アコギやエレキを演奏する上で、避けては通れないテク「ミュート」。
大切だと思うけど、やり方が分からないので特に練習はしていないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
ギターのミュートとは?
ミュートとは、ギター演奏に欠かせない重要テクニックです。
日本語に変換すると「消音」というシンプルな言葉になりますが、部分的な消音やノイズ対策、音質の変化など色々な役割を持っていますよ。
はじめに、ギターのミュートの特徴や種類について紹介するので、どんなテクニックか知りたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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不要な音を鳴らさないためのテクニック
ミュートとは不要な音を鳴らさないためのテクニックです。
もともとギターは、指で弦を押さえなくても音が出せるという特殊な構造を持っています。
この構造には独特な音が出せるというメリットもありますが、複数の弦をストロークすると不要な音が鳴ってしまい、不協和音が際立った音になるというデメリットもありますよ。
さらに、アンプで音を増幅するエレキギターの場合は、単音弾きでもノイズが出てしまい何を弾いているか分からなくなる可能性も。
このような、コートや単音に不要な音を「消音」しクリアで音楽的なサウンドを作り出してくれるのがミュートです。
音を止める・切るときにも活躍
音を完全に止めたいとき、短く切ってタイトなサウンドにしたいときにもミュートは大活躍です。
止める・切るというと地味なイメージがありますが、音の長さとリズムを意識して行うだけでもグルーブ感のある素敵な演奏ができるようになりますよ。
また、音の伸びを抑える「ブリッジミュート」、パーカッシブな音を出す「ブラッシング」といった定番テクニックの基本動作が一緒に学べるのもポイント。
グルーブ感を演出してくれるだけでなく、音色の幅も広げてくれるのがミュートの魅力です。
ギターのミュートのやり方【基本編】
特徴や種類を把握したら、左手の指を使ったギターのミュートのやり方をチェックしていきましょう。
どれもコード弾きから単音弾きまで、幅広く使えるものばかりなので、左手のパターンをマスターするだけでもノイズが少ない、クリアな音を奏でられるようになりますよ。
次は、ギターのミュートの基本となる、左手の指を使ったやり方を紹介します。
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指の側面や腹を使う
高音側の弦を幅広くカバーできるのが、指の側面や腹を使ったミュートです。
シンプルながらもパワーコードや単音弾きから、難しいコードまで幅広く対応できるのでギター演奏でも頻繁に使われます。
やり方はコードと同じ感覚で指を置き、音を出す場所以外を軽く浮かせるだけ。
音を出したい弦以外を弾いて「プツッ」という音が出れば、側面と腹を使ったミュートは完成です。
6弦開放を使ったEのパワーコードで練習すると感覚を掴みやすいので、ぜひ練習してみてくださいね。
コードに合わせて指先も使う
コードに合わせて指先を使うと、より丁寧にミュートできるのでおすすめです。
こちらの図はバレーコードと、中指でルートを押さえたフォームで、どちらも指先を6弦に触れさせています。
側面や腹を使う方法よりも効果が薄そうに見えますが、しっかりと振動を抑えてくれますよ。
ポイントは指先と爪の間の箇所を当て、指のやや腹側でルートを押さえること。
単音弾きでもよく使うミュートなので、コード弾きとソロの両方をやってみたい人はぜひマスターしておきましょう。
余った指は低音弦のミュートに使う
指先や腹を使う方法に慣れたら、余った指を使う低音弦のミュートにも挑戦してみましょう。
特によく使うのは、5弦や4弦にルートがくるパワーコードを弾くとき。
このときに、中指や薬指を低音弦に触れさせておけば、多少ワイルドに弾いてもキレイに響きます。
また、指板の丸みが強いギターを使っている、指の長さに自信があるなら親指を使った方法にも慣れておくと、オープンコードや省略コードが弾きやすくなりますよ。
スタイルや押さえ方によっては使えない場合もありますが、覚えておくと便利なミュート方法です。
ギターのミュートのやり方【カッティング編】
ブラッシングや音を短く切るスタイルが好きな人は、カッティング向けのミュートも覚えておきましょう。
カッティング向けといってもシンプルなものばかりなので、ギターの基本をマスターしている人なら簡単に習得できますよ。
基本編の次は、左手ミュートのバリエーションを増やしてくれる、カッティング向けのミュートを紹介します。
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指を軽く浮かせる
カッティングのミュートはコードフォームを保ったまま、数ミリほど指を浮かせるのが基本です。
特に、ブラッシングとコードを交えながら弾くときに活躍する方法で、力の入れ具合で簡単に音程の有無を切り替えられますよ。
慣れるまでは難しいですが、遅めのテンポで練習すれば自由に切り替えられるようになるので試してみてくださいね。
強いミュートは複数の指でも
強めのミュートをかけたいなら、左手の指を2本〜4本使う方法がおすすめです。
4本の指と親指でネックを軽く挟み込むだけとシンプルな方法ですが、指の数が多いのでより強いミュートがかけられるのが特徴。
また、5フレットや7フレットの真上に指を置いたときに出る「ハーモニクス」をカットできるというメリットもありますよ。
アコースティックギターでブラッシングを強調した演奏をするとき、歪ませたエレキでカッティングするときに役立つテクニックです。
ギターのミュートのやり方【右手編】
音の伸びやノイズを抑える、短く切るときに活躍するのが右手のミュートです。
もちろん、左手だけでも十分なケースも多いですが、右手を使うパターンも覚えれば、より幅広い曲に対応できるようになりますよ。
次は、エレキとアコギの両方で使える右手ミュートを紹介するので、色々な曲をギターで弾いてみたい人はぜひマスターしてみてくださいね。
手の側面を当てる
右手のミュートは、手の側面(手刀部分)を使うのが基本です。
不要な音を減らすというよりも、ノイズを減らす・音色を変えるのが主な役割で、左手のサポートとして使われています。
ブリッジのサドルの近くに手の側面を当てるのが基本で、実際に弦を弾いて伸びのない音が出たら完成です。
ブリッジミュートを弾くときはもちろん、単音弾きの際に出る低音弦のノイズもカットできるミュート方法なので、エレキを弾く人はぜひ覚えておきましょう。
短く切るならピック
ピックを使うミュートは、スタッカート風に音を短く切りたいときに便利です。
やり方はシンプルで、音を出した後に好みのタイミングでピックを弦に密着させるだけ。
アコギの指弾きスタイルなら、弾いた直後に指を当てるだけで簡単に音を短く切ることができますよ。
タイトな雰囲気を出せるだけでなく、チョーキングと組み合わせればエモさも演出できるので、単音弾きが好きな人はぜひマスターしてみてくださいね。
ギターミュートの練習におすすめのフレーズ
ギターのミュート方法を確実にマスターしたい人におすすめなのが、練習用のフレーズを使ったエクササイズです。
もちろん、好きな曲を使った練習方法もおすすめですが、短いフレーズで基礎固めをしておくと曲の練習もスムーズになりますよ。
次は、ギターのミュートの練習フレーズをシンプルなものから、少し難易度が高いものまで幅広く紹介します。
基本を覚えるときのフレーズ
左手を使った、基本のミュートをマスターしたい人におすすめの練習フレーズがこちらです。
最初のCコードでは人指し指の先を使ったもの、Amでは親指、Dmでは中指の先を使ったミュートが練習できます。
また、Gコード上では普通のストロークと同じように弾けば、人指し指の側面・腹を使ったパターンが練習できるようになっていますよ。
アコギとエレキのどちらを使っても楽しめるフレーズなので、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。
パワーコードを使ったロックなフレーズ
こちらは、パワーコードを中心としたロックな雰囲気の練習フレーズです。
側面や腹、指先を使った定番ミュートはもちろん、6弦に余った指を当てるパターンも練習できるようになっていますよ。
また、単音で刻むところはブリッジミュートをかけると、よりロック感の強いフレーズになるのもポイント。
歪ませたエレキで弾くと気持ち良いフレーズなので、ロックやパンク好きに特におすすめです。
16分音符を中心のカッティングフレーズ
ブラッシングを使ったフレーズが好きな人は、カッティングフレーズも練習してみましょう。
E9を使ったファンクの定番パターンで、TAB譜は上記の通りです。
ポイントはE9のフォームを意識してハーモニクス対策をする、ブラッシングは3弦〜1弦を狙ってスピーディーに弾くの2点。
基本フレーズやパワーコードと比べると難易度は高めですが、アコギやエレキでリズミカルなプレイをしたい人はぜひ挑戦してみましょう。
ファンキーな単音カッティング
ミュートの完成度を上げたい人におすすめなのが、単音カッティングを使ったフレーズです。
一見簡単そうに見えますが、全ての音をストロークのように腕を振りながら弾く必要があるので、難易度も少し高めになっています。
演奏のポイントは左手ミュートをフル活用しながら、3本〜4本の弦を狙って確実に指やピックを当てること。
パーカッシブで勢いのある音が出せればバッチリなので、気になる人はぜひ挑戦してみてくださいね。
ギターのミュートがうまくできない・音が出る場合の対処法
ミュートの練習を頑張ってみたけどうまくできない、不要な音が出てしまうという人も多いはず。
もともと、慣れが大きく影響するテクニックですが、どう頑張ってもできないときには一度冷静になって対処法を実践しましょう。
最後に、ギターのミュートがうまくできない、音が出る場合の対処法を紹介します。
左手のフォームを見直す
ギターのミュートがうまくできない場合は、基本の左手のフォームを見直してみましょう。
弦を押さえていないか、指が触れているかをチェックするだけでも改善できる可能性があります。
加えて、ハーモニクスが出やすいポイントかどうか、手に負担がかかる不自然な押さえ方になっているかを確認すると原因が見つかるでしょう。
指の長さや指の形は人それぞれなので色々と工夫して、演奏しやすいフォームを見つけてみてくださいね。
ピッキングを工夫する
ミュートしたい弦に指が届かない、コード弾きでブラッシング音が際立つという場合にはピッキングを工夫するのがおすすめです。
具体的には「当てる場所を必要最小限にする」「ピックや手の振り幅を控えめにする」といった工夫が効果的。
併せて、ピックや指を狙った場所に当てる練習をすればキレイな音を出せるようになりますよ。
クリアなトーンで演奏するためには、ピック・指の当て方とミュートの両方が必要だと覚えておきましょう。
機材や小物を使ってみる
タッピングや逆アングルを中心とした特殊なスタイルの人、ミュートが難しくてギターの練習を楽しめないという人におすすめなのが、機材や小物を使ったミュートです。
ギター用ミュートグッズ(FRETWRAPなど)やヘアバンドをナット付近に取り付けるだけとシンプルな方法ですが、演奏時のノイズを大幅に軽減できますよ。
よりギターを快適に演奏したい、フレーズやコードの練習に集中したい人はぜひ試してみてくださいね。
ギターミュートはアコギとエレキの必須テクニック!確実にマスターしてクリアな音を奏でよう
ミュートはアコギとエレキ、どちらのギターを弾くときにも必須となるテクニックです。
演奏のクオリティにも直結するものなので音を出すのと同じ、もしくはそれ以上気を配って弾くようにするとギターサウンドもよりカッコよくなりますよ。
まずは1つずつ、確実に弾けるように練習するところからはじめましょう。
慣れてきたら、練習フレーズや練習曲、好きな曲をどんどん演奏して、クリアな音を楽しんでみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ギターのミュートとは不要な弦を消音したり、音を切ったりするテクニック
- 左手のミュートは、アコギとエレキの両方で使えるような汎用性の高いものが多い
- 右手ミュートはエレキのノイズ対策やブリッジミュートをするときに活躍する
- ミュートを確実にマスターしたいなら練習フレーズを弾くのがおすすめ
- うまくできない場合は、右手や左手のフォームを確認してみよう