エレキギターに挑戦してみたいけど、手の大きさや握力に自信が無くてはじめるのを躊躇しているという人も多いのではないでしょうか?
手の大きさや力は慣れや工夫次第で克服もできますが、やっぱり弾き続けられるか不安という人には初心者用として人気のショートスケール採用モデルからはじめてみるのがおすすめです。
この記事のもくじ
ショートスケールのギターとは
高い演奏性とポップなルックス、独特なサウンドで根強い人気を持っているのが、ショートスケールのギターです。
定番モデルと見た目が違うのはもちろん、サウンドや弾きやすさに関連する細かなポイントもいくつか異なっています。
数値の差はわずかですが、実際に弾いてみると大きな違いを感じますよ。
はじめに、ショートスケールのギターの特徴や定番モデルとの違いなどを紹介します。
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スケール(弦長)が短い
ショートスケールのギターは、ブリッジのサドルからナットまでの距離・スケール(弦長)が短いです。
長さは24インチと、フェンダー系に多い25.5インチのロングスケール、レスポールやSG、ES-335が採用する24.75インチのミディアムスケールよりも短くなっています。
センチに換算すると、ロングスケールよりは3.8cmほど、ミディアムより1.8cm短くなっていますよ。
長さが違うため、弾き心地やサウンドなども微妙に異なっているのが特徴です。
弦が押さえやすい
弦のハリ(テンション)が弱く、小さな力でも簡単に押さえられるのがショートスケールの特徴です。
弦長の長さはテンションの強さと深く関係していて、長くなればなるほどチューニングを合わせたときのハリが強くなります。
ショートスケールのギターは他のモデルよりも弦長が短いので、テンションも弱くなるのです。
このため、フレットも押さえやすく、チョーキングのような弦を引っ張るテクニックも簡単にできるでしょう。
フレットの間隔が狭い
ショートスケールのギターはロングスケールやミディアムスケールよりも、フレットの間隔が短いです。
フレットは弦長全体の長さを基準に、正しい音程が出せる位置に打たれるもの。
そのため、12フレットは必ず中央地点に配置されます。
ショートスケールは全体の長さがそもそも短いため、両端から12フレットまでの距離も近く、各フレットの間隔も狭いのが特徴です。
フレット単位で見ると1mm~3mmほどしか変わりませんが、複数のフレットをまたいだコード、フレーズとなると1cm近く差が出ます。
弦の太さ(ゲージ)は0.10-0.46以上がおすすめ
ショートスケールの弱いテンションは弾きやすいですが、調整が難しく揺れの大きいルーズな響きになりがちです。
0.09〜0.42以下の細い弦を張ると弾きにくくなり、デメリットも際立ってしまうので、0.10~0.46のレギュラーゲージ以上の弦を張って、テンションを稼いであげましょう。
ギター初心者であれば、品揃えが豊富なレギュラーゲージ、強めのテンションが好きでナット調節をお願いする余裕がある人は、0.11から始まる太めの弦がおすすめです。
全体のハリのバランスを均等にしたい人は、ダダリオのバランスドテンションシリーズもあるので、ぜひ試してみてくださいね。
ショートスケールのギターのメリット・デメリット
ショートスケールのギターはメリットが多いように見えますが、もちろんデメリットもあります。
メリット・デメリットの両方を知っておくと、購入後のトラブルを防いで楽器本来のサウンドや性能を楽しめるので、ぜひ把握しておきましょう。
次は、ショートスケールのギターのメリット・デメリットを紹介するので、ぜひ楽器選びの参考にしてみてくださいね。
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デメリット
チューニングが不安定
ショートスケールのギターは他のテンションが強いタイプと比べると、チューニングが不安定です。
これはハリの弱さが原因で、弦の伸びやセッティング不足などによるわずかなテンションの変化でも、大きく音程が狂ってしまいます。
力加減も難しく、強く押さえすぎてしまうと簡単に音程が上がってしまうでしょう。
通常のエレキギターよりも弾き方やセッティングへの配慮が必要なことが、ショートスケールのデメリットです。
選べるモデルが少ない
定番の弦長を採用したモデルと比べると、ショートスケールを採用したギターは圧倒的に数が少ないです。
ラインアップは、ムスタングやジャガー、デュオソニックのようなフェンダー系のモデルや、アンプ内蔵のトラベルギターが中心。
ショートスケールを採用した定番モデルもありますが、本数が少ないため楽器店や通販サイトで見かけることはめったに無いでしょう。
選択肢が少ないため、尖ったルックスのギターや有名モデルが欲しい人、細かなスペックにこだわりたい人には向いていません。
メリット
軽くて扱いやすい
ショートスケールのギターはネックが短く、ボディが小ぶりなモデルが多いです。
使用されているボディ材やネック材、個体差などりよりバラツキもありますが、全体がコンパクトなぶん重量も抑えられていますよ。
平均するとレスポールよりも1kg前後、ストラトキャスターなら軽量な個体と同じくらいか、さらに200gほど軽くなるでしょう。
力が弱い人でも扱いやすく、長時間の演奏や持ち運びにも疲れにくいのがショートスケールのメリットです。
手が小さい人でも弾きやすい
フレットの幅が狭いため、ショートスケールのギターは女性や手が小さい人でも弾きやすいです。
3弦の3、5、7フレットを押さえるようなストレッチフレーズも簡単で、ローコードCやBm、音の並びを変えた特殊なコードも快適に押さえられますよ。
指や手が大きい人は弾きにくさを感じてしまうため、日本人の平均よりも大きな人には不向きですが、定番ギターのフレットが広いと感じてしまう人にはおすすめです。
親指が使いやすい
ショートスケールのギターは握り込みやすい形状になっているため、親指を使って6弦を押さえる、ミュートするといったプレイもやりやすいです。
これは、ナット幅という「ネックの横幅や弦の間隔の広さに影響する幅」が、他のタイプより狭く設定されているため。
アコースティックギターと比べると4~5mmほど、ストラトやレスポールと比較すると2~3mm狭くなっていますよ。
フレット幅と同様に指が太い人は弾きづらいですが、指が細く小さい人には弾きやすい設計です。
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ショートスケールのギターおすすめ5選
特徴やメリット・デメリットを知ると、実際にどんなショートスケールのギターがあるのか気になってしまいますよね。
商品の種類こそ少ないですが、リーズナブルな価格帯で、サウンドやチューニングの安定性に優れた初心者向けのモデルもありますよ。
最後に、ショートスケールのおすすめエレキギターを人気モデルや、自宅練習にピッタリのアンプ内蔵タイプを中心に紹介します。
Fender / Duo-Sonic
「Duo-Sonic」は、1956年に学生向けのリーズナブルなモデルとしてFender社から発売されました。
現在でも多くのプレイヤーからした親しまれているショートスケールのギターです。
ストラトキャスターをサイズダウンしたような形状ですが、全体的に丸いデザインにすることでバランスの良いルックスに仕上がっています。
ブリッジはアームのない、安定性に優れたタイプを搭載。
ピックアップはシングル2つ、もしくはハムバッカーとシングルの組み合わせから選べるようになっていますよ。
ネックは握りやすい形状、指板表面のカーブは緩やかになっている弾きやすいギターです。
Fender エレキギター Player Duo Sonic™, Maple Fingerboard, Desert Sand
Photogenic / MG-200
Photogenicの「MG-200」は、ジャズマスターと同じ仕様のブリッジを搭載した、ムスタングのコピーモデルです。
ブリッジ以外は2つのシングルコイル、各ピックアップを個別に切り替えるスイッチ、ボリュームとトーンが1つずつと本家ムスタングと同じ仕様になっています。
価格は単体で2万円以下とリーズナブルで、アンプやチューナー、シールド、ソフトケース付きの初心者セットも2万円ほどで購入できますよ。
ムスタングのポップなルックスが好きな人、最初の1本はショートスケールのギターにしたい人におすすめです。
Squier / Vintage Modified Jaguar
グランジサウンドや、エモーショナルなロックを弾いてみたい人におすすめなのが「Vintage Modified Jaguar」です。
販売しているのはジャガーを開発したフェンダーの子会社・Squierで、ショートスケールや22フレット仕様の採用など、往年のジャガーをベースにした設計になっていますよ。
フェンダーが製造するジャガーは20万円以上の高価なモデルが多いですが、このギターはコストを押さえたお手頃な価格になっているのもポイント。
気軽にジャガーサウンドを楽しみたい人にピッタリのギターです。
Pignose / PGG-200
Pignoseが販売する、ポップなルックスのアンプ内蔵ギターが「PGG-200」です。
レスポールをミニサイズにしたようなデザインで、22フレットのショートスケール仕様になっています。
ブリッジは、テレキャスターと同じくテンションを稼げる裏通しタイプを採用し、安定したチューニングを実現。
程よい音量で、クリーン~ディストーションまで幅広いサウンドが出せる、自宅練習や外出先での練習にピッタリのギターです。
FERNANDES / ZO-3ST
「ZO-3ST」は、FERNANDESの大ヒットアンプ内蔵ギター「ZO-3(ぞうさん)」を、ストラトキャスター風のルックスにアレンジしたモデルです。
小柄なボディながらもフレット数は22で、トレモロユニットやシングルサイズのハムバッカーを搭載し本格的なロックの演奏にも対応。
もちろん、弦長はショートスケールとなっているので、演奏性にも優れています。
内蔵アンプは小型タイプなので、歪みサウンドや大きな音のクオリティは控えめですが、トラベルギターや自宅練習用としては十分な性能を持ったギターです。
ショートスケールのギターは初めての1本にも最適!手が小さくても力が弱くても弾きやすい
ショートスケールのギターは軽量で弾きやすいモデルが多いので、初めての1本にもピッタリです。
確かにデメリットもありますが、レギュラーゲージ以上の弦を張って、セッティングを丁寧にやるだけでも解消できますよ。
手が小さい人や、握力が弱いと悩んでいる女性にもおすすめなので、ぜひショートスケールのギターを手に取って、楽しいギターライフをスタートさせてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ショートスケールのギターは定番モデルよりもスケールが短い
- テンションが弱く、フレットの間隔が短いのがショートスケールのギターの特徴
- ショートスケールのギターにはチューニングが不安定、種類が少ないというデメリットがある
- 扱いやすさと演奏性の高さがショートスケールのギターの魅力
- ショートスケールのギターにはフェンダー系の人気モデルや、アンプ内蔵タイプなどがある