普段何気なく聞いている音楽には、J-POPやK-POP、ヒップホップやEDMなど、さまざまなジャンルがあります。
人類の長い歴史の中で、音楽ジャンルは数えきれないほど多様化しました。
さまざまな音楽や文化が混ざり合っているため、厳密に分類することは難しいですが、だいたいの分類を知っていれば自分の好きな曲も発見しやすいでしょう。
この記事でわかること
音楽ジャンルは1000種類以上!?
音楽は長い歴史を持っており、その中で生まれたジャンルは1000を超えているといわれています。
単純に音や楽器の種類だけでなく、音色やリズム、歌詞やメロディによって分類されるため、細分化されているのです。
定義があいまいで厳密にジャンル分けするのは難しく、個人の解釈によって意見が分かれる場合もあります。
日本で人気な音楽ジャンル
音楽ジャンルはたくさんありますが、現在日本で人気な音楽ジャンルにはどのようなものがあるのでしょうか。
日本のチャートを賑わせている曲は、大まかにいえば「J-POP」や「ロック」「K-POP」などに分類されます。
まずは、日本で人気なジャンルを知って、どんなジャンルが流行っているのかを知りましょう。
J-POP
「Japanese Pop」の略語である「J-POP」は、日本で作られたポップス(ポピュラーミュージック)のことです。
J-POPという名前が生まれたのは1989年ごろで、1990年代初頭から広く知られるようになりました。
キャッチーなメロディや分かりやすい歌詞が特徴ですが、近年ではロックやEDMなどさまざまな音楽的要素を含んだ曲も増えています。
ロック
「ロック」はロックンロールやブルースから進化したジャンルで、元々は社会的なメッセージや思想を組み込んだものがほとんどでした。
現在では、エレキギターを中心としたサウンドの曲を「ロック」と呼ぶ場合がほとんどです。
ハードロックやパンクロックなどのさまざまな派生ジャンルがあり、メタルもおおまかに分類すればロックの派生ジャンルの1つと言われています。
K-POP
日本のポップスを「J-POP」と呼ぶのに対して、韓国のポップスを「K-POP」呼びます。
日本を含めた海外に進出しているアーティストは、複数人のダンスグループがほとんどで、バンドやソロ歌手はあまりいません。
日本をメインターゲットとして売り出すグループも多かった中、BLACK PINKやBTSなど、近年は全世界で大ヒットするアーティストも出てきています。
EDM
「EDM」は「エレクトロ・ダンス・ミュージック」の略で、その名の通り電子楽器を使ったノリの良い音楽です。
シンセや打ち込みのドラムの音色が特徴的で、日本はもちろん世界中で流行しています。
電子楽器を使って打ち込みで曲を作るため、これまで人の手では演奏できなかったフレーズも取り入れられており、表現の幅も広がりました。
現在ではポップスやロックなど、さまざまなジャンルでEDMが応用されています。
アニメソング
「アニメソング(アニソン)」はアニメで使われているオープニング・エンディングテーマのことですが、日本だけでなく海外でも人気のあるジャンルの1つです。
古くは水木一郎ら「アニソン歌手」のアニメ内容に沿った曲がほとんどでしたが、近年ではアーティストのオリジナリティ溢れる楽曲も多くなってきました。
アニソン縛りの大規模イベントやフェスも開催されており、アニメ文化とあわせて海外からも人気を集めています。
ボーカロイド
ボーカロイド(ボカロ)は合成音声を用いたボーカル打ち込み技術のことで、そのボーカルを用いた楽曲全般の総称です。
ボーカルがいなくても楽曲制作ができるため、1人でボカロ曲をプロデュースしてニコニコ動画などのサイトにリリースする人も多く、その人たちのことを「ボカロP」と呼びます。
音楽的なジャンルは幅広く、生身の人間では歌うのが難しいメロディの曲が多いのも特徴です。
音楽ジャンルの大まかな分類分け
日本で人気なジャンル以外にも、世界にはたくさんの音楽があります。
洋楽やそのほかのワールドミュージックには、そのルーツや楽器、文化の違いが音楽にも表れており、時代背景や思想を反映しているものも少なくありません。
ここからは、世界中でさまざまな音楽や文化が混ざりあって生まれた音楽ジャンルの、大まかな分類わけを紹介します。
ポップス
「ポップス」は1950年代~1960年代にロックの派生として生まれた音楽ジャンルで、ポップなメロディで聞きやすいのが特徴です。
キャッチーな「サビ」を中心とした曲作りで、楽曲全体的に聞きやすい長さになっています。
ロックやダンスミュージック、カントリーなどさまざまな音楽から影響を受けており、J-POPやK-POPもポップスがもとになって生まれたジャンルです。
ジャズ
「ジャズ」は黒人音楽と西洋の音楽をもとにして、20世紀初頭にアメリカのニューオーリンズで生まれた音楽です。
「アドリブ」と呼ばれる即興演奏や、2拍目と4拍目がアクセントになる「オフビート」などの特徴があります。
アシッドジャズやモダンジャズなど、ジャズから派生した音楽も多く、現在でも進化を続けているジャンルです。
クラシック
ラテン語で「一流・最高」を意味する「クラス」が語源のクラシックは、今では古典的な音楽を意味するジャンルになりました。
ヨーロッパを中心とした芸術的な音楽のことを指すことが多く、有名なバッハやモーツァルトなどもクラシックに属します。
年代ごとに「古典派」「ロマン派」などの特徴があるほか、作曲者や演奏者によって楽器もさまざまです。
ラテン
「ラテン」は、中南米やカリブ海などの「ラテンアメリカ」と呼ばれるスペイン語圏の国々で生まれた音楽です。
さまざまな国や民族の音楽・文化が入り混じっており、ピアノやヴァイオリン、ギターのほか、民族的な楽器や個性的な打楽器が用いられることもあります。
中でも黒人音楽の影響が強く、パーカッシブな曲や軽快なリズムの曲が多いジャンルです。
ブラックミュージック
「ブラックミュージック」はアフリカ系アメリカ人がルーツとなった音楽で、ブルースやゴスペル、R&Bなどの総称です。
1800年代後半から存在しており、黒人の霊歌や労働歌がもとになったと言われています。
ビートやグルーブ感が強く、覚えやすいリズムやコール&レスポンスなど、親しみやすいのも特徴です。
R&B
「リズム&ブルース」の略である「R&B」は、複雑なハーモニーを駆使したきらびやかなサウンドと、ソウルフルなボーカルが特徴です。
日本で人気のある洋楽はこのジャンルの曲が多いので、ほとんどの人が「洋楽」と聞くと思い浮かべるのはR&Bでしょう。
ポップスと比べるとボーカルの歌唱力が際立っており、しっとりしていてやや落ち着いた楽曲が多いです。
ヒップホップ
「ヒップホップ」は1970年代にアメリカのダウンタウンで生まれたジャンルで、ラップやスクラッチを含む楽曲のことです。
また、ラップはもちろん街の落書きやブレイクダンスなど、ストリートの文化自体を「ヒップホップ」と呼ぶこともあります。
一定のリズムでループするトラックを使用することが多く、重低音が響くものもあれば、しっとりしたR&B寄りのヒップホップも存在します。
ブルース
ブラックミュージックの一種である「ブルース」は、19世紀後半にアメリカ南部で生まれました。
情緒ある音使いの渋いギターが特徴で、特に海外での人気が高く、ジミ・ヘンドリクスなどの人気ギタリストを生み出しています。
日本で「ブルース」というと、憂鬱な気持ちを歌った「ムード歌謡」のことであり、日本で独自に発展した全く別物の音楽という意味です。
レゲエ
「レゲエ」はブラックミュージックの派生ジャンルの1つで、1960年代のジャマイカが発祥と言われています。
2拍目と4拍目に刻まれる歯切れの良いギターや、うねるようなベースラインが特徴です。カリブ海周辺の南国を感じさせる暖かい曲調で、難しいコード進行の曲はほとんどありません。
簡単に作れるからこそ奥が深い音楽で、2018年にはユネスコの無形文化遺産に登録されています。
スカ
1950年代にジャマイカで生まれた「スカ」は、レゲエをより速く、ノリノリにした音楽です。
2拍目と4拍目を強調したわかりやすい裏打ちで伴奏もノリが良く、テンポも速いため暗い曲はほとんどありません。
リズミカルに動くベースやギターのカッティングも印象的で、思わず踊りだしたくなるような曲ばかりです。
メタル
ロックの派生ジャンルの1つで、強く歪んだギターと重低音、激しい歌唱が特徴です。
速いテンポでギターやバスドラムを刻んだり、テクニカルで長いギターソロがある曲も珍しくありません。
派生ジャンルが多いのも特徴で、シンフォニックなサウンドやラップなどの他ジャンルを取り入れたり、チューニングやテンポを極端に落とした楽曲もあります。
アカペラ
「アカペラ」は音楽ジャンルというよりグループの形式に近いです。
元々は教会で簡素な楽器を使った音楽を意味していましたが、現在では楽器を一切使わず声のみで表現する音楽を意味します。
メロディはもちろん、低音や高音のハモり、ヒューマンビートボックス・ボイスパーカッションなどの打楽器を声で再現するパートも珍しくありません。
演歌
「演歌」は日本の音楽ジャンルで、昭和に西洋音楽をもとに日本風にアレンジした歌謡曲のことを意味します。
日本民謡に似た音階を使っているほか「こぶし」と呼ばれる特有のビブラートが特徴的。
愛やふるさと、海や港町のことを歌詞のテーマにした楽曲が多く、ヒット曲には哀愁のあるものや悲しいものが多いです。
ディスコソング
1970年代後半から1980年代にかけて流行した「ディスコソング」は、心地良く踊れるテンポのクラブミュージックのことを言います。
バスドラムを4分音符で鳴らし続けるシンプルなビートと、気持ち良いギターのカッティング、軽やかなボーカルが特徴です。
そのきらびやかなサウンドには、ミラーボールがキラキラと光るおしゃれなクラブが似合います。
音楽ジャンルは幅広い!色んな種類の曲を聴いてカラオケで歌ってみよう
現在存在する音楽ジャンルは1000を超えるといわれており、世界にはまだまだあなたの知らない曲がたくさんあるでしょう。
莫大な量の楽曲の中で自分の好みの楽曲を探すためにも、だいたいの分類や、自分の好きな曲のジャンルを知っておきましょう。
さまざまな曲調や歌唱法の曲をカラオケで歌ってみれば、歌も上手くなること間違いなしですよ。
この記事のまとめ!
- 存在する音楽ジャンルは1000以上あるといわれている
- 日本ではJ-POPやロック、EDMやアニメソングなどが人気
- さまざまな国や文化をルーツとした音楽が混ざりあい、個性のある音楽が生まれる
- 打ち込み技術や楽器の進化により、音楽ジャンルも日々進化している