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Novelbright「優しさの剣」が指すものは?ドラマ「漂着者」に繋がる歌詞の意味を考察!

2020年8月にメジャーデビューした注目のバンド「Novelbright」。その活躍はとどまるところを知らず、様々なタイアップを展開しています。今回はドラマ「漂着者」の主題歌として書き下ろされた『優しさの剣(つるぎ)』の歌詞を考察していきます。

ドラマ「漂着者」の主題歌

▲Novelbright - 『優しさの剣』【OfficialMusicVideo】

優しさの剣』は、2021年7月~9月にテレビ朝日系で放送された金曜ナイトドラマ「漂着者」の主題歌です。

秋元康が企画・原作・脚本を担当したドラマ「漂着者」。

主演を斎藤工、そして、元・乃木坂46の白石麻衣がヒロインを務めたこともあり、放送開始当初から大きな話題となった作品です。

ストーリーは、新潟の海岸で1人の男性(斎藤工)が発見されるところから始まります。

彼は自分の名前も年齢も何も覚えておらず、いわゆる記憶喪失の状態でした。

ヘミングウェイの著書のタイトルと思しき「勝者には何もやるな」というセリフを放ったことから、ヘミングウェイと名付けられたこの謎の男性。

時を同じくして大きな問題となっていたのが、幼女連続殺人事件でした。

ヘミングウェイは、行方不明中だった少女の居場所を言い当てたことから、予知能力があるのではと世間を騒然とさせます。

その不思議な力を目の当たりにした女性記者・新谷詠美(白石麻衣)は、この奇妙な事件の真実を探るべく、彼と行動を共にします。

果たして事件の真相は?

そして、ヘミングウェイは記憶を取り戻すことが出来るのか…?といった内容です。

今回は『優しさの剣』の歌詞を辿りながら、ドラマ「漂着者」と交錯する世界観を読み解いていきたいと思います。

ドラマでも描かれるネットの闇


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深い眠りだった夢の中
争いを避けて通れない道を歩いていた
鳴り止まないな 悲しみが
安らぎを求めた先に希望はあるのか
≪優しさの剣 歌詞より抜粋≫
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『優しさの剣』の歌詞の内容は、全体を通してヘミングウェイの内面を表しているかのようです。

記憶が曖昧な彼にとって「自分は一体何者なのか」という問いは、まるで夢物語の登場人物について思いを馳せるようなものなのでしょう。

それでも何となく覚えているのは、壮絶な過去を過ごしてきたという感覚なのではないでしょうか。

彼の内側には、得体の知れない悲しみや空しさが常に漂っているのでしょう。

「漂着者」は、ヘミングウェイが主人公ということもあり、どうしても彼にフォーカスを当てがちです。

しかし少し視点を変えてみると、『優しさの剣』の歌詞はヒロインの新谷の境遇にも当てはめることが出来ます。

彼女の両親は、政治家の収賄事件に巻き込まれたせいで自ら命を絶っています。

しかし、最期まで真相を話そうとしなかった父に疑念を持った彼女は、何事に対してもひたすら真実を追い求めるようになりました。

新谷にとって、悪夢ともいうべき一連の事件。

「何がそこまで父を追い詰めたのか」という謎に、彼女は苦しみを抱えながらずっと1人で生きてきたのではないでしょうか。

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間違いだらけの世界から
抜け出す一筋の光は
愛する気持ちの中 夜明けはすぐそこ
≪優しさの剣 歌詞より抜粋≫
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「間違いだらけの世界」とは、一体何を意味するのでしょう。

これは、事件に関して沸き起こる人々の憶測や野次馬、誹謗中傷等を指すのではないでしょうか。

それらがまん延するネット社会には、間違った情報が散りばめられています。

そこから抜け出すために必要なのは「愛する気持ち」と言いたいのでしょう。

ネット社会では、媒体の向こうにいるのが生身の人間ということを忘れがちです。

このフレーズは、そんな世界に対する警告なのかもしれません。

ドラマ「漂着者」では、海岸でヘミングウェイを見つけた女子高生達が、SNSを通して彼の情報を拡散していくことが物語のきっかけになっています。

ネットの力で狂信的な力を得ていくヘミングウェイの姿からは、現代社会の闇や危うさを感じ取ることが出来ます。

「優しさの剣」が指すもの


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間違いだらけの世界から
抜け出す一筋の光は
愛する気持ちの中 夜明けはすぐそこ
≪優しさの剣 歌詞より抜粋≫
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タイトルになっている「優しさの剣」。

剣とは本来、他者を攻撃するために用いられる武器です。

しかし「優しさ」という正反対の言葉がつくことで、楽曲に対して新しいイメージが掻き立てられます。

「優しさの剣」が切り裂くのは”人”ではなく、その中に生まれる不安です。

そして「あなたの心の中にある優しさの剣」と言っていることから「優しさの剣」とは、抽象的かつポジティブなものであると考察できます。

言語化してみると、例えば「勇気」や「慈しみ」「愛情」などでしょうか。

相手を大切に思う気持ちが、人の中に湧き上がる不安を取り除くことが出来ることを意味していると解釈できそうです。

そして、作中に登場するヘミングウェイと新谷は、”他者からの愛情”を欲していたのではないでしょうか。

だからこそお互いに惹かれあい、もろさを感じる人間性を、埋め合おうとしていたのだと思います。

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理想と現実の狭間に居た
迷いながらも答えを見つけ進まなくちゃな
≪優しさの剣 歌詞より抜粋≫
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ヘミングウェイの”予知能力”がキーとなる「優しさの剣」。

ここで歌われている「理想と現実の狭間」とは、まさにヘミングウェイが置かれている立場を意味するのではないでしょうか。

彼の予言は常に自分が望む展開とは限りません。

どうにかして未来に訪れる最悪の展開を免れようと、今目の前にある現実と向き合う、ヘミングウェイの姿を描いているように感じられます。

最終回では迷いながらも、最善の答えを見つけようと奮闘するヘミングウェイの姿が描かれていました。

「優しさの剣」は深堀するほど魅力溢れる楽曲

今回は、Novelbrightの『優しさの剣』について歌詞の意味を解釈しました。

歌詞の中では、あからさまな直接的表現はあまり見られませんが、深堀してみると様々な解釈ができる魅力的な楽曲でした。

MVには、Novelbrightのメンバーが海辺で演奏している爽やかなシーンに加え、ドラマで女子高生役を演じていた吉田志織も出演しています。

美しくも切ない映像に仕上がっているので、ぜひチェックしてみてください。

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