「TAIDADA」の主題歌である「ダンダダン」ってどんな物語?
冒頭でもお伝えしたようにこの曲はテレビアニメ『ダンダダン』のエンディングテーマ曲です。少年ジャンプ+で連載中のこの作品は、幽霊を信じる女子高校生の綾瀬桃と、宇宙人やUFOを信じる男子高校生オカルンが、怪奇現象と戦う物語になっています。
片方が信じているものをもう一方は信じていないのですが、ある日をきっかけにお互いの信じているものを信じるようになります。
「TAIDADA」ってそもそもどういう意味?
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怠惰だ countdown
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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『TAIDADA』とローマ字表記のタイトルですが、1番の最後で「怠惰だ」と表記されています。
怠惰とは文字通りすべきことをせずなまけて、だらしないという意味です。
次にカウントダウンというフレーズが続いています。
今の怠惰な状態からなにか変わっていくのでしょうか。
今回の歌詞では怠惰というフレーズが考察のヒントになりそうですね。
「TAIDADA」ってどんな様子のこと?
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割り切る前に黙った
傷つく前に笑った
頷く前に地団駄
流される前に辞めたんだ
お守りみたいな
ごく僅かな共通点の
端くれだけ握りしめて
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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Aメロから怠惰な生活の様子が伺えます。
何をするにもやる気が沸かず、かといって流されて何かすることもなく、どこか冷めた様子です。
人生そのものを諦めたようにも見えますが、そんな生活を送っていながらもごく僅かにお守りみたいな自分の中で大切にしているものはあるようにも解釈できます。
きっとそんな怠惰な生活をしてしまうのにも、自分の中に何か理由があるのではないかと私は思います。
そして自分の中で大切にしているものをお守りとして表現されています。
『ダンダダン』に登場している綾瀬桃の自宅は神社なので、アニメとも関連付けた表現になっているのかもしれません。
また、自分の行動を共通点という歌詞でまとめていますが、行動そのものだけではなく歌詞の子音も似ていて韻を踏んでいるというのも共通点の1つですね。
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人類なんだしー 自由自在のはずが
お利口な素振りで 味がしない
心肺専用 動悸が加速する
ルールは 終わりを告げるものでしょ
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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お利口な素振りは本来の自分の姿ではないことや、自分の気持ちがないので味がしないこと、さらに心肺専用というワードでただ息をしているだけで単調で退屈な毎日を表現しているようにも感じ取れます。
「TAIDADA」と思う毎日に対して思うことは?
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全身演じきってよ 全開でその程度?
不器用で優しいだけでは 超えらんないです
見栄張ってんじゃない?
ちゃんとせい what's your pain?
感情戦を君と 練っていきたいんだよ
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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サビではそんな怠惰だと思っている状況に喝を入れるような歌詞が続いています。
「全身演じきってよ」というのは、周りに合わせてなんとなくで生きているけどこのままではだめだという自分自身がどこかにじみ出ていることを指摘されているのではないでしょうか。
また、「全開でその程度?」や「見栄張ってんじゃない?」とわざとあおるような言い方をすることで、発破をかけられている気もします。
さらに「what’s your pain?」と痛みについても問いかけています。
ここで私は痛みから逃げてしまったことで、何にも挑戦しなくなったことで「怠惰だ」と思うきっかけになったのではないかと解釈します。
「TAIDADA」と気づいた自分の感情の動きは?
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壊れるのは呆気ない
だんだん返事が素っ気ない
暮れゆく方面走って
失って気づくの寒いじゃんか
お守りみたいな
ごく僅かな共通点の
端くれどこに忘れたの
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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2番の歌詞では大事にしていた何かを忘れてしまっていることに気づくような歌詞です。
その忘れている何かが怠惰な自分になった共通点なのかもしれません。
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自分を守る念力
ばかり強くなるけど
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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痛みを感じないように自分を守ってきた様子を歌っているように感じ取れます。
語尾の「けど」は今の状況を否定はしていないけれど、肯定もしてないようなどっちつかずの表現。
どこか後ろめたい気持ちがあることに、自分自身も気づいているのではないでしょうか。
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心配せんよ 動悸が加速する
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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1番では息をしているだけだったのに、2番では同じ音でも「心配せんよ」と感情が生まれています。
何かに怯えていた痛みを感じることを避けていた自分に対して、背中を押すにはぴったりなフレーズではないでしょうか。
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逃げても 暇だし 戦いましょう
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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今までは逃げてばかりで怠惰になってしまった自分から卒業するような気持ちに変わっています。
また、「戦いましょう」というのはアニメの内容にもぴったり当てはまるワードですね。
戦いの相手は自分自身?
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感情ない時こそ 問い質すんだよ
〈萎えるぜ全方位 急にだるいよ〉
何もやってない癖に
言い訳ばっか口にするなよ
〈信じたいよ 待ち伏せたいよ〉
≪TAIDADA 歌詞より抜粋≫
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最後のサビに入る前に問い質すという歌詞があります。
問い質しているからでしょうか、同じ歌詞は他でも何度か登場していますがここまで<>がなかった箇所に<>がついていますね。
さらに今までは逃げていた自分自身に喝をいれているようにも読み取れます。
「TAIDADA」と思っていた自分と決別し、守りだけでなく攻めの姿勢でも戦うようになったのではないかと解釈できます。
ずっと真夜中でいいのに。が歌うやる気がないときこそ聴いてほしい応援ソング
怠惰と思う毎日の敵は自分自身であること、そしてその自分自身との戦いに打ち勝つまでの過程を描いた応援ソングだと考察しました。「暇だな」や「今日も何もなかったな」と思うことは私自身よくありますが、自分のマインドの問題だと教えられた気がします。
また今回紹介した歌詞以外にも「念力」や「退治」といったアニメにも関連したワードもあって、ストーリーを知っている人はわくわくする歌詞なのではないでしょうか。
ずっと真夜中でいいのに。の透明感あふれる歌声とアップテンポでやる気がないときこそ、エネルギーが湧いてくるように思います。
ぜひ「TAIDADA」と思ってしまったときこそ聴いてほしい1曲です。
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