「ラウドロック」をご存知でしょうか?
ラウドロックはロックジャンルの一種で、ハードロックやヘヴィメタルに近い音楽性を持ったものです。
激しく力強いバンドサウンドをシンプルに演奏するのが特徴です。
しかし、元はハードロックなどに分類されていたジャンルなので、現在でも定義付けが難しい存在です。
ですが、ラウドロックは近年音楽シーンでも注目を集めはじめており、大きな人気を誇るバンドも続々と登場しています。
海外では通用しない?日本のラウドロック
「ロック」は海外発祥の音楽ジャンルですが、意外にも「ラウドロック」は日本が発祥です。
名前も和製英語で、海外に通じるものではありません。
そういった事情もあり、ラウドロックはまだ海外では広く認知をされていないのが現状です。
区分けがはっきりしていないのも、要因の1つかもしれませんね。
特徴は中盤の長いギターソロ
ラウドロックはニューメタルとも呼ばれ、源流のヘヴィメタル(スラッシュメタル)の特徴を色濃く受け継いでいます。
特に曲の中盤に入る長いギターソロが聴きどころの1つです。
基本的にハードロックやヘヴィメタルよりもテクニカルさを抑えてはいるものの、ギターソロは聴く人を魅了します。
他にも一般的なロックよりも幅広いボーカルスタイル、エフェクターの多様による音の複雑化などが特徴です。
エモーショナルが重要!
近年若者の間で流行している「エモい」という言葉。
元は「エモーショナル」からきており、「感情を動かされるような」という意味で使われます。
そんな「エモい」という言葉がぴったりなのが、ラウドロックです。
ラップやシャウトなどさまざまなボーカルテクニックを組み込み、またわかりやすく盛り上がりやすいサウンドでまとめられた楽曲が多いです。
なので多くの若者たちの心を捉えています。
ライブでのパフォーマンスがすごい
比較的新しい音楽ジャンルだけに、新発想がふんだんに詰め込まれたラウドロック。
その魅力はサウンドだけでなく、ライブパフォーマンスにも詰め込まれています。
ハードロックやヘヴィメタル、ヴィジュアル系バンドでよく見かける「ヘドバン」(頭を上下に激しく降るパフォーマンス)にはじまり、バンドメンバーが縦横無尽に走り回ったり、楽器をガンガン鳴らしてみたり。
普通のライブではなかなかお目にかかれないようなライブ力のあるパフォーマンスで、大いに盛り上がれるのが最大の魅力といってもいいでしょう。
ライブ映像を観るだけでもテンションが上がりますが、やっぱり生のライブにバンドTシャツを着て参戦したいですね。
洋楽でいうとこんなバンド
「言葉で説明されてもイメージが湧かない」という方のために、ラウドロックに関連するバンドを紹介していきます。
まずは洋楽から見てみましょう。
SLIPKNOT
スリップノットは、アメリカで結成された素顔を出さずそれぞれ特殊なマスクを付けて演奏する9人組のバンドです。
音楽ジャンルはヘヴィメタルですが、ロックのさまざまな要素を取り入れているのが特徴です。
2000年代から世界的な人気を誇り、長年活躍を続けています。
それぞれのパフォーマンスが特徴で、ライブには各国から数多くのファンが詰めかけます。
LINKIN PARK
リンキン・パークはアメリカで結成された6人組のバンドです。
オルタナティヴ・ミュージックを得意とし、さまざまなジャンルにも通じる楽曲作りをしています。
こちらもジャンルに縛られないサウンドが魅力です。
ちなみにおすすめの曲名は『Faint』『Don’t stay』『In the end』『numb』です。
是非聴いてみてください。
ただ、残念なことにボーカルのチェスター・ベニントン氏は2017年に亡くなってしまい、ライブで彼の生歌は聴くことは出来なくなってしまいました。
A Day To Remember
ア・デイ・トゥ・リメンバーはアメリカで結成された5人組のバンドです。
ハードロックやヘヴィメタルに加えて、ポップやパンクの要素も加えた独自のサウンドが特徴です。
聴く人を選ばないポップなジャンルが加わることで若者を中心に人気を獲得していきました。
日本のラウドロックおすすめバンド8選
ラウドロックは元々日本発祥の音楽ジャンルです。
発祥の地で生まれたバンドや音楽は、まだ海外での認知度は低いものの、日本では徐々に人気を獲得しています。
その中でもおすすめの8つのバンドとおすすめ人気曲を紹介します。
SIM「KiLLiNG ME 」
SIMは、神奈川県で結成された6人組のバンドです。
ヘヴィメタルやハードコアに加えて、レゲェをミックスした独自のサウンドが魅力です。
ラウドロックらしい風変わりでオリジナリティに溢れる楽曲が多く、リフやシャウトなどの扱いに定評があります。
「ラウドロックといえばSIM」と答える若者も多いほどの人気バンドで、その躍進には目を見張るものがあります。
coldrain「FEED THE FIRE」
coldrainは、名古屋で結成された5人組のバンドです。
若者言葉「エモい」を体現したような魅力的なサウンドが特徴です。
ラウドロックは比較的シンプルなサウンドですが、coldrainはボーカルの歌唱力や演奏のレベルの高さに定評があります。
そこが人気の理由ですね。
『FEED THE FIRE』は2017年放送のアニメのオープニング主題歌としてタイアップした曲です。
アニメらしい疾走感のあるサウンドと、音楽に調和したシャウトが魅力の名曲です。
マキシマム ザ ホルモン「便所サンダルダンス」
マキシマム ザ ホルモンは4人組のバンドです。
ハードコアパンクに近いような疾走感のある激しい演奏が特徴です。
マキシマム ザ ホルモンは人気ドラマとのタイアップ経験もあり、名前を耳にしたことのある方も多いでしょう。
代表曲のひとつ『便所サンダルダンス』はアクションコメディシリーズ「キック・アスジャスティス・フォーエバー」の応援テーマソングです。
映画製作サイドから熱烈なオファーを受けて実現したそうです。
RIZE「SILVER」
RIZEは3人組のバンドです。
サポートメンバーなどを加えた重厚なサウンドが特徴です。
メンバーの金子ノブアキは人気映画「クローズZERO」に出演するなど、知名度の高いバンドです。
『SILVER』は大人気アニメ「銀魂」のエンディングテーマ曲としてタイアップし、多くの若者の人気を集めました。
「銀魂」好きのメンバーが作ったアニメへのリスペクトに満ちた楽曲です。
FACT「a fact of life」
FACTは6人組のバンドです。
1999年に結成されたバンドながら、基本の楽曲構成にとらわれない変則的なサウンドが特徴です。
またライブではバンドメンバー全員がマイクを持つというオリジナリティもあり、人気を博しています。
『a fact of life』は海外でも人気の高い楽曲で、独特のギターサウンドが魅力です。
Dragon Ash「Fantasista」
Dragon Ashは6人組のバンドです。
ロックジャンルだけでなく、ヒップホップやラテン、エレクトロニカなど多種多様なサウンドをミックスした楽曲が特徴です。
毎年夏に開催されるロックインジャパンには初年度から出演しており、ライドロックを牽引する存在ともいわれています。
『Fantasista』は2002年のFIFAワールドカップのテーマソングです。
発売当時の人気もさることながら、現在もテレビやゲーム、スポーツ選手の入場曲として流れることの多い楽曲です。
MY FIRST STORY「不可逆リプレイス」
MY FIRST STORYは4人組のバンドです。
2017年7月にリリースされた1stミニアルバムは、インディーズにも関わらず収録曲のすべてがタイアップを獲得。
2018年10月にはフルアルバムも発売しています。
若いバンドながらその人気はすでに大型ライブハウスツアーを組むほどで、これからの躍進がますます楽しみです。
『不可逆リプレイス』はフジテレビ系アニメ「信長協奏曲」の主題歌として起用された楽曲。
ボーカルのハイトーンボイスに重厚なサウンドのギャップが魅力です。
Crossfaith「Wildfire feat.Benji Webbe from Skindred」
Crossfaithは大阪で結成された5人組のバンドです。
メタルやハードコアを基盤に電子音楽などを組み合わせた独自のサウンドが特徴です。
フェスやライヴなど積極的な活動からファンを増やし、2015年の4thアルバムは若者を中心に人気を博しました。
『Wildfire feat.Benji Webbe from Skindred』は海外の人気メタルバンドのボーカルが参加した楽曲。
ライブではアニメーションを加えたパフォーマンスが話題となった1曲です。
「若者に人気のラウドロック」
ラウドロックは、日本のアーティストが作り上げた新しい音楽ジャンルです。
シングル曲にとどまらずアルバムに至るまで、さまざまなサウンドの要素を取り入れたラウド系バンドは若者を中心に広がりつつあります。
また、かつてはダンスシーンなどで多く使われていた楽曲たちも、現在ではドラマ・アニメとのタイアップにより注目を集めています。
徐々にシーンを選ばない魅力へと成長しています。
メタルコアやハードロックなどの特徴を残しつつ、ロックファンの耳を満足させる新しいサウンドは、これからますます全国へと広がっていくでしょう。
ぜひ今回ご紹介したラウドロックの代表アーティストをホームページや動画でチェックしてみてください。
また、音楽イベント情報の出演バンドの内容を見て、ライブに行ってみたのをきっかけに、あなたにとって唯一無二のバンドとの出会いがあるかもしれませんよ。
この記事のまとめ!
- 今度さらに注目されていくだろうラウドロックに注目
- 海外と日本のラウドロックを聴いて比較してみるべし
- ベストはライブに足を運んでで生のラウドロックを体感すべし