TV「王様のブランチ」のエンディング
『レモンパイ』はメンバー全員が音楽大学出身の人気ロックバンド『マカロニえんぴつ』が2018年にリリースした楽曲。
情報番組「王様のブランチ」のエンディングテーマに起用されたことがきっかけで、彼らの認知度をグンと高めた一曲です。
そんな同曲で描かれているのは、レモンパイのようにほろ苦い恋心。
一体どんな恋模様が描かれているのか、歌詞をチェックしてみましょう。
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ふざけ切って我に返る
鶴は千年、馬鹿は残念
安らかなロクデナシの午後だ
どうせ何百回も会いに行く支度する
迷惑だったりする?
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞で歌われているのは、自虐的な感情と誰かへの問いかけ。
何百回も会いに行く支度をするんだろうと思いながらも「迷惑かな?」とやや不安を感じている様子がわかります。
主人公と主人公が会いに行く相手は、どのような関係なのでしょうか?
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ふざけ合って家に帰る
僕はまだちゃんと君をしらない
これ恋かもね、そうだとしたらどうなんだ
きっと神さまだって気付いていないのです
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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前半部分では、2人の仲睦まじい様子が描かれていますね。
しかし、2人は恋人同士ではない様子。
主人公のみが「恋かも?」と思い始めているようです。
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君に触りたい
揺れながら少し悲しいキスをしたい
夜の長さに飽きたのだ
甘くて残したレモンパイ
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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サビでは主人公の「君」に対する気持ちが確かなものになっていることがわかります。
しかし、気になるのが「甘くて残した」という歌詞。
順調に進んでいないような印象を受けますね。
続く歌詞から、2人の関係性をより深掘りしてみましょう。
「君」は振り向いてくれない?
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ワンツーのステップ・バイ・ステップ
日々 No way、石の上slowで三年目
ゴミクズ、くすぶっておりますわ
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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ここからわかるのは、主人公が前に進めていない様子。
「主人公が」というよりは「2人の関係が進展していない」という方が正しいかもしれません。
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へい、オイラ江戸っ子でい
逃げるためだけの酒だぜ?
まじダっセえ、叱ってくれい!ホントに
(こんな事いつまでやってんだって話)
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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2人はそれなりに仲がいいようですが、主人公はお酒に逃げなければならないほどうまくいっていないようです。
一方通行、片思いなのかもしれませんね。
ただの片思いなら想いを伝えるという方法もありますが、それができないのは何かしら理由があるのかもしれません。
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君は触りたい?
照れながら少し雑なキスをしよう
あまりに僕ら怖がりで
甘すぎたようだ レモンパイ
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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「君は触りたい?」と主人公が恐る恐る聞く様子が連想されます。
続く歌詞では「キスをしよう」と言っていますが「君」に実際に伝えている訳ではないでしょう。
この部分はあくまで主人公の気持ちの話ではないでしょうか?
もっと近づきたい、でも近づけない、そんなヤキモキした気持ちが歌われているようです。
最後2人はどうなった?
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愛の 歌やけに嘘くせぇな
友だちでいよう
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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なんと主人公は「君」と友達でいることを選んだようです。
想いを伝えた描写がないことから、気持ちは伝えずにしまっておくのかもしれませんね。
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君に触ったら終わるかな
終わってしまうかもな
でもすごく触りたい
揺れながら少し悲しいキスをしたい
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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ここからも、主人公は気持ちを伝えずにいることがわかります。
とはいえ「君」への想いが薄れたわけではないようです。
触れたい、でも終わってしまいそうだから…と悶々とする様子が描かれていますね。
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長い夜は一つ折りで二人占めに
甘すぎるくらいがいいね レモンパイ
≪レモンパイ 歌詞より抜粋≫
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1つ気がかりなのが、楽曲の最後を飾るこちらの歌詞。
主人公は「君」と友達でいることを選んだようでしたが、この部分だけを見ると想いが実ったようにも感じられます。
ちなみに作詞作曲を担当したボーカル・はっとりはこの部分について、セルフライナーノーツで「解釈はゆだねます」とコメントしています。
もしかしたら主人公も「君」も想いは同じなのかもしれませんね。
でも、お互い気持ちを伝えるのは怖い。
だからこれからも曖昧な関係を続けていく…そんな描写なのかもしれません。
まさに、甘くてほろ苦い「レモンパイ」のようですね。
絶妙な世界観がマカロニらしさ満点!
今回はロックバンド『マカロニえんぴつ』の人気曲『レモンパイ』の歌詞の意味を考察しました。甘くもあり苦くもある、絶妙な雰囲気がマカロニえんぴつらしい一曲ですね。
同曲はシングルだけでなく、2020年に発売されたアルバム『hope』にも収録されています。
彼らの代表曲である『ブルーベリー・ナイツ』『恋人ごっこ』等も収録されているので、マカロニえんぴつの音楽をたくさん聴いてみたいという方はぜひチェックしてみてください。