セッションや練習用の機材として人気の「コンボアンプ」。
購入を考えているけれど、どんな機材なのかや、選び方が分からないので購入に踏み切れないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
- 1 そもそもギターアンプとは?
- 2 コンボアンプとは?
- 3 真空管アンプとトランジスタアンプの違いと特徴
- 4 ギター用コンボアンプの選び方
- 5 ギター用のコンボアンプおすすめ10選
- 5.1 VOX(ヴォックス) Pathfinder 10
- 5.2 VOX(ヴォックス) VX50 GTV
- 5.3 VOX(ヴォックス) VX15 GT
- 5.4 MARSHALL( マーシャル ) MG30FX
- 5.5 MARSHALL( マーシャル ) ORIGIN20C
- 5.6 MARSHALL( マーシャル ) MS2 Mighty Mini
- 5.7 YAMAHA(ヤマハ) THR5 V.2
- 5.8 Hughes&Kettner(ヒュースアンドケトナー) EDITION BLUE 15DFX
- 5.9 Fender(フェンダー) MUSTANG™ LT40S
- 5.10 ROLAND ( ローランド ) JC-40
- 6 コンボアンプを使ってみよう!ギターに合わせたアンプ選びを
そもそもギターアンプとは?
ギターアンプとはエレキギターから送られてきた電気信号を増幅・調節し、ギターらしい音として出力する機材のことです。
音質を調節するプリアンプ、増幅するパワーアンプ、音を出力するスピーカーの3つから構成されているのが特徴。
オーディオ機器ではそれぞれを別のものと考えることが多いですが、ギター用では区別せず3つをまとめて「アンプ」と呼びますよ。
原音に忠実な音を目指すオーディオ機器とは違い、ギターが得意とする音域やメーカーらしさなどを際立たせたチューニングになっているのも特徴の1つ。
「楽器の一部」と言われるほど重要度の高い機材なので、自分好みの音で練習や演奏を楽しみたいなら、ぜひこだわって選んでみましょう。
コンボアンプとは?
コンボアンプとは、ギターアンプの1種です。
2段で1セットの「スタックアンプ」と対をなす存在で、実際の演奏ではサウンドの好みや機材、用途によって使い分けられていますよ。
次は、コンボアンプの特徴やメリット、スタックアンプとの違いを紹介します。
どんな機材かいまひとつイメージできないという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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コンボアンプの特徴
プリアンプとパワーアンプ、スピーカーの3つを一体化した構造になっているのが「コンボアンプ」です。
スタックアンプと比べると小型で低出力なモデルが多いのが特徴。
そのため、ライブスペースでの演奏やカフェライブなどに使われることが多いです。
自宅練習用のモデルが多いのも特徴で、最近では高音質かつ色々なサウンドが楽しめるモデルも多数登場していますよ。
ロックバンドのライブではあまり使われませんが、小規模なライブや自宅練習には大活躍のタイプです。
コンボアンプのメリット
コンボアンプのメリットは、なんといっても持ち運びが楽なことです。
ライブ向けのモデルもスタックアンプと比べると小さいほか、コンパクトな設計のモデルも多いので気軽に持ち運べます。
小型なモデルであれば、片手で簡単に運搬できるのもポイントです。
また、比較的リーズナブルなモデルが多いのもメリットといえるでしょう。
スタックアンプとの違い
スタックアンプとコンボアンプには、さまざまな違いがあります。
主な違いは構造で、スタックアンプは増幅・調整を行うヘッドと、音を出すキャビネット(スピーカー)が分かれた構造になっています。
構造的にアンプ部分の放熱性を確保しやすいので、そのぶん高出力で高耐久なモデルが多いです。
キャビネットに関しても、コンボアンプのように放熱用の通気口を設ける必要がないため、低音がタイトに響く傾向がありますよ。
また、キャビネットとヘッドの組み合わせが自由に選べるのもスタックタイプの特徴の1つです。
しかし、高出力・大音量なモデルが多いため自宅練習や小規模なライブでは使いにくい、価格が高いので気軽に購入できないといったデメリットも。
耐久性や音響面ではスタックアンプのほうがメリットが多いですが、スタジオ練習やライブ以外ではコンボタイプのほうが使いやすいと覚えておきましょう。
真空管アンプとトランジスタアンプの違いと特徴
ギター用のコンボアンプアンプには、真空管アンプとトランジスタアンプの2種類があります。
エレキギターからの信号を増幅するという役割は同じですが、それぞれに違ったメリットがあるほか、サウンドも異なるなど色々な違いがありますよ。
この違いを知っておくだけでも、コンボアンプや機材を選ぶときに役立つのでぜひ覚えておきましょう。
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真空管アンプ
「真空管アンプ」はプリアンプとパワーアンプ部分に、真空管という電球のようなルックスの電子部品を使用したタイプです。
チューブアンプとも呼ばれるタイプで、60年以上の歴史がありながらも今なお愛され続けています。
特徴は自然で心地良い倍音を含んだ、温かみのあるサウンド。
歪み成分の少なさや解像度、耐久性に関してはイマイチですが、唯一無二のサウンドが楽しめるほか、レスポンスも良いので表現力を重視する人は要チェックです。
コンボタイプの代表的なモデルはVOX(ヴォックス)の「AC30」、Fender(フェンダー)の「Twin Reverb」「Deluxe Reverb」など。
どれも練習スタジオに置いてあることが多い定番機種なので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
トランジスタアンプ
音の増幅に「トランジスタ(半導体素子)」を使っているのが「トランジスタアンプ」です。
Roland(ローランド)の「JC-120」が有名なタイプで、真空管ギターアンプよりもリーズナブルな価格ながらも耐久性が高く、音響的な性能にも優れているのが特徴。
特に周波数や音域については、真空管のように一部がカットされるという現象も発生しないので、バランスの良いサウンドを出力してくれます。
しかし、ストレートにサウンドを出力するぶん、機械的なやや硬い音になってしまうのはデメリットといえるでしょう。
エフェクトの乗りや機能性、コスパはバツグンなので、気軽に購入できる使いやすいコンボアンプが欲しい人は要チェックです。
ギター用コンボアンプの選び方
コンボアンプの特徴や各タイプの特性の次は、選び方のポイントをチェックしていきましょう。
一見するとどれも似たような形をしていますが、実はモデルによってサウンドや機能性に大きな違いがあります。
そのため、自分好みの1台を見つけたいのなら、選び方を意識して用途や好みにマッチしているかをしっかり確認する必要がありますよ。
次は、ギター用コンボアンプの選び方を紹介します。
使用するシチュエーションで選ぶ
ギター用コンボアンプは、使用するシチュエーションにマッチしたものを選びましょう。
シチュエーションにマッチしているかを考えて選べば、音量が大きすぎた・小さすぎた、思うように使えなかったというトラブルも未然に防げますよ。
自宅練習に使う場合は、ドライブ・クリーンの切り替え機能やヘッドホン端子などを備えた小型アンプ。
DAWを使ったレコーディングに興味がある、フレーズを録音したいならUSB接続に対応したモデルがおすすめです。
小規模な会場でのライブや路上ライブに使いたいなら音質が良く、ある程度の大きな音が出せるモデルを選ぶと快適に使えるでしょう。
アンプのキャパシティで選ぶ
アンプのパワーや音量も、ギター用コンボアンプを選ぶときの重要なポイントです。
パワーや音量感は出力に関する「W(ワット)」の数値で大まかに確認できます。
10W以下なら自宅練習に丁度いい音量、10W〜30Wほどであればカフェやバーでのライブ、サックスやピアノとの共演なら十分に対応できるでしょう。
50W〜100Wであればロック系のスタジオ練習やドラムとの共演、ライブにも対応できるパワーを備えていますよ。
特に、真空管アンプはある程度音量を出さないと上質な歪みにならないので、必要な音量とW数をしっかり確認して選びましょう。
ギターの種類や相性で選ぶ
よりサウンドにこだわりたいなら、手持ちのギターとの相性やサウンドの好みも意識してみましょう。
一言にコンボアンプといっても、色々なサウンドのものがあります。
Fenderのアンプのようにきらびやかなトーン〜ジャジーなトーンまで楽しめるものから、VOXのような独特な箱鳴り感や中高域の響きが楽しめるモデルまで特徴もさまざま。
なかには、Hughes&Kettner(ヒュースアンドケトナー)やMesa Boogie(メザブギー)、Marshall(マーシャル)などが手掛ける、ロックやメタルにピッタリの商品もありますよ。
それぞれに魅力があるので、ぜひ手持ちのギターのサウンドや演奏スタイル、好みを考えながら選んでみてくださいね。
持ち運びのしやすさで選ぶ
バンドメンバーや友人の家に持っていきたい、楽器用アンプのない施設でリハをする予定であれば持ち運びのしやすさも要チェックです。
必要な音量によっても変わりますが、徒歩での運搬を考えているなら片手で持てるサイズ・重量のものや、カバンの中に収納できるものがおすすめ。
自転車移動がメインなら、カゴに収まるサイズ感のものを選ぶと良いでしょう。
また、定番モデルの中には専用のケースが販売されているものもあるので、より手軽に持ち運びたい、水濡れや衝撃への対策もしたいならそちらも要チェックです。
ギター用のコンボアンプおすすめ10選
選び方をチェックしたら、実際にどんなモデルが販売されているのか、人気があるのか気になってしまうものですよね。
ギター用コンボアンプには有名メーカーならではのサウンドの商品から、1台で色々な音が出せる多機能モデルまで幅広い商品が揃っていますよ。
それぞれが魅力的な商品なので、自身の用途や好みと照らし合わせながらお気に入りの1台を見つけてみましょう。
VOX(ヴォックス) Pathfinder 10
「Pathfinder 10」はVOXの自宅練習用コンボアンプのベストセラーモデルです。
幅38cm、高さ26cmのコンパクトな設計のモデルで、出力は練習用としては十分な10W仕様になっています。
リーズナブルな価格ながらもVOXらしいデザイン、上質なクリーントーンを実現しているのもポイント。
チャンネルを切り替えればしっかりと歪むので、ロック系のフレーズや曲の練習も快適に楽しめるでしょう。
VOX(ヴォックス) VX50 GTV
「VX50 GTV」は最新技術を盛り込んで作られた、高性能な真空管アンプです。
VOXのアンプモデリング技術「VET」を導入することでVOXの名器はもちろん、FenderやMarshall、MESA BOOGIEの定番モデルのサウンドもリアルに再現しています。
コンパクトで高耐久な次世代真空管「Nutube」の搭載により、真空管らしい音楽的なサウンドを実現しているのも魅力の1つ。
加えて、エフェクトも8種類搭載しているほか、出力を0〜50Wの間で可変させるPOWER LEVELツマミやUSB端子など便利な機能も多数搭載していますよ。
幅35.4cm、高さ31.3cm、重量4.1kgと携帯性に優れた設計になっているのも魅力の人気コンボアンプです。
VOX(ヴォックス) VX15 GT
VOXの「VX15 GT」は「VX50 GTV」の機能を、よりシンプルにしたコンボアンプです。
USB接続機能や真空管は非搭載なほか、出力も15Wと控えめになっていますが、アンプモデリング技術「VET」を搭載しているのでリアルなサウンドを楽しめます。
エフェクトも8種搭載しているほか、POWER LEVELツマミやヘッドホン端子も標準搭載しているので自宅練習も快適。
「VX50 GTV」の半額近い価格で購入できるのもポイントの、コスパに優れたコンボアンプです。
MARSHALL( マーシャル ) MG30FX
上質なドライブサウンドを気軽に楽しみたい、Marshallらしいハリのある音が好きな人にピッタリのコンボアンプが「MG30FX」です。
こちらは30W仕様のモデルで、トランジスタながらも真空管を搭載したスタックのMarshallをイメージさせるサウンドに仕上げられています。
これ1台でブルースやロックにピッタリのドライブサウンドからメタル系のヘヴィなサウンド、きらびやかなクリーンまで幅広いサウンドが楽しめるのもポイント。
コーラスやフェイザー、ディレイ、リバーブといった定番エフェクトやヘッドホン端子も搭載した、自宅練習にピッタリのモデルです。
MARSHALL( マーシャル ) ORIGIN20C
MARSHALLの「ORIGIN20C」は真空管ならではの、メロウな響きが楽しめる20W出力のコンボアンプです。
Fenderの名器をイメージさせる自然なクリーントーン、中音域が際立った太いオーバードライブサウンドが楽しめるヴィンテージライクな仕上がり。
加えて空間系エフェクターをつなぐときに便利なセンドアンドリターンも搭載するなど、スタジオ練習やライブに向きの仕様になっていますよ。
深く歪まないほか、エフェクトも非搭載と機能面は控えめですが、上質なトーンを楽しめるコンボアンプが欲しい人は要チェックの1台です。
MARSHALL( マーシャル ) MS2 Mighty Mini
「MS2 Mighty Mini」はMARSHALLのスタックアンプをイメージさせる、個性的なルックスが目を引くミニアンプです。
1W出力の小さなアンプのため低音の響きはイマイチですが、Marshallをイメージさせるハリのあるサウンドをしっかりと楽しめますよ。
電池で駆動するので、アウトドアのお供にもピッタリ。
机の上に置けばロックなインテリアとしても使える、ユニークなギターアンプです。
MARSHALL( マーシャル ) MS2 Mighty Mini
YAMAHA(ヤマハ) THR5 V.2
自宅練習のサウンドも妥協したくないという人におすすめのコンボアンプが、YAMAHAの「THR5 V.2」です。
YAMAHAの技術を導入することでトランジスタ仕様ながらも、真空管アンプのような反応性を実現しています。
YAMAHAならではの上質なサウンドに仕上げられているほか、チャンネルを切り替えればクリーンからハイゲインまで幅広いサウンドを楽しめますよ。
フェイザーやコーラス、リバーブ、ディレイといったエフェクトも標準搭載。
チューナー機能やUSB接続機能も備えた、多機能で高音質な自宅練習用アンプです。
Hughes&Kettner(ヒュースアンドケトナー) EDITION BLUE 15DFX
「EDITION BLUE 15DFX」は自宅練習用の低出力モデルという位置づけながらも、Hughes&Kettnerらしさを感じさせる仕上がりになったコンボアンプです。
特にディストーション系のハードなサウンドは上質かつ、きめ細かな音に仕上げられているのでヘヴィなリフやロックなソロも快適に演奏できるでしょう。
4種のエフェクトとクリーン・ドライブチャンネルを組み合わせることで、ギター用エフェクター無しでも多彩なサウンドが楽しめるのもポイント。
Hughes&Kettnerのヘッドアンプと同様に、ツマミ部分のパネルが青く光る設計になっているのも魅力の1つです。
Fender(フェンダー) MUSTANG™ LT40S
Fenderの「MUSTANG™ LT40S」は、1台で色々なギターアンプのサウンドが楽しめる自宅練習や小さなハコでのライブにピッタリのコンボアンプです。
幅36.5 cm、高さ20.4 cmとコンパクトな設計ながらも、モデリングアンプを20種類搭載しているのが特徴。
その内容もFenderの定番モデルから、MarshallやVOXなどの有名メーカーのもの、EVHの5150のような個性的なものまでと幅広いので、これ1台で色々なサウンドを楽しめます。
エフェクトを25種類と豊富に搭載しているのも特徴の1つ。
40Wのパワフルなサウンドとクロマチックチューナー、PCとの接続機能も備えた、多機能で多彩なサウンドが楽しめるコンボアンプです。
ROLAND ( ローランド ) JC-40
音楽スタジオの定番モデルJC-120譲りの、上質なクリーントーンが楽しめるトランジスタタイプのコンボアンプが「JC-40」です。
JC-120を小型化したモデルという位置づけですが、単体でもオーバードライブほどまで歪ませられるようになっているなど、部分的な変更が加えられていますよ。
ステレオ入力にも対応しているので、ディレイやリバーブをステレオ出力で楽しみたいという人にもおすすめです。
コンボアンプを使ってみよう!ギターに合わせたアンプ選びを
自宅練習はもちろん、出力によっては小規模なハコでのライブやリハーサルにも対応できる魅力的な機材「コンボアンプ」。
気軽に購入できる自分専用のギターアンプが欲しい人は、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
取り回しに優れるのはもちろん、セッティング次第で上質なドライブサウンドやクリーントーンも十分に楽しめますよ。
まずは、自身のスタイルや手持ちのギター、好み、用途などを考えながらお気に入りの1台を見つけてみましょう。
お気に入りが見つかったら、ぜひ手に入れて毎日のギターライフを快適なものにしてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ギターアンプとはエレキギターの音を増幅する機材のこと
- 音の増幅・調整を行うアンプと、音を出すスピーカーが一体となったものがコンボアンプ
- コンボアンプには個性的な音が楽しめる真空管アンプ、耐久性や機能性に優れたトランジスタアンプの2種類がある
- 用途や好みとアンプのスペックを比べながら選べば、自分好みのコンボアンプが見つかる
- シンプルで高音質なものから、多機能モデルまで色々なコンボアンプ販売されている