなぜ別れてしまったのかは明言されていません。
冒頭の歌詞から想像すると、「遠くの未来ばかり考えて、先に考えるべき物事を話し合えなかったから」ではないかと思います。
----------------「空」は遠くにあるもの、「足元の花」は近くにあるものです。
空の青さに目を奪われて
足元の花に気付けないまま
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
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つまり、「遠くにあるものばかり見ていたから、近くにあるものを見過ごしてしまった」と解釈できますね。
----------------2番の歌詞からは、「君」が何かに悩んでいる様子が想像できます。
あの夜君が僕に零した
痛みの意味も今なら分かる
気がするんだ
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
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付き合っていた時、主人公は「君」の痛みをうまく分かってあげられなかったのでしょう。
もし、遠くを見えなくする夏霞に2人が包まれていたらどうなっていたでしょうか。
もっと、今目を向けるべき事柄に気づけたかもしれませんね。
ここでは、夏霞を「大切なことに気づく手段」に描いていると解釈できます。
ラストの歌詞から見る2人のその後
4人組バンド・あたらよの『夏霞』。
儚く散ってしまった夏の恋を描く、切ないラブソングです。
なお、曲のラストは以下の歌詞で締めくくられています。
----------------1番では「色のない世界」の歌詞が登場しますが、ラストは「色付く日々」になっているのが印象的ですね。
また僕ら色付く日々に
≪夏霞 歌詞より抜粋≫
----------------
2人がまた恋愛関係に戻るのか、歌詞からはわかりません。
ただし、再び前を向いて歩こうとする2人の決意が、ラストの歌詞からは感じられます。