エレキギターを弾く時、ギター本体を「アンプ」「エフェクター」「チューナー」などに繋いで音を出すためには、シールドが必要不可欠です。
シールドは安価なものから高価なものまでさまざまな種類があるため、自分に合ったシールドを見つけてみてくださいね。
ココがおすすめ
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この記事のもくじ
ギターシールドとは
ギターシールドとは、エレキギターなどの弦楽器とアンプやエフェクターなどをつなぐための機材です。
ギターのボディ中央にある「ピックアップ」という部品で弦振動を拾い、電気信号がシールドを通してアンプなどに届きます。
この電気信号は微弱であり、外部ノイズの影響を受けやすいため、シールド内部には信号の劣化を防ぐ網線が通っています。
ギターシールドの種類と選び方
ギターシールドには長さ、パーツ、素材などの違いでさまざまな種類、価格帯のものがあります。
そのため、初心者は自分に合うシールドの選び方が分からないという人も多いと思います。
長さ
「長さ」はシールドを選ぶ時の重要なスペックです。
自宅練習などで使うなら3m、ライブやスタジオでも使うなら5mが動けて、長すぎないちょうど良い長さといえます。
ライブで激しく動くパフォーマンスをしたり、広い会場で演奏するなら演奏中に抜けないよう7~10mのものを選ぶのが良いでしょう。
シールドは長くなるほど音が劣化しやすくなるので、初心者には3~5mあたりがおすすめですよ。
プラグの形状
シールド先端の差し込む部分である「プラグ」は2種類の形状があり、ギターの形や種類によって使い分ける必要があります。
自分のギターの合ったものを選びましょう。
ストレート型プラグ
プラグの形がストレートになっているスタンダードなタイプの「ストレート型」は、ストラトキャスターなどのジャック(差込口)がボディに陥没した形でついているギターにおすすめのプラグです。
レスポール、テレキャスター、ES-335など、ジャックがボディに平らについているギターにも使えますが、プラグが飛び出す形になるため演奏の邪魔になったり、プラグの付け根に負荷がかかることがあります。
L字型プラグ
プラグがL字に曲がっている「L字型」は、ボディの側面にジャックがあるギターや、狭いエフェクターボード内にケーブルを通す時に使いやすいです。
ジャックがボディに陥没しているタイプのギターは、まれにL型が差せないことがあるので注意しましょう。
シールドにはS&S型、S&L型、L&L型の3種類のプラグの組み合わせがあり、使用環境や使っているギターに合うものを選ぶことが大切です。
耐久性
シールドは劣化しやすい消耗品です。そのため、耐久性の低いものを使っているとすぐに断線してしまう可能性があります。
固い素材で太いシールドの方が、折り曲げ耐性が高く断線にも強いですが、その分柔軟性の面で劣ります。
お金に余裕がある人は予備のシールドを用意しておくことをおすすめします。
また、練習用・ライブ用など、用途別に使い分けると劣化を抑えることができますよ。
音域
シールドには音を良くする機能はありませんが、シールドごとに得意な音域があります。
例えば「中低域の減衰が少なく音が太く感じるシールド」や「高音域が強く出て歯切れの良い音が出るシールド」など、それぞれに特徴があるのです。
初心者はそこまで気にする必要はありませんが、慣れてくるとシールドにもこだわりを持つようになるでしょう。
ギターシールド豆知識
ギター関連機材には上級者でも見落としがちなさまざまな知識があり、知っておくと機材トラブルを減らすことができたり、周りの人の教えてあげることもできますよ。
シールドは向きがある
基本的にシールドは向きに関係なく音を出すことが可能なのですが、実は正しい向きがあるのです。
見分け方はケーブルに印字されているメーカー名や型番を読む方向に沿ってギターからアンプへと繋ぐのが正しい向きになります。
逆向きに繋いで機材に悪影響があるという訳ではありませんが、正しい向きがあるということを覚えておきましょう。
ギターシールドの寿命
シールドの寿命は使い方によって変わります。断線しない限りは音が出るので、丁寧に使うことで寿命を伸ばすことができますよ。
断線を避けるためには、シールドを踏んだりプラグの付け根を極端に折り曲げないようにしましょう。
また、ケーブルに負荷をかけない「八の字巻き」で保管することで寿命を伸ばすことができます。
八の字巻の説明はこちら!
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プラグの金属部分が腐食して劣化するのを避けるため、こまめに拭いてあげましょう。
しかし、古くなるほど断線のリスクが増えて音質も劣化するので、演奏中の断線を避けるためにも状況をみながら交換するようにしましょう。
カールコードについて
昔の固定電話についていたケーブルのようなぐるぐる巻きのギターシールドのことを「カールコード」と呼びます。
60~70代のロックギタリストに愛用者が多かったシールドですね。
シールドは長くなるほど電気信号の抵抗が増えてノイズの影響を受けやすくなり、音質は劣化します。
カールコードは巻いてある分、使用感は3~5mでも引き伸ばすと実際の長さはもっと長くなります。
ノイズや音痩せの多いサウンドになり荒々しいロックギターに合うので、現代でもあえてカールコードを使用するプレイヤーもいます。
初心者はワイヤレスより有線タイプ
大会場のライブでは、ケーブルを使わないワイヤレスタイプの接続を使用する人が増えています。
ただ狭い場所では電波が混線しやすく、電池が切れると使えなくなるというデメリットもあり、価格も高めです。
初心者が最初に使うにはハードルが高いので、まずは有線タイプのシールドから始めるのがおすすめですよ。
おすすめのギターシールドを紹介
各メーカーからさまざまなギターシールドが発売されているため、選択肢が多くてどれを選べばいいのか初心者には難しいですよね。
そんな時は、予算に合った価格帯の定番シールドを知っておくと迷わず選ぶことができますよ。
おすすめの低価格シールド
低価格と聞くと低品質なものをイメージしがちですが、コスパが良いためプロの現場でも使用されているシールドもあります。
中~高価格のシールドと比べて癖がなく使いやすいというプレイヤーもいますし、樹脂製の素材を使い高耐久なシールドもあります。
まずは手頃な価格で手に入りやすい低価格帯のおすすめシールドから見てみましょう。
CANARE / PROFESSIONAL CABLE
「カナレ」は楽器屋さんに行くと必ず目にするシールドケーブルであり、迷ったらこれを選べば間違いないという定番メーカーです。
商品販売サイトで2,000円以下で買える低価格ですが、プロの現場でも使用されているほど信頼性の高いメーカーです。
癖の少ないフラットなサウンドで使いやすく、カラーバリエーションが豊富なのも嬉しいポイント。
ケーブルは柔らかめで耐久性は若干低めですが、安価で予備を用意しやすいのでそこまで大きな問題ではないでしょう。
VOX / VGS-30・VGS-50
ギターアンプで有名なブランド「VOX」の「 VGS-30・VGS-50」は、3mで1000円程度という高いコストパフォーマンスが魅力的です。
片側のプラグがL型になっており、プラグの部品が金属ではなく樹脂製なのが特徴。
見た目が安っぽいという意見もありますが、金属の劣化がなく傷に強いというメリットがあります。
おすすめの中価格シールド
中価格のシールドは価格と音質のバランスに優れています。
そのため、低価格のものと比べてギターを良い音で出力するこだわりを持ったシールドが多く、気持ちよくギターを弾くことができます。
以下で紹介するシールドは、どちらも楽器用シールドでは豊富なノウハウを持つ定番メーカーなのでおすすめですよ。
BELDEN / #9778
1902年にアメリカで設立された長い歴史を持つケーブルメーカーが「ベルデンの「#9778」は、ギターのおいしい音域である中音域の劣化が少なく、抜けの良いサウンドでギターの良さをしっかり引き出してくれます。
この「#9778」という型番のケーブルは、特に中音域が強く出るのが特徴。バンドアンサンブルで埋もれない音を出したい人におすすめです。
PROVIDENCE / E205
多くのトップミュージシャンに愛用される国産メーカー「プロヴィデンス」の「E205」は、ピッキングのニュアンスや音の立ち上がりを忠実に伝えるシールドであり、ギターのボリュームを絞っても細かいニュアンスをしっかり再生することができます。
プラグ部分が少し太くなっており、抜けにくく接触不良を防ぐことができます。
また、L型プラグの角度を91度にすることで、さまざまな機材に抜き差ししやすいという配慮がされています。
おすすめの高価格シールド
高価格のシールドは、プロミュージシャンのツアーなどの過酷な使用環境にも耐えうる製品が豊富です。
低~中価格シールドには無い技術や素材が盛り込まれています。
Monster Cable / PERFORMER 600
「マルチゲージ・ワイヤーネットワーク構造」という独自技術を使用し、太く存在感がありながらぼやけないサウンドを実現しているのが「モンスターケーブル」の「PERFORMER 600」です。
「通常使用の範囲で断線した場合は何度でも交換可能」という素晴らしい保証制度があるので、高価格でも安心して使用することができますよ。
本品は「PERFORMER」が示す通り、長時間の使用にも耐えることができる耐久力の高いモデルとなっています。
SOLID CABLES / Dynamic Arc Ultra
ケーブル部分の外側にグラスファイバーを編み込んだ素材を使用し、10tトラックを牽引しても切れない程の耐久性を誇るのが「Dynamic Arc Ultra」です。
こだわりの部品を使い1本ずつ手作業で作られる高品質なシールドは、中低域の劣化が少なくパワフルなサウンドが特徴。
高耐久ゆえの高価格ですが、永久保証が付いているので万が一断線しても安心ですよ。
ギターシールドは長さや耐久性で選ぶ!自分のギターや用途に合ったシールドを選ぶことが大事
ギターシールドには、長さ・プラグの形状・耐久性・音域など、選び方はさまざまです。
自分の持っているギターや演奏をする環境に合わせて選ぶようにしましょう。
また、ギターシールドに詳しくなることで正しい使い方やこだわりを持つことができるようになるでしょう。
この記事で紹介したおすすめのギターシールドを使って、楽しく演奏してみてくださいね!
この記事のまとめ!
- シールドはエレキギターとアンプやエフェクターなどをつなぐために必要不可欠な機材
- シールド選びは長さ・プラグ形状・耐久性・音域など、自分の使用状況に合わせて買うのがおすすめ
- シールドを接続する向きや寿命を伸ばす使い方など、役立つ豆知識を知っておくと良い
- 低価格から高価格まで、それぞれに特徴を持ったシールドがたくさんある