音楽をもっと良い音で楽しみたいと考える人から支持を集める、真空管アンプ。
導入を考えているけれど、どんな魅力があるのか、普通のアンプと何が違うのか分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
真空管アンプとは?
MARSHALL ( マーシャル ) / DSL1C ギターコンボアンプ
真空管アンプとは内部が真空状態になった電子パーツ「真空管」を搭載した、電気信号の増幅機器です。
音楽プレイヤーから送られてきた信号を受信し、真空管を使ってスピーカーで音を出力できるまで信号を増幅する構造になっているのが特徴。
現在では低コストで高性能なトランジスタ(半導体素子)が主流ですが、真空管ならではのサウンドが出せるため、オーディオファンを中心に根強い人気がありますよ。
特にジャズ喫茶や音楽カフェの上質な音が好きな人、音にこだわりたい人におすすめのアンプなので、気になる人は導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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真空管アンプの魅力って何?
トランジスタアンプが登場してもなお、真空管アンプを選ぶ人がいるのは、真空管を使っている機器にしかない独特な魅力があるからです。
機能面では他のアンプに劣る部分も多いですが、真空管の魅力はその差を埋めるほどの可能性を秘めていますよ。
次は、真空管アンプならではの魅力を紹介するので、導入を迷っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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柔らかく心地良い音
真空管アンプの魅力は、アナログならではの柔らかく心地良い音が楽しめることです。
設備のグレードや好みもありますが、真空管を使った音は独特な周波数特性や、豊富な倍音などを多く含んでいるので、心地良いと感じやすいと言われています。
また、ガラス管の中で音の反響が起こり、程よいエコーがかかることも柔らかさや心地良さに影響しているそう。
聴く人に柔らかさや心地良さを感じさせる、音楽的なサウンドを作りだしてくれるのが真空管アンプの魅力です。
音の違いが楽しめる
真空管を交換するだけで、音の変化を楽しめるのも真空管アンプの特徴です。
同じ型番でもメーカーによって違いがあるほか、製造年や種類などでも音が大きく変化します。
また、評判が良い真空管を使っても、アンプ本体との相性が悪いとイマイチな音になるという難しさも。
試行錯誤しながら理想の音を探す楽しみがあるのも、真空管アンプならではの魅力です。
デザインがおしゃれ
無骨なデザインのものが多いというイメージが強い音響機器ですが、真空管アンプにはおしゃれで、インテリアとしても使えるモデルがたくさんあります。
特に真空管が見える構造のものは、レトロ感のある個性的なデザインに仕上げられているので、どんなお部屋にも合わせやすいです。
また、内部が光る構造なので、ちょっとしたイルミネーションとして楽しめるのもポイント。
ほかにも、木を使った家具風のデザインや、機会的な雰囲気のものなど色々なデザインなど、見た目も音質も妥協したくない人が本気で楽しめるのが真空管アンプの魅力です。
真空管アンプとトランジスタアンプの違いは?
真空管アンプとトランジスタアンプには、構造以外の違いがたくさんあります。
主な違いは、こちら。
- 音質
- 出力
- ランニングコスト
音質に関しては好みや設備にもよりますが、トランジスタアンプのほうが全体のバランスが良く、重低音や高音などもクリアに出力してくれます。
対応できるジャンルも幅広いため、重低音が際立ったヘヴィメタルやEDMはもちろん、中クラシックやジャズなどの生楽器中心のジャンルも快適に楽しめるでしょう。
一方、真空管アンプは性能面では劣るもののレスポンスには優れ、音楽的な音を出せるため歌や楽器中心の音楽と特に相性が良いです。
出力に関してはトランジスタアンプのほうが高く、真空管の交換がないぶん、ランニングコストにおいてもトランジスタに軍配が上がります。
そのため、バランスの良さや性能面を重視する人には、トランジスタアンプのほうが向いていますよ。
逆に、使い勝手や機能性よりも、味わい深い音が欲しいなら真空管アンプがおすすめです。
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真空管アンプは自作できる?
真空管アンプの自作はパーツを揃えたり、自作キットを購入したりすれば可能です。
少し難易度が高いですが、電気関連の知識がある人やDIY好きなら楽しみながら製作できますよ。
また、好みの真空管や配線を用意して、自分好みの音に仕上げるという楽しみ方も。
しかし、時間や手間がかかるほか予算も高くなりがちなので、好きなモデルを購入したほうが手軽に楽しめるというデメリットもあります。
そのため、将来的に何台も自作したい、回路図を自由に書けるようになりたい人向きの楽しみ方だといえるでしょう。
プリメインアンプとセパレートアンプどちらがおすすめ?
プリメインアンプ | セパレートアンプ | |
---|---|---|
価格 | 比較的安い | 高い |
配線の難易度 | 簡単 | 難しい |
おすすめの人 | 音楽初心者 | 音楽上級者 |
真空管アンプには、プリメインアンプとセパレートアンプの2つの種類があります。
プリメインアンプとは音質の調整から信号の増幅を1台でこなすもの。
セパレートアンプとは音質の調整を行うプリアンプと、増幅の役割があるパワーアンプが別々になっているものです。
どちらも魅力的なアイテムですが、音楽初心者でオーディオの知識が少ない人なら1台で完結でき、価格も比較的安いプリメインアンプを選ぶと良いでしょう。
種類も豊富で、1台1台個性があるのでプリメインアンプだけでも十分に楽しめます。
より音にこだわりたいなら、組み合わせが自由に選べるセパレートアンプがおすすめです。
真空管アンプのおすすめの選び方は?
真空管アンプの魅力やタイプについて分かったけれど、選び方がイマイチ分からないという人も多いはず。
スペック表や説明文にも専門的な用語や数値がたくさん登場するので、不慣れだと判断が難しいですよね。
そこで次は、オーディオ初心者にもおすすめの真空管アンプの選び方を紹介するので、ぜひアンプ選びの参考にしてみてくださいね。
管の種類に注目して選ぶ
真空管アンプを選ぶときには、管の種類に注目するのがポイントです。
使われている真空管には大きく分けて「MT管」「GT管」「ST管」の3種類があり、それぞれに音質や出力が違っています。
先端がドラゴンクエストのスライムのような形状になった「MT管」定番タイプで、小型ながらもバランスの良いサウンドを持っていますよ。
シンプルな円柱型の「GT管」、電球型の「ST管」は出力が高く、真空管らしさが強調されたサウンドになっています。
スタンダードな音が好きなら「MT管」、出力や音色を重視するなら「GT管」や「ST管」を選ぶのがおすすめです。
出力数の大きさで選ぶ
音量の大まかな指標を表す出力数も、真空管アンプを選ぶときの重要なポイントです。
目安となるのが10Wで、狭い部屋で利用するなら10W以下、防音設備のある部屋や大きな部屋で使うなら10W以上を選びましょう。
より大音量で鳴らしたいなら、大きな真空管が4本以上付いた「プッシュプルアンプ」を中心に選ぶとピッタリの大出力モデルが見つかりますよ。
ハイレゾ対応の有無で選ぶ
音質にこだわりたいなら、ハイレゾ対応の有無も確認しましょう。
ハイレゾとは、CD以上の音質(96kHz/24bit、192kHz/24bit)を持った音楽データの規格で、より原音に近いサウンドが楽しめるのが特徴。
真空管アンプにもハイレゾ対応モデルがいくつか登場しており、高音質サウンドを温かみのある音で聴けるようになっています。
ハイレゾ音源やハイレゾCD、対応機器などを持っている、導入する予定がある人はぜひハイレゾ対応の有無もチェックしてみてくださいね。
真空管アンプのおすすめ7選!
真空管アンプの選び方を覚えたら、人気モデルをチェックして好みの1台を見つけましょう。
コンパクト設計の使いやすいものから、おしゃれなもの、多機能で高音質なモデル、個性的な機能を搭載した製品など色々な商品が揃っていますよ。
次は、真空管アンプのおすすめ商品を、お手頃価格のモデルからハイエンド機まで幅広く紹介します。
FX-AUDIO- / TUBE-01J 真空管プリアンプ
FX-AUDIO-の「TUBE-01J」は、お手頃価格ながらも本格的なサウンドが楽しめる真空管プリアンプです。
信頼性の高いMT管タイプを搭載したモデルで、内部パーツにもこだわった仕様になっています。
全面は電源とゲイン設定スイッチ、ボリュームノブ、背面には赤と白のRCAケーブル用の端子だけとシンプルな構造なので、音楽初心者でも簡単に使えますよ。
パワーアンプが別途必要なセパレートタイプ(プリアンプ)ですが、解像度が高く、低ノイズなサウンドが楽しめる真空管アンプです。
TOYOSO / Little Dot
トランジスタの出力と、真空管のサウンドを組み合わせたハイブリッドタイプのヘッドホン用真空管アンプがTOYOSOの「Little Dot」です。
リスニング向けに多い低インピーダンスのヘッドホンと相性が良い設計で、ヘッドホン端子とRCAの入力端子のみを備えたシンプルな構造になっています。
サイズは幅9.5cm、奥行16.5cmとコンパクトなので、設置が簡単なのもポイント。
ボディは金属製なので、耐久性も十分です。
ヘッドホンの音質をグレードアップしたい方にピッタリの使いやすい真空管アンプなので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
RFTLYS / 真空管アンプ(EA1A)
RFTLYSの「真空管アンプ(EA1A)」は、Bluetooth接続機能を備えた真空管アンプです。
Bluetooth入力機能を使えば、簡単に音楽プレーヤーやスマホ、PCとペアリングできるのが特徴。
接続後はランプが点灯し、デジタル音源を無線接続で再生してくれます。
また、使いやすいプリメインタイプで、定格出力電流は16Wとパワフルな仕様になっているのもポイント。
音楽配信サービスや、ダウンロードした音源を真空管サウンドで楽しみたい人にピッタリのモデルです。
TRIODE / Pearl プリメインアンプ
音質だけでなくデザイン性も重視したい人におすすめの真空管アンプが、日本のオーディオメーカーTRIODEが製造する「Pearl」です。
パールホワイトを基調としたおしゃれなデザインで、ブルーのLEDによる照明機能が付いています。
薄暗い部屋で使うと幻想的な光を放ってくれるので、リラックスタイムにもピッタリ。
出力は3W+3Wと普段使いには十分で、幅広い音域を丁寧に出力してくれるので快適に音楽を楽しめます。
幅19cm、奥行18cmと設置しやすいコンパクトなサイズ感の、おしゃれで高音質な真空管アンプです。
SoundArtist / 真空管アンプ(SA34A)
SoundArtistの「真空管アンプ(SA34A)」は、スタイリッシュで重厚感のあるデザインが印象的なパワーアンプです。
真空管らしいマイルドな高音域と、存在感のある中音域が楽しめるのが特徴。
出力は6W+6Wと控えめですが、狭い部屋で楽しむには十分な出力を備えています。
プリアンプとしての機能はないものの、真空管らしい温かみのあるサウンドが楽しめるパワーアンプです。
ORB / JADE Soleil
幅13cm、奥行と高さが17.1cmとコンパクトな設計ながらも、機能性や音質に優れたプリメインアンプが「JADE Soleil」です。
大阪のオーディオメーカーORBが製造している真空管アンプで、耐久性と音質に優れる真空管を搭載しています。
さらに、最新技術を導入したパーツを搭載し、低消費電力でバランスの良い音質を実現。
省スペースで設置できて、デザインや音質も良い真空管アンプが欲しい人におすすめの1台です。
LUXMAN / 真空管プリメインアンプLX-380
日本の老舗オーディオメーカーLUXMANが製造する、本格真空管アンプが「真空管プリメインアンプLX-380」です。
18W+18Wと大きな部屋でも使える出力を備えたモデルで、真空管らしいツヤのあるサウンドが楽しめます。
ボリューム回路に独自のシステムを組み込み、音量操作による音質劣化や左右差などを抑えているのもポイント。
入出力端子や音質を調整するスイッチなども豊富に搭載するなど、機能性も追求されています。
価格は高めですが、本格サウンドを楽しみたい人にピッタリの真空管アンプです。
真空管アンプを使うときの注意点は?
真空管アンプは内部に発熱する真空管を搭載した特殊な構造を持つため、使うときの注意点もいくつかあります。
代表的なものは以下の3つ。
- 水平で放熱しやすい場所に置く
- 電源を入れたらしばらく放置する
- 再生機器をオフにしてから電源を切る
置き場所に関しては、真空管の熱による内部の故障や金属の変形などのトラブルを防止するために、水平で放熱しやすい場所に置くのが基本です。
横向きに置いたり、熱がこもりやすいラックの中に置いてしまうと故障の原因になる可能性があるので、できるだけ避けましょう。
また、電源のオンオフのタイミングは、真空管に負担をかける使い方をしやすいので注意が必要です。
オンにしたあとは真空管が温まるまで2~3分ほど待つ、オフにするときは再生機器を先に切り音が入力されていない状態にするのがベスト。
手間に感じてしまうかもしれませんが、この2つを意識するだけでも真空管への負担を減らせますよ。
近年のモデルは耐久性が高いものも多いため、神経質になる必要はありませんが注意点を意識して使ったほうがトラブルも少く、長く良い音を楽しめます。
真空管アンプは自作するよりメーカーで購入するのがおすすめ!サウンドの違いを楽しもう
マイルドで楽器や歌がキレイに聴こえる、音楽的なサウンドが真空管アンプの魅力です。
トランジスタアンプよりも耐久性や性能などは劣りますが、その差を埋めるほどの素敵なサウンドが楽しめますよ。
真空管を交換すれば、サウンドの違いも楽しめる設計になっているのもポイント。
まずは、有名メーカーの人気モデルや、評判のモデルを導入して独特なサウンドを楽しんでみましょう。
自作に関してはある程度の知識が必要で、手間や費用がかかるため電気系のDIYが好き、回路図の読み方やオーディオ機器の作り方をマスターしたい人におすすめです。
この記事のまとめ!
- 真空管アンプとは、内部に真空管を組み込んだ音響機器
- カスタマイズ性の高さと、音楽的な音質が真空管アンプの魅力
- 真空管アンプとトランジスタアンプは構造だけでなく、音質や出力なども違っている
- 手軽に真空管アンプのサウンドを楽しみたいなら、自作よりもメーカー品がおすすめ
- 真空管アンプは管の種類や出力に注目して選ぼう