平野紫耀主演ドラマ「クロサギ」主題歌の解釈とは
多方面で活躍の場を広げる人気ジャニーズグループ・King&Princeの11thシングル『ツキヨミ / 彩り』が2022年11月9日にリリースされます。
『ツキヨミ』は平野紫耀が主演を務めるTBS金曜ドラマ『クロサギ』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
ドラマ『クロサギ』は2013年に全42巻で完結した黒丸・夏原武による漫画シリーズを原作に、『クロサギ』完全版として新たにドラマ化した作品。
詐欺によって家族を失った黒崎高志郎が「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となり、人生の全てを捧げて復讐のために詐欺師たちに立ち向かっていくストーリーとなっています。
主人公の黒崎高志郎を平野紫耀が、ヒロインの吉川氷柱を黒島結菜が演じ、そのほか豪華キャストで前作ドラマでは描かれなかった結末まで扱われるため期待が高まります。
その主題歌となる『ツキヨミ』は、まさに闇夜に浮かぶ月のような妖しい色気を感じるアップテンポなダンスナンバー。
どんな内容になっているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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潜んでる街に 月が妖しく 傾いて昇る
きっと今夜 何か起こる
別々に持ち寄った寂しさに
愛なんてくだらない名前つけて
誤魔化して 何になる?
≪ツキヨミ 歌詞より抜粋≫
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詐欺師を騙す詐欺師として街に潜む主人公。
月が妖しく光る夜の街に「きっと今夜何かが起こる」予感がしています。
復讐のために生きる黒崎にとって、人との関わりは無意味なものです。
それぞれの寂しさを持ち寄って慰め合うことを、愛なんて不確かなものに形容して何の意味があるのかと問いかけてきます。
誰も信じず孤独に戦っている黒崎は、すでに温かな愛を得るのを諦めていることが伝わってきますね。
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すべて捨ててきた
心なんて 愛なんて 生きる邪魔をするだけ
もしも叶うなら
ろくでもない俺を消してくれ
≪ツキヨミ 歌詞より抜粋≫
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心も愛も、復讐者として「生きる邪魔をするだけ」。
だから必要ないのだと人間らしい感情は全て捨てて生きてきましたが、心のどこかではこんな苦しい生き方をやめたいと思っているのでしょう。
「もしも叶うならろくでもない俺を消してくれ」と、力づくで自分を止めてほしい気持ちを言い表しています。
闇に生きる心を揺さぶる優しい眼差し
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憂いで沈みそうな その目で見ないで
近づけば この心が 壊れてしまうから
≪ツキヨミ 歌詞より抜粋≫
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「憂いで沈みそうなその目」は、当初は反発しながらも黒崎の境遇を知り純粋な優しさを向けるヒロイン・氷柱のことを指していると思われます。
黒崎は騙すか騙されるかの世界で常に気を張っていなければならない生活を送っていて、そんな見返りを求めない優しさを向けられることはなかったでしょう。
だからその優しく温かい眼差しを向けられると、感情なんて捨てたと思っていた心が揺さぶられるのを感じます。
心の奥にいる愛に飢えた自分がもっと愛がほしいと願ってしまい、せめぎ合う気持ちに心が壊れそうになるから、これ以上彼女に近づくのを恐れている様子が見て取れます。
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もつれた嘘
絡まる有象無象の人の業で濁る希望
本当の愛に触れられたら
逃れられない深い闇が
砕け散って 終わってしまえばいい…
≪ツキヨミ 歌詞より抜粋≫
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「もつれた嘘」とは嘘で騙し合う詐欺師の世界を表現した言葉です。
詐欺師たちはそれぞれの思惑で人々を騙していき、そのせいで騙された人たちは人生の希望が見えない状態になってしまっています。
黒崎自身も詐欺師の手により家族を失い、絶望した被害者の1人です。
全てを失ったからこそ、復讐のためだけに生きる道を選ぶことができたのかもしれません。
とはいえ、それが必ずしも正しい選択だったとは思っていないようです。
「本当の愛に触れられたら逃れられない深い闇」という表現から、こんな騙し合いの世界から抜け出して本当の愛に触れてみたいという純粋な感情が垣間見えますね。
愛によって自分の中に渦巻く深い闇が「砕け散って終わってしまえばいい…」と幸せな日常への憧れを滲ませます。
君はこの嘘を見抜いて
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愛は要らない 知らない 孤独でいたい 消えたい
見つめれば いつだって 悲しみの魔法に押し殺されてく
愛? 知らない それでも未来 消さない
せめて今
君はこの嘘を見抜いて
君だけはどうか気づいて…
≪ツキヨミ 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞には黒崎が心に抱える想いが吐露されています。
「愛は要らない 知らない 孤独でいたい 消えたい」という負の感情も正直な気持ちでしょう。
そもそも愛なんてものは知らないし、復讐の人生には足枷になるだけだから必要ない。
ほかに希望もないから未練なく復讐に専念できるように孤独でいたいし、いっそ消えて全てを終わらせてしまいたいという暗い気持ちにずっと襲われていました。
しかし「それでも未来消さない」と自分の未来に目を向けられるようになったのは、氷柱の存在があったからです。
氷柱に対する気持ちが愛かどうかを黒崎はまだ分かっていませんが、そこに希望を見出していることは確かです。
愛は要らないと言い続けてきたものの「せめて今君はこの嘘を見抜いて 君だけはどうか気づいて…」と願っています。
初めて愛を教えてくれた氷柱だけは、愛を求める本心に気づいてほしいと本音をこぼす黒崎の想いが胸に迫ります。
「ツキヨミ」でかもし出す色気に魅了される!
King&Princeの『ツキヨミ』の歌詞には、主人公の複雑な心情が描かれていました。人として当然の愛を欲する気持ちと普通とは言えない自身の生き方との間でもがく姿を、かっこよく演出していますよね。
ぜひますます高まっていくキンプリメンバーのスキルと大人の色気を堪能してください。
【Profile】 2018年1月17日原宿のユニバーサル ミュージック新社屋で行われた記者会見にてジャニーズ事務所とユニバーサル ミュージックとの新レーベルJohnnys’ Universe(ジャニーズ ユニバース)から”King & Prince”がレーベル第一弾アーティストとしてデビューすることが発表。 5月23日、記···