“ビビデバビデブー”の由来と意味は?
アニメや小説に登場する魔法の呪文は、いつの時代も世界中の子どもの心を捉えて離しません。好きな呪文の1つとして「ビビデバビデブー」を挙げる方も少なくないでしょう。
「ビビデバビデブー」は1950年公開のディズニー映画『シンデレラ』に登場する魔法使いの妖精・フェアリーゴッドマザーが使う呪文で、この呪文を唱えることで願いが叶う力を持っています。
劇中歌のタイトルでもある『ビビディ・バビディ・ブー(Bibbidi-bobbidi-boo)』が正式な発音ですが、日本では表現のしやすさから「ビビデバビデブー」と発音されるようになりました。
劇中ではこの呪文によってシンデレラの服が美しいドレスに変わったりカボチャが馬車になったりしていて「ビビデバビデブー」には夢を叶える意味があるといえます。
叶えられる夢に際限はなく、夢を見るシンデレラの願いを多彩に叶える力を持ちます。
とはいえ、実のところ日本でいう“ちちんぷいぷい”と同じように言葉そのものには特に意味はありません。
それでもこのフレーズを聞くと、シンデレラの目の前で起きた奇跡が思い出されて特別なことが起こりそうな気持ちになるものです。
そのため、映画公開から70年以上経っても色褪せず人々の心に残り続けています。
楽しく歌って踊ろう!
『ビビディ・バビディ・ブー』の英語版の作詞は、ジェリー・リビングストンが務めました。
その後には日本語版もいくつか種類が制作され、特に音羽たかし(和田壽三ディレクター)によるものと、NHK「みんなのうた」で放送された青木爽によるものがよく知られています。
この記事では、音羽たかし作詞による日本語版の歌詞の意味を考察していきましょう。
----------------
サラガドゥラ メチカブラ
ビビディ・バビディ・ブー
うたえ 踊れ 楽しく
ビビディ・バビディ・ブー
サラガドゥウラ メチカブラ
ビビディ・バビディ・ブー
さあさ みんな 元気に
ビビディ・バビディ・ブー
≪ビビディ・バビディ・ブー"Bibbidi Bobbidi Boo"(シンデレラ) 歌詞より抜粋≫
----------------
歌詞には「うたえ 踊れ 楽しく」や「みんな 元気に」というフレーズが含まれています。
このことから、この歌を明るく歌い踊って嫌なことを吹き飛ばそうとするポジティブな気持ちが伝わってきますね。
「ビビディ・バビディ・ブー」という魔法の呪文が自分の考えを前向きにするスイッチのような役割を担っていると想像できるでしょう。
『シンデレラ』の世界観とは少し離れている分、その呪文の言葉自体が当時から人々の間で浸透していたことがよく分かります。
また、英語版の歌詞に出てくる「サラガドゥラ メチカブラ」も「ビビディ・バビディ・ブー」と同様に言葉自体に意味がないフレーズのようです。
このような呪文らしい響きによって楽しさや不思議さを巧みに表現しているところも、この曲の面白いところです。
シンデレラのような心持ちが大切
----------------
全てこの世は 嫌なことなど
さらりすてて ほがらかに
ビビディ・バビディ・ブー
≪ビビディ・バビディ・ブー"Bibbidi Bobbidi Boo"(シンデレラ) 歌詞より抜粋≫
----------------
この楽曲で特に重要なメッセージが、この部分に込められていると考えられるでしょう。
どのような背景があり、どのような境遇にいるとしても、嫌なことは捨てていつも朗らかな気持ちでいようと語りかけてきます。
これはシンデレラが意地悪な継母と義理の姉にいじめられながらも前向きに日々を送り、誰に対しても優しく接している様子と共通しています。
そんな彼女がついに悲しみに打ちひしがれ絶望してしまいそうなときに、フェアリーゴッドマザーが現れました。
どの時代に生きていても、置かれている状況や人間関係で悩むことはあるものです。
それでもシンデレラのように勇気と優しさがあれば、「嫌なことなど さらりすてて」将来の希望に目を向けられるでしょう。
頭を切り替え自分を苦しみから救うための呪文の言葉が「ビビディ・バビディ・ブー」です。
----------------
サラガドゥラ メチカブラ
ビビディ・バビディ・ブー
うたえ 踊れ 陽気に
ビビディ・バビディ・ブー
≪ビビディ・バビディ・ブー"Bibbidi Bobbidi Boo"(シンデレラ) 歌詞より抜粋≫
----------------
曲の最後まで「陽気に」歌って踊るようにと、楽しい気分でいる大切さを強調しています。
どのような状況でも諦めず明るい気持ちを持ち続けるなら、素晴らしい未来を手に入れられるということを意識させてくれるポジティブな歌詞ですね。
楽曲ごとの解釈の違いにも注目してみよう
『ビビディ・バビディ・ブー』は、困難な状況に立ち向かうためのヒントをくれる楽しい楽曲です。同じタイトルでも楽曲ごとに様々な歌詞がつけられているため、それぞれの歌詞の解釈を考えながら聴いてみるのもいいでしょう。
あなたも気分が落ち込みそうなときや自分の境遇に圧倒されそうなときには「ビビデバビデブー」と唱えてみてはいかがでしょうか?