luzの4thアルバム「FAITH」に魅入られる
色気のある甘い歌声でカリスマ的な存在感を放ってきたソーシャルミュージックシーン発のアーティストluz。活動開始から11周年を迎えた今、TVアニメの主題歌を担当したり歌ってみた楽曲が全世界でサブスク配信されたりと、世界的な人気を獲得するシンガーにまでなっています。
そんなluzの約4年ぶりとなる待望の4thアルバム『FAITH』が、2021年10月27日にリリースされます。
PENGUIN RESEARCH堀江晶太を全面プロデュースに迎え、明希(シド)、山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、ケンカイヨシ、すりぃ、奏音69、蝶々P、かいりきベアといった著名なアーティスト・作家陣とコラボした豪華なラインナップとなっています。
また「Rose」「棘 FAITH ver.」をはじめ、リード曲の「FAITH」、luzの代表曲となった「FANATIC」、御恵明希作曲の「Void」、大人気ゲームのテーマソング「Identity Crisis」の6曲は、luz自身が作詞を担当。
音楽とファンに真っ直ぐ向き合うluzの想いが、様々なモチーフを通して感じられる特別なアルバムです。
そして、このアルバムに一貫して見られるテーマである「FAITH(信仰)」を色濃く表現しているのがリード曲の「FAITH」。
YouTubeで公開されているMVはすでに132万回再生(公開当初)を超え、注目度の高さと人気ぶりがうかがえますね。
この楽曲には『FANATIC』をプロデュースした堀江晶太が作曲と編曲で参加しており、そのクールなロックサウンドとluz作詞の歌詞から2曲の繋がりが感じられます。
どちらもluzとファンの関係性を教祖と信者に例えた歌詞が特徴的ですが、『FANATIC』では教祖から信者へのメッセージだったのに対し、『FAITH』では信者から教祖への狂気的なまでの愛情が綴られています。
つまり、ファンからluzへ捧げるアンサーソングとして、luz自身が想いを代弁してくれている楽曲と言えるでしょう。
そんな気になる「FAITH」の歌詞の意味を考察していきます。
信者から教祖への飽くなき愛情を綴る
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代わらぬ愛を共にした
教祖へのFAITH.....
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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冒頭から「教祖」を「アナタ」と呼び、長きにわたって崇拝し続けていることが伝わってきます。
11年もの活動を支え、他のどんなものにも「代わらぬ愛」を捧げてきたファンにとって、様々な方法でその愛を還元してくれたluzは確かに「愛を共にした」存在と言えるかもしれません。
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永遠に消えない証明
ワタシだけに頂戴?
理想 至高 刻んだ狂想
止められない I'm crazy!
Fear in dark side
さぁ… 骨の髄まで
蠱毒! 侵蝕!
覚えた悦楽 堕ちても終われない…
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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信者からすれば、何よりも求めるのは教祖からの愛でしょう。
愛されている証明を欲するあまり、多種多様な感情や考えが頭を巡って混乱している様子が見えてきます。
「蠱毒! 侵蝕!」というフレーズは、毒に侵されるかのようにその存在が心に食い込んでいることを表しているようです。
ひとたび触れてしまえば誰もが魅了されるluzの歌声に、同じような感覚を覚えているファンも多いのではないでしょうか。
「堕ちても終われない」とあるように、魅力を知れば知るほど終わりのない沼にはまっていくのです。
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とある誰かが言ったんだ
「それが本当の救済か」
「斯くも憐れな 狂信者」
「オマエが見てるのは幻想だ」
ワタシの生は教祖のもの
誰にも邪魔させない
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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誰かのファンを公言すると、時には周囲から批判的な言葉をかけられることもあるでしょう。
それでも変わらずファンでいることは、他人から見れば「狂信者」のようなのかもしれません。
しかし、愛情は誰かが止められるものではないはずです。
「誰にも邪魔させない」というフレーズに、ずっとファンでい続けようとする強い意思が込められています。
この言葉をluzが歌詞に綴ったのは、活動から11周年を迎えても変わらず愛してくれているファンの想いに、心を打たれた背景があるのかもしれませんね。
あふれる愛には自分でさえも抗えない
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断罪 もっと 深くまで
余すとこなく侵して
存在を知らしめておくれ
崩壊寸前だってやめないで
歪んでたっていいよ
こんなに溢れ出す My FAITH...
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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「断罪」と聞くと、痛みの伴う処刑の様子を想像できるでしょう。
そんなふうに痛めつけられることを願うことは本来であればあり得ませんが、ここでは「存在を知らしめておくれ」と続けられています。
その痛みこそが愛する者の存在を証明するのだから、信者たちはあえてその痛みを受け入れたいと願っているのです。
「崩壊寸前だってやめないで 歪んだっていいよ」のフレーズからも、自身がどうなっても心にあふれる愛情には抗えないという究極の愛の形が見えてきます。
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「シンコウヲ シメシナサイ」
捧げます ワタシの日常を
「チュウセイヲ シメシナサイ」
捧げます ワタシの心臓を
「キョウアイヲ シメシナサイ」
捧げます ワタシの尊厳を
「サイアイヲ チカイナサイ」
捧げます ワタシの一生を
「クライナサイ クライナサイ」
美味なるココロ! 穢れても"アイシテル"
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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ここでは教祖から与えられる言葉に、信者は身も心も、人生のすべてさえ捧げることを誓っています。
恐ろしいまでに狂信的な言葉は、いっそ清々しく感じられますね。
その愛情がたとえ周囲から見て穢れているとしても、当人には関係ないのです。
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愛憎 もっと ちゃんと 狂わせて?
贖罪を果たさせて
洗礼を施しておくれ
くだらない! 現世 厭世 かき消して
「偽り」でいいよ
最愛を超えて
≪FAITH 歌詞より抜粋≫
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「もっとちゃんと狂わせて?」というフレーズは、luzのさらなる魅力をもっと見たいと願うファンの気持ちを表現しているように思われます。
彼の唯一無二の魅惑のボイスを聴くと、現実から離れた歌詞の世界観に浸ることができます。
そして、そんな体験をするたび、きっと「最愛」という言葉では表現し尽くせないほど愛情が募っていくはずです。
ファンからの愛情をluz自身がしっかりと受け止めて、彼らしい世界観で歌詞に綴ってくれていると思うと、より「信仰(FAITH)」の気持ちが高まりますね。
luzの魅力満載のアルバム「FAITH」をチェック!
アルバム『FAITH』には初回限定盤・通常盤・教典盤の3種類があり、アルバム制作メイキング映像を収録したDVDなど豪華な特典も用意されています。また12月にはアルバムリリース記念として、7都市での全国ツアー公演の開催が予定されていて、ファンなら絶対に見逃せません。
楽曲「FAITH」で描かれた教祖を狂信的に愛する信者のように、これからもluzの活動を熱く応援していきたいですね。