JUJUの新曲はドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」主題歌
女性アーティスト・JUJUが、2021年11月10日にシングル『こたえあわせ』をリリースしました。
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連れ出してこのまま 戻る気はないわ
はじめての自由と出掛けたいの
ふたりで ただ
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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楽曲は、まるで今の環境から旅立つことを告げるような歌詞から始まります。
歌うJUJUの声はとてもやわらかく、『この夜を止めてよ』『やさしさで溢れるように』などでの切なく大人っぽいJUJUの歌声を想像すると、「これJUJUなの?」と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
オリジナル楽曲では約1年9ヵ月ぶりのリリースとなるJUJUの新曲『こたえあわせ』の歌詞の意味を考察していきましょう。
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いつの間にか止んだ 雨の匂いがした
まるで終わらない夢が覚めるように
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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「止んだ雨」「終わらない夢が覚める」は、どちらも主人公の日常に変化が訪れたことを意味しているように思えます。
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ずっとはぐれながら
そっと生きてきたから
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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『こたえあわせ』は、杉咲花主演のドラマ『恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の主題歌。
ドラマの主人公・ユキコは、目が見えづらい障害を抱えていました。
「ずっとはぐれながら」は、「自分は他の人と違う」と思いながら生きてきたユキコの気持ちを表しているのかもしれません。
また、障害の有無は関係なく、自分が周りからどう見えるかを気にしてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
世間とズレている自分に気づいて生きづらさを感じ、「これ以上傷つかないよう他人と関わらずに生きていこう」と考えてしまうこともあるでしょう。
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同じ足音のあなたに気付けた
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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そんな中で、歌詞の主人公は「あなた」と出会いました。
この「あなた」こそが、主人公の日常を変えた人物と解釈できそうですね。
「同じ足音」とは、主人公とあなたが似ていることを表しているのでしょう。
まるで「運命の人に出会えた」とも捉えられるような、ロマンチックなフレーズにも聞こえそうですね。
タイトルの「こたえあわせ」に込められた意味は?
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いつでも これ以上を求めるのは
さみしい綱渡りに思えた
なみだが うそのように
風にさらわれながら 解けてゆく
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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生きていく中で周りから変な人に思われないよう、無理に人と意見をあわせたり、自分を着飾ったりする場面もあるのではないでしょうか。
しかし、偽りの自分はいつ「嘘」だとバレるかわかりません。
そんな状況は、1歩間違えれば奈落の底に落ちてしまう綱渡りに似ていますね。
主人公はあなたに出会ったことで、「無理に人とあわせる必要はない」「ありのままの自分でいい」と気づいたのかもしれません。
主人公がなぜそんな風に思えたのか、鍵となりそうなのが2番の歌詞です。
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伝えるわこのまま 静かな胸の中
とりとめのない手紙のように
ひとつの窓からじゃ 見渡せない
景色がこんなにあったの
あなたの 窓際で
座って見る全ては 美しくて
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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「ひとつの窓」とは、主人公が1人でいたときに見ていた世界や、感じていたことを表しているように思えます。
周りから離れて生きてきた主人公にとって、あなたとの出会いは新たな発見の連続だったのでしょう。
そして、主人公は「あなた」という他人に触れたことで、「人は同じようでみんな違う」ことに気づいたのではないでしょうか。
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答え合わせばかりする癖を笑ってくれた
どれでも どれもが 正解だよと
そうして信じられる度 ほんとの答えに
近づけたの 繋いだ手が暖かいよ
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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「答え合わせばかりする癖」とは、自分が常識から外れていないか意識してしまうことを指しているのでしょう。
しかし、人はそれぞれ外見も違えば、性格や考え方も違うのが当たり前。
ある人にとっての「当たり前」は、他の人にとっては「当たり前」でないかもしれません。
一方、自分が「他とは違う」と悩んでいたことも、探せば同じように悩んでいる人がいたり、それが自分自身の個性だったりするでしょう。
どれも「不正解」ではなく、すべてが「正解」。
あなたに出会えたことで、主人公はそう気づいたのではないでしょうか。
楽曲タイトルの『こたえあわせ』には、「こたえあわせ(はしなくていい)」という意味が込められているように感じられます。
未来に「こたえあわせ」は必要ない
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どこまでもゆくわ
いつか色どりを変えてゆく
季節のような幸せでも
臆病だったわたしには戻れない
ありがとう あてもないのに迷わない
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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『こたえあわせ』の歌詞には、「いつか」「明日」「未来」といった今後を意味する言葉が多く登場します。
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あなたとなら見違える
世界を愛せる
気がした 出会えた ふたりでいれば
これから触れる明日は
とても果てしないけど
今までより鮮やかな夢を見てる
まずはどんな場所へ行こう 胸を震わせて
どんなに 儚い 今の中でも
答え合わせを忘れた ふたりは自由で
ぼやけてる未来さえも怖くないよ
≪こたえあわせ 歌詞より抜粋≫
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「ぼやけてる未来」の歌詞が示すように、未来は誰にもわからないもの。
何をしながら生きていくか、人生は1つ1つ迷いながら進んでいく果てしない旅のようなものかもしれません。
もちろん、どの選択にも「正解」「不正解」はないのでしょう。
しかし、決断するまでには何かと不安を抱くものですよね。
何を選ぶか迷った際に、隣に信頼できる人がいれば少しは安心できるかもしれません。
主人公にとって、その信頼できる人こそが「あなた」だったのではないでしょうか。
ラストの歌詞からは、あなたと出会って明るい未来を想像する主人公の心情が伝わってくるようですね。
「こたえあわせ」は私たちをそっと勇気づけてくれる楽曲
JUJU『こたえあわせ』の歌詞の意味を考察しました。主題歌となったドラマ『恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の世界観とリンクする部分もありつつ、誰もが自分自身の生き方と重ねて勇気をもらえる部分があるのではないでしょうか。
好きな人や音楽・言葉など、1つでも自分を支えてくれるものがあれば、前を向いて生きていけることでしょう。
この『こたえあわせ』もまた、あなたが生きていく中での希望の1曲になるかもしれません。