カラオケで歌っている時「歌のキーが合わない」「原曲キーが歌いにくい」など感じることはありませんか?
歌には「音色の幅」があり、これがズレると最高音や最低音を上手く歌えず全体的にいまいちな仕上がりになってしまいます。
自分の音域に合った曲が分かると、カラオケでも自信を持って歌うことができますよ。
この記事でわかること
女性の音域
自分が歌える音色の幅を調べるには、まず音域をどう表現するかを学びましょう。
音を「ドレミファソラシド」と表現することは多くの人が知っていますが、音域は別の表記で表すものなのです。
どんな表記で表すのかを覚えておけば、ボイストレーニングの時にも役立つでしょう。
ここでは、表記方法の基礎的な知識と女性の歌声の種類について紹介していきます。
音域の表し方
「音域」を知るには、まず音域のルールを理解しましょう。
一般的に音の名前は「ドレミファソラシド」と表記されますが、これを英語名に直すとドから順番に「C、D、E、F、G、A、B」となります。
しかし、同じドでも高いドと低いドがありますよね。
オクターブが違う同じ音名を表記する時には、「low」や「hi」という表記と数字を使って言い換えます。
まず、基準となる真ん中の「ド」は「mid2C」という表記です。
ここから1オクターブ下がると「mid1C」、2オクターブ下がると「lowC」、3オクターブ下がると「lowlowC」という表記になります。
反対に1オクターブ上がる場合と2オクターブ上がる場合は、それぞれ「hiC」「hihiC」と表記しましょう。
他の音名もCの部分を入れ替えるだけで表記方法は同じです。
低めの音域
地声が低めな女性の音域は「mid1F~hiB」のあたりです。
真ん中の「ド」から下の「ファ」までと上の「シ」までが範囲となります。
女性は声が高いものと思われがちですが、実は音域が低い女性も意外と多いのです。
低い声は生まれつきのもので、ボイストレーニングを行ってもなかなか習得できない人が多いため、声が低い女性は自信を持って美しいハスキーボイスを披露しましょう。
平均的な音域
女性が出せる一般的な音域は「mid1F~hiD」といわれています。
真ん中の「ド」から下の「ファ」までと上の「レ」までの約1.5オクターブ分です。
下の音が低い音域の女性と一緒ですが、これは発声練習の時に出せる範囲です。
実際に歌を歌う場合には音階を1つずつ縮めた「mid1G~hiC」(ソ~ド)になると考えましょう。
ちなみにこの範囲は歌う時に無理をしなくても出せる通常時の声「地声」で歌った時の場合です。
裏声を使うとまた出せる声の高さが変わってきますが、歌に慣れていない人はまず地声で音の幅を把握しましょう。
高めの音域
地声が高めな女性は歌う時も音域が高く、mid2A~hiDのあたりです。
真ん中の「ド」から下の「ラ」までと上の「レ」までなので、低音の音域が狭くなっています。
出せる声の高さは声帯の長さで決まるものです。
地声が高い人は声帯が短いため、ボイストレーニングを重ねても低い声が出せるようになることはあまり期待できません。
しかし、一方で高い音でも澄んだ音色で歌えるので、女性らしい美しい歌声を奏でることができますよ。
音域をチェックする方法
自分の音域がどの程度なのかを調べるには、実際に声を出して音をチェックしてみましょう。
やり方は調査用動画を活用する方法や、カラオケを使う方法など様々です。
まずはチェック方法の種類を知って、自分が1番やりやすいものを試してみましょう。
ここでは、音域をチェックする方法を紹介します。
音階を歌って最低・最高を調べる
音域を調べ方で分かりやすいのは、実際に音階を歌って最低・最高を調べるという方法です。
Youtubeに「音域調査」という動画がいろいろアップされているので、その音に合わせて一緒に同じ高さの声を出してみましょう。
自分がどこまで歌えるかで音域がどの程度あるのかをチェックできますよ。
ただし、この方法は音がずれていないか、しっかり歌えているかなどを自分で判断しなければならないので歌初心者の方にはやや難易度が高めです。
最初は人に聞いてもらったり録音して確認したりして、歌える音の高さを把握しましょう。
得意な曲で確認する
自分がカラオケで歌う「得意な曲」でも音域を調べることができます。
カラオケで上手く歌える曲、いわゆる十八番の曲をピックアップしてみましょう。
その曲の1番高い音と1番低い音を調べると、自分の歌える高さがある程度分かるのです。
音域を調べるには「音域.com」や「音域データ!」などのサイトを利用すると便利ですよ。
この2つのサイトではキーから曲を選ぶこともできるので、得意曲を増やしたい時にも役立つでしょう。
カラオケのコンテンツを使う
カラオケのコンテンツを利用すれば、正しい機械判定で自分の音域をチェックできます。
自分の歌がどれくらい原曲に合っていたかをチェックする「精密採点」では、点数表で音域のデータも表示してくれますよ。
あくまでその曲の中でのキーを表したものですが、「大体どのくらいまでなら歌えるか」を把握するのなら十分でしょう。
本格的にコンテンツを利用したいなら、LIVEDAMの「DAMボイストレーニング」がおすすめです。
カラオケでボイストレーニングを受けられるコンテンツで、その中に「音域チェック」というものが含まれています。
今は1人カラオケも一般的になってきたので、1度カラオケで本格的な音域調査をしてみてはいかがでしょうか。
女性アーティストの音域
日本で活躍している女性歌手の中には、さまざまな音域を持つ人がいます。
どの歌手がどんな音域を得意としているかを知っておけば、カラオケで歌う時の参考になったり、自分の得意曲にする時の基準にしたりもできますよね。
次に、女性アーティストの中でも歌唱力が高い人気の4名をピックアップしたので、彼女たちの声の高さを見ていきましょう。
MISIA
MISIAは5オクターブもの驚異的な音域を持つ日本の代表的な歌手の1人です。
デビュー曲「つつみ込むように…」ではhihiG(ソ)~hihihiA(ラ)という超高音のホイッスルボイスを披露しています。
「忘れない日々」や「K.I.T」ではhiG(ソ)やhiG#(ソ♯)の高いキーを使用していますが、「Everything」ではhiD(レ)あたりの平均的な高さも使いこなしています。
5オクターブの音域を操ることができる彼女は、その素晴らしい歌唱力でどんな歌でも美しい歌唱力で表現することができるのです。
Superfly
Superflyの越智志帆は153㎝という小柄な体格ながら、幅広い音域をパワフルに歌い上げるシンガーソングライターです。
代表曲である「愛をこめて花束を」では、真ん中のドから1オクターブ以上高いhiF(ファ)を華やかに歌い上げています。
さらに、彼女のすごさのは高音だけではありません。
同じ曲での最低音はmid1G(ソ)なので、Superflyの越智志帆は1曲の中で2オクターブ近い音域を披露しているのです。
あいみょん
落ち着いた声と高い歌唱力で人気沸騰中のあいみょんは、低音~平均的な音域の曲を多く発表しています。
代表曲の「マリーゴールド」は平均からやや低めの落ち着いた声が魅力的ですよね。
ハスキーでしっとりとした音色で歌う曲が人気を集めているため、低音が得意な歌手だと思われがちですが、曲によっては芯が通った力強い高音も難なく歌い上げています。
ボイストレーニングやさまざまな練習方法で「どうしたら魅力的に歌えるだろうか」と研究し続けた努力が、あいみょんの誰にも真似できない歌声を生んだのでしょう。
藤原さくら
藤原さくらは日本のノラ・ジョーンズともいわれる、スモーキーな歌声が魅力的なシンガーソングライターです。
地声の音域は平均的な女性の音域よりやや低めで、歌声も話し声も落ち着いた雰囲気を持っています。
歌によっては高温やファルセットも使っていますが、息が声よりも先に出るような独特の声質をしているため、全体的に低めの歌声という印象が強くなるのでしょう。
吐く空気に歌声を乗せているので、低いながらも柔らかさが感じられる歌声です。
音域別カラオケのおすすめ曲
「歌の上手い人」になるには、自分の音域を把握してそれに合った歌を練習することが大切です。
自分の音域に合っていて、歌いやすい曲をいくつか知っておけば、人前で歌う時にも落ち着いてカラオケを楽しめますよね。
自分にぴったりな曲を歌うと、さらに歌が上手く聞こえて聞いている人をびっくりさせられるかもしれませんよ。
最後に、声の高さ別にカラオケで歌いやすい曲を紹介するので参考にしてみてくださいね。
低音域
春よ、来い / 松任谷由実
松任谷由美の「春よ来い」は曲中の最低音がmid1F(ファ)で、最高音がmid2G#(ラ♭)なので、音域が低い女性でも歌いやすい曲です。
最高音はサビの「春よ、遠き春よ」の最初の「は」の音なので声が出しやすく、地声が低い人も安心して歌えるでしょう。
一方AメロBメロは低めの音域でまとまっているので、歌ってみて低すぎると思ったら曲キーを1つか2つ上げて調節してくださいね。
曲中で比較的多く出てくるmid2G#(ラ♭)が最も出しやすいラインを見つければ、曲全体を無理のない声で歌えますよ。
アゲハ蝶 / ポルノグラフィティ
音域が低い女性は声が高い男性ボーカルの曲が歌いやすいことが多いので、ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」もおすすめです。
ポルノグラフィティは比較的歌声のキーが高い男性アーティストで、中でも「アゲハ蝶」はmid1G(ラ)~mid2G#(ラ♭)という低めのオクターブで構成されています。
最高音のmid2G#(ラ♭)は大サビで転調するところまで出てこないので、落ち着いた声域を維持しながら無理なく歌うことができますよ。
男性の曲を歌う注意点としては、音域が低い女性でも出せない低音が混ざっていることもあるので選曲の際には1番低い音を歌えるかよく確認しましょう。
平均音域
ありがとう / いきものがかり
いきものがかりの「ありがとう」は最高音がhiC(ド)で、最低音がmid1G(ソ)という平均音域にぴったりな楽曲です。
全体を通して平均的な地声が出せれば歌える音程なので、歌の練習を始めたばかりという平均音域の女性にもおすすめできます。
ただし、サビの部分で真ん中のドから1オクターブ上のドに移る場所があるので、音程がずれないように注意しましょう。
マリーゴールド / あいみょん
あいみょんの「マリーゴールド」はMid1F#(ファ#)が最低音で、hiC(ド)が最高音なので平均的な音域の女性が歌いやすい楽曲です。
hiC(ド)が出てくるのはAメロのわずかな部分なので、サビの最高音であるhiA(ラ)が歌えれば無理なく音程を取れるでしょう。
曲全体のキーが高すぎず、低すぎないのでボイトレの練習曲にもよく採用されています。
ブレスの位置や歌いまわしが個性的なので、まずは歌詞とリズムをよく確認してから音域を意識する練習を行いましょう。
高音域
Rolling star / YUI
音域が高い女性にはYUIの「Rolling Star」がおすすめです。
「Rolling Star」は最低音がmid2C#(ド#)で最高音がhiD(レ)という高音域が集まった曲です。
特に最低音は真ん中のドより半音高い音なので、低音域が出ない人が歌いやすい曲として人気を集めています。
サビでは高音が連続しますが、アップテンポで音を長く伸ばすパートもないので歌い慣れていない人でも練習しやすいでしょう。
ヒカリヘ / miwa
miwaの「ヒカリへ」は最低音がmid2D(レ)で最高音がhiE(ミ)という平均音域が高めの楽曲です。
音域の幅は広くありませんが、キーが全体的に高くてファルセット(裏声)よりも地声の方が高いキーを歌っている場所もあります。
高い声が出しやすい人には歌いやすい曲ですが、喉に負担をかけないようにしっかりとウォーミングアップをしてから歌うようにしましょう。
女性の低音域は男性の高音域!自分の音域をしっかりと知って歌声の魅力を引き出そう
女性は高い声が得意だと思っている人は多いのですが、実は女性の声には高低さまざまな音域が存在します。
ハスキーでツヤっぽい低音や可憐で女性らしい高音など、女性の歌声にはそれぞれ違った魅力があるのです。
その魅力を発揮するには「自分がどの高さを歌えるか」をよく把握しておくことが重要ですよ。
自分の声が人より「高いかも」「低すぎるかも」と悩んでいる人は、1度自分の地声の音域をチェックしてどんな歌が歌いやすいか分析してみてくださいね。
カラオケで歌いやすい自分の声に合った曲が見つかれば、魅力的な歌声が出てより楽しくカラオケができますよ。
この記事のまとめ!
- 音域は「C、D、E、F、G、A、B」という英名と「low、hi、1、2」を組み合わせて表記する
- 女性の平均的な地声や歌声の音域は「mid1F~hiD」である
- 音域を調査するには、音域調査動画やカラオケのボイトレコンテンツがおすすめ
- 歌手の音域や曲の音域を把握しておくとカラオケで得意な歌を探しやすい