バレーコードが押さえられず、「好きな曲の演奏ができない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
人差し指の使い方が独特なため、他のコードとは違った難しさがありますが、コツや基本フォームを覚え、練習を続けていけば弾けるようになりますよ。
この記事のもくじ
バレーコードとは
バレーコードは、「弾くのが難しいコード」というイメージがありますよね。
ジャンルによって使われる頻度は違いますが、ロックやポップス、フォークソングではよく使用されています。
まずは、
- バレーコードの特徴
- 定番のコード
を紹介するので基礎知識として覚えておくようにしましょう。
バレーコード=セーハ
バレーコードはコードフォームの中にセーハを含むコードです。
セーハとは、人差し指で複数の弦を押さえることを指し、バレーとも呼ばれていますよ。
セーハはギターの種類に関係なく使われるテクニックで、エレキギターやアコースティックギターだけでなく、クラシックギターのようなナイロン弦ギターでも使用されます。
指の使い方や力の入れ方が独特なため、初心者がつまずきやすいギターテクニックです。
他のコードに派生させやすい
バレーコードは開放弦の音を弾く必要のあるオープンコードと違い、押さえ方に法則があるため、他のコードに派生させやすいのが特徴です。
- 6弦の音が一番低いパターン
- 5弦の音が一番低いパターン
を覚えておくと、ポジションを平行移動させるだけで別のコードが押さえられますよ。
また、使う指を変更するだけで
- メジャー
- マイナー
- セブンスの切り替え
- 発展的なコードを応用
など様々なことができる便利なコードです。
初めに覚えたいバレーコード
これからバレーコードの練習をする人は、6弦が一番低い音(ルート)のパターン、5弦がルートのパターンの曲中でも良く登場するコードを覚えるのがおすすめです。
平行移動すると簡単にコードを変えられるという特徴を持つので、この2つのパターンを覚えておくと応用もしやすくなりますよ。
ここでは、ギターでよく演奏される、基本のバレーコードを3つ紹介します。
Fコード
Fコードは最も有名なバレーコードで、曲中での登場頻度も高いです。
特にAmやC、Gと一緒に登場することが多く、指を大きく動かさないとコードチェンジができないので難しいと感じる人も多いでしょう。
フォームは、
- 人差指で1フレットを6弦から1弦までのセーハ
- 薬指で3弦の3フレット
- 小指で4弦3フレット
- 中指で3弦2フレット
を押さえます。
平行移動でコードを変えることができ、同じ形のまま人差し指を3フレットに移動させるとG、5フレットに移動させるとAになりますよ。
Bmコード
Bmは、5弦をルートにした定番のバレーコードです。
- 人差し指で2フレットの5弦から1弦までをセーハ
- 4弦4フレットを薬指
- 3弦4を小指
- 2弦3フレットを中指
で押さえましょう。
ポイント
このとき、人差し指の先で6弦に軽く触れておき、音を鳴らさないようにする「ミュート」を行っておくのがポイントです。
同じ指の形のまま人差し指を3フレットに移動させるとCm、5フレットはDm、7はEmにコードを変えることができますよ。
AやDが良く登場する曲や、G・C・Dが多く登場する曲でよく見かけるコードです。
Bm7コード
Bm7はBmの押さえ方から中指を離し、変わりに人差し指で3弦2フレットの音を出すバレーコードです。
セーハした指で出す音が1音増えるため、押さえるのが難しくなっています。
特に3弦の音が難しいので、きれいに鳴らせないときは親指の位置や人差し指の置き方を工夫してみましょう。
Bmと同様に、
- 人差し指を3フレットに移動させるとCm7
- 5フレットはDm7
- 7フレットはEm7
と派生させることができます。
バレーコードの押さえ方のコツ
バレーコードを押さえるためには、「強い握力と長い指が必要」というイメージを持っていう人は多いでしょう。
しかし、握力の強さと指の長さがなくても難しいコードを押さえられるようになるのです。
重要なのは指の使い方と力の入れ方で、この2つがマスターできると簡単に押さえられるようになりますよ。
次に、
- バレーコードを押さえるための指の使い方
- 力の入れ方のコツ
を紹介します。
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ギターの構え方を正す
まずは、ギターを正しく構えられているかを確認しましょう。
ポイント
- ボディが傾いて上を向かないように構え、お腹の右半分にギターのボディを当てます。
- ギターを持ったら、体とギターのネックの角度は45度以上にし、ヘッド部分を肩の高さまで調整したら基本の構え方の完成です。
また、弦を押さえる手の肘は手首よりも低い位置を意識すると押さえやすくなりますよ。
関節や手の長さは個人差があるので、自分に合うよう調節していきましょう。
ギター演奏において、構え方はとても重要なものです。
構え方を間違って覚えてしまうと、コードやソロが弾きにくいだけでなく、手や肩を痛める場合もあるので注意してくださいね。
親指をネックの背におく
バレーコードを押さえるときは、親指をネックの背部分、カーブの中心よりも少し上の部分に置くのがコツです。
カーブの終わり付近、指板に触れる位置に親指を置いてしまうと力が入れにくく、指も開きにくくなります。
また、弦を押さえる指との位置関係は、中指の向かい側や人差し指と中指の中間部分がおすすめです。
親指の位置を正しい位置に置くことで、バレーコードだけでなく色々なコードが押さえやすくなりますよ。
左手の形を確認する
力を入れているのにうまく鳴らないという人は、左手の形を確認しましょう。
バレーコードを押さえるには、ムダな力が入ると音をきれいに鳴らせません。
- 指の付け根が半円を描くようなアーチ型
- 人差し指の付け根と、親指の付け根の中間にある関節がしっかりと曲がっている
状態が基本です。
このように調節すると力が入れやすくなり、指も開きやすくなるので、バレーコードを少ない力で押さえられるようになりますよ。
指の「側面」を使う
セーハをするときには、人差し指の「側面」を使うのがポイントです。
側面とは人差し指の左半分、関節のシワの終わり部分で、ここに力を入れるイメージで押さえるときれいに鳴らせます。
ポイント
側面で押さえるためには、左の脇を軽くしめ、手首が上を向くように調節してあげるのがコツです。
押さえるときには、肩や腕を使って力を入れるイメージを持つと良いでしょう。
また、人差し指は真っすぐ伸ばすのではなく、少し曲げると押さえやすくなるので試してみてくださいね。
弦を押し上げるイメージでセーハする
弦を押し上げるイメージでセーハし、親指は少し下に向かって力を入れてあげるのがバレーコードのコツです。
ポイント
人差し指は指先に向かって力が入っている状態で、下向きに力を入れる親指と一緒にギターのネックを挟みこむように押さえましょう。
また、押さえる力が足りない場合は、ネックをひねるイメージで押さえてみるのもおすすめです。
しかし、弦を大きく押し上げすぎてしまうと、音程が高くなってコードがきれいに響かないので、セーハの感覚を掴むためのトレーニングとして使うようにしましょう。
セーハの指は押さえる弦だけ意識する
セーハの指は押さえる弦、音を出す弦だけを意識するようにしましょう。
バレーコードは、基本的にセーハで押さえた音は3音から4音しか鳴らしません。
その他の音は中指や薬指、小指が押さえているので、この部分は人差し指で押さえられていなくても大丈夫です。
- Fでは6弦と2弦
- 1弦、Bmでは5弦と1弦のみ
を意識して押さえるのがコツ。
ポイント
Bm7は5弦と1弦に加え、第2関節の下部分を押さえる意識をするとうまく鳴らせますよ。
弦高を確認する
音の好みや演奏スタイルによっても最適な弦高は変わりますが、バレーコードの練習には低めの弦高がおすすめです。
高めの弦高は押さえる力がさらに必要になるため、コードや単音弾きには不向きですが、張りのある音が出せ、金属やガラスの筒を使うスライドギターに向いています。
ポイント
低い弦高はネックの状態によっては音が詰まる場合もありますが、弦を少ない力で押さえられるメリットがあります。
弦高は1人でも調節できますが、調整のやり方がよく分からない人は詳しい人や、ギターを購入した楽器店に相談してみましょう。
バレーコードの練習方法
バレーコードの押さえ方のコツを覚えたら、押さえやすくするためのエクササイズを行いましょう。
セーハは押さえるのが難しく、習得までに時間がかかるので、エクササイズと押さえる練習を少しずつ積み重ねる必要があります。
簡単にできるエクササイズを紹介するので、ギターの練習や日常生活に取り入れてみてくださいね。
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指の間を開く
バレーコードを弾くためには、指の間の柔軟性が必要なので、指の間を開くストレッチをしましょう。
- 指の間にこぶしを軽く挟むストレッチ
- 右手で左手の指の間を広げるストレッチ
が効果的です。
また、手首を回したり、伸ばしたりするストレッチを組み合わせてあげるとケガの防止にもなります。
ポイント
ストレッチが終わったら、人差し指をセーハのようにフレット上に置き、余った指で2フレット先を押さえて音を出す練習をすると指を開く感覚が掴みやすくなるでしょう。
このときに、人差し指を支点にして他の指を伸ばしてあげると、指が開きやすくなりますよ。
フィンガートレーナーを使う
フィンガートレーナーを使って指に力を入れる感覚を掴みましょう。
フィンガートレーナーは指の力を鍛える筋トレグッズで、本体にボタンのようなパーツが4つ取り付けられています。
ギターの演奏に指の力はあまり関係ありませんが、
- ネックに見立てて指を動かす
- 親指の位置を調整
したりすることで、指の使い方や力の入れ方を覚えられますよ。
指を独立して動かす良いトレーニングですが、薬指と小指を別々に動かすことはとても難しいですよね。
実はこの2本は完全に分離できない構造になっていますし、ギター演奏にも不要な動きなので、薬指と小指の無理なトレーニングはしないようにしてくださいね。
省略バージョンから練習する
バレーコードができなくて好きな曲が演奏できないと悩んでいる人は、省略バージョンから練習するのがおすすめです。
省略バージョンは比較的簡単で、FであればCの形を少し変えてあげるだけで押さえられますよ。
また、人差し指で2本の弦を押さえるので、セーハの練習もできます。
曲の演奏はモチベーションも上げてくれるので、まずは省略バージョンを使って好きな曲を練習して、慣れてきたらバレーコードを入れてみるようにしてみましょう。
バレーコードの練習曲
FやBmなどの基本的なバレーコードが押さえられるようになったら、実際に曲を弾いて色々なコードに慣れていきましょう。
譜面によっては難しいコードが書かれている場合がありますが、C/EやCM7のときはCを弾くなど、左側のアルファベットのコードで代用できますよ。
余裕がある人は、押さえ方を見て練習してみても良いでしょう。
最後に、初心者でも弾きやすいバレーコード登場曲を紹介するので、気になる楽曲があれば練習してみてくださいね。
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CHE.R.RY / YUI
YUIの人気曲「CHE.R.RY」は、バレーコードの練習にピッタリの楽曲です。
曲中にはFやB♭、Gmなどのセーハが必要なコードが多く、CやG、Dmなどの基本コードも多く登場します。
軽快なリズムと明るいメロディが特徴の曲なので、バレーコードの練習だけでなく、ギター弾き語りの練習曲としてもおすすめです。
ポイント
サビはコードチェンジが多いので、弾けない場合はゆっくりのテンポで練習してフォームに慣れるようにしましょう。
リンダリンダ / THE BLUE HEARTS
THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」はロックやパンク系の音楽が好きな人におすすめのバレーコード練習曲です。
シンプルなコード進行とリズムの楽曲で、テンポも速めなのでギターをかき鳴らしながら弾いてみると楽しいですよ。
DやG、Aなどのオープンコードがほとんどで、バレーコードはF#7やBmの2つが登場します。
ポイント
勢いを重視したい場合には、バレーコードだけで弾いてみるのもおすすめです。
花束 / back number
「花束」はback numberが2011年にリリースした、切ない歌詞のバラード曲です。
ゆったりとしたテンポの楽曲ですがコードチェンジが多く、バレーコード以外にもコードフォームの音を1つ変えたsus4コードが登場します。
- 切ない雰囲気を出すAm7やF#7
- 最後のサビ前でコードやメロディが半音あがる転調
など、曲の展開やコードの響きが楽しめる楽曲です。
ポイント
難易度は少し高めですが、コード1つ1つを確実に押さえられるように練習すると弾けるようになりますよ。
バレーコードはギター初心者の最初の難関!正しい姿勢を意識して繰り返し練習しよう
バレーコードはギター初心者の最初の難関ですが、コツや押さえ方を覚えて練習を積み重ねていくと押さえられるようになるコードです。
セーハをマスターすると押さえられるコードの種類が一気に増え、ギター演奏の幅も広げられますよ。
まずは正しい姿勢を意識して、繰り返し練習してみましょう。
バレーコードが弾けるようになったら好きな曲に挑戦して、ギターの演奏を楽しんでみてくださいね。
この記事のまとめ!
- バレーコードとはセーハを使ったコードで、他のコードに派生させやすいという特徴がある
- バレーコードを押さえるためには、基本のギターの構え方や手の使い方を覚えよう
- セーハをするときは人差し指の側面を使い、押さえる弦に意識を集中させながら、弦を押し上げるイメージで押さえるのがコツ
- バレーコードは指の柔軟性や使い方が重要なので、簡単なエクササイズを行って指を鍛えてあげよう
- バレーコードを押さえられるようになったら、実際に曲を演奏して色々なコードを弾いてみよう