ハーモニクスの不思議なサウンドが気になっているけれど、上手く鳴らすコツや出し方が分からずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
フォームや仕組みを知らないと上手く出せないものですが、この2つをマスターして練習を重ねていけば自由に使えるようになりますよ。
この記事のもくじ
ハーモニクスとは
ハーモニクスとは倍音という、開放弦や押さえたフレットの音よりも倍以上の高さ(周波数)の音を出すためのテクニックです。
通常は弦を押さえて音を出しますが、ハーモニクスは弦に指を軽く触れさせて本来の音を抑え、倍音のみが鳴るようにします。
触れる場所は決まっており、ネック側のナット~ブリッジのサドルまでの長さの中間地点やナットから見て1/3、1/4地点など全体の長さを等分した場所でないと鳴らせません。
低音成分が少なく、芯を感じられないサウンドであるため、コードやメロディと組み合わせて使うと独特な世界観を演出できますよ。
エレキやアコギ以外にも、エレキベースやウッドベース、クラシックギター、ヴァイオリン、ウクレレなどでも使われる、弦楽器ならではのテクニックです。
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ハーモニクスの種類
ギターやベースを使って出せるハーモニクスには、いくつかの種類があります。
指を使って倍音を際立たせるという基本的な仕組みは同じですが、それぞれに弾き方が違っていますよ。
サウンドもロック系でよく使われる攻撃的なサウンドのもの、ソロギター向きの幻想的なサウンドのものまで幅広いです。
次はハーモニクスの種類を紹介するので、サウンドが好きなものはぜひ演奏に取り入れてみてくださいね。
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ナチュラルハーモニクス
ナチュラルハーモニクスは、ハーモニクスの基本テクニックです。
倍音が出せるポイントに指を置いて音を出すテクニックであり、ギターソロやベースソロのアクセントとして使われています。
「ポーン」という浮遊感のある音が特徴で、基本テクニックほど頻繁に登場しませんが、ハーモニクス系のテクニックの中では使用頻度が高いです。
複数弦を同時に鳴らしたり、有名なギタリストのジェフ・ベックのように、アーミングを使ってメロディを弾いたりできるなど、色々な使い方ができますよ。
ピッキングハーモニクス
弦をはじくと同時に親指の側面を触れさせ、効果音的な高音を出すテクニックがピッキングハーモニクスです。
主にハードロックやメタル系のギタリストが使用しており、リフやソロのときにアクセントとして使われます。
ベースの指弾きにも同様のテクニックがあり、リアピックアップより少しネック側に親指を置き、人差し指で弦を弾いた瞬間に親指を離すと倍音を出すことができますよ。
基本的に、ギターアンプやベースアンプで音を増幅する必要があるため、アコースティック楽器ではほとんど使われません。
タッピングハーモニクス
タッピングハーモニクスは右手の指でハーモニクスが出せる場所を叩き、倍音を出すテクニックです。
左手でコードを押さえた状態で使うテクニックで、押さえた場所から12フレット上や7フレット上などを指先や人差し指の側面で軽く叩きます。
弦を叩いたときに出るパーカッシブな音とハーモニクス音が同時に響くため、サウンドや見た目も派手なのが特徴。
押尾コータローやタック・アンドレスのような、ソロギターをメインに演奏するギタリストから好まれているテクニックです。
オクターブハーモニクス
触れる動作と、弾く動作を右手のみで行うテクニックがオクターブハーモニクスです。
別名・人工ハーモニクスとも呼ばれており、アコギやエレキだけでなく、ベースでも使われていますよ。
指を当てる場所は押さえた場所から12フレット上や7フレット上などが定番で、使っていない中指や薬指、親指を使って弦をはじきます。
右手を使うため難易度は高いですが、ステージや動画映えするテクニックなので、基本をマスターした人はぜひ挑戦してみてくださいね。
ハーモニクスのやり方
ハーモニクスは弾き方、指の使い方が重要なテクニックです。
はじめは難しいかも知れませんが、ゆっくりとやり方を確認しながら練習していけば、簡単に弾けるようになります。
また、速弾きのような筋トレ的な練習は不要で、指の長さもあまり関係ないため、楽器初心者でも気軽に取り組めますよ。
次は基本となるナチュラルハーモニクスの出し方を紹介します。
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ギターのハーモニクス
ギターのナチュナルハーモニクスは、指板に打たれた金属の棒・フレットの真上に指を置きます。
置く場所は1/2地点で開放弦の1オクターブ上の音が出せる12フレットや、1/4地点ので2オクターブ上の音が出る5フレットが定番。
また、1/3地点で1オクターブと5度上の音(6弦ならB、5弦ならE)が出る7フレットもよく使われます。
フレットの真上に指を置いたら、力加減を弦を押し込まない程度の脱力した状態にしましょう。
最後に普段通りの力加減でピッキングし、直後に指を離すと伸びのあるハーモニクスが出せます。
アコギはそのまま弾いても問題ありませんが、エレキギターを使う場合はアンプを通して弾くと聴き取りやすいのでおすすめです。
ベースのハーモニクス
ベースはとギター似た構造を持つため、ナチュラルハーモニクスの出し方や開放弦と倍音の音程の関係なども同じです。
手順はギターと同様に、12フレットや7フレット、5フレットの上を触れるように押さえ、指やピックなどを使って普段通りの強さで弾きます。
弾いたあとに指を離し、芯のない「ポーン」という音が出せればハーモニクスの完成です。
エレキベースは生音が小さく、ハーモニクス音も聞き取りにくいため、できるだけベースアンプを使ってスピーカーやヘッドホンから音を出しながら練習しましょう。
ハーモニクスを出すコツ
ハーモニクスをキレイに鳴らすためには、いくつかのコツがあります。
やり方と同様にフォームや指の使い方が中心なので、練習を積み重ねていけば思い通りに出せるようになりますよ。
また、タッピングハーモニクスやオクターブハーモニクスのような応用的なテクニックにも使えるので、ぜひマスターしておきましょう。
次は、ハーモニクスを出すためのコツを紹介します。
フレットの真上を押さえる
ハーモニクスを出すコツは、フレットの真上を優しく押さえることです。
指が触れる部分が、フレットに重なるイメージで押さえるのがポイントで、複数の弦を使うときは指を真っ直ぐにしてフレットと平行にするイメージでやるとキレイに鳴らせます。
タッピングハーモニクスやオクターブハーモニクスも同様なので、上手くハーモニクスが鳴らないときはもう一度指の位置を確認してみてくださいね。
弾いたと同時に指を離す
弾いた直後の、同時に近いタイミングで離すのがハーモニクスをキレイに鳴らすコツです。
指を添えたままでも鳴らすことはできますが、素早く指を離してあげると伸びのあるクリアなサウンドになります。
また、離すときには指が他の弦に当たらないように、真上に向かって指を動かすとノイズも防げますよ。
この動作は慣れが大きく影響するものなので、実際に1本ずつ丁寧にハーモニクスを鳴らしながら感覚を掴んでいく練習がおすすめです。
ピックを深く持つ
ピッキングハーモニクスを出すときのコツは、ピックを深く持ち親指の側面を当てやすくすることです。
親指からピックが5mmほど出るように持ち、ダウンピッキングと同時に親指を軽くこすりつけるイメージで弾きましょう。
また、1弦側に向かって親指を傾け、普段よりもきつめの角度(順アングル)にするのもポイントです。
加えて、リアピックアップよりも少しネック側に親指を当てるようにすると、より出しやすくなるので試してみてくださいね。
アンプで歪ませる
ピッキングハーモニクスの練習をするときには、ギターアンプやギター用エフェクターを使って深く歪ませるのがポイントです。
クリーントーンだと鳴っているかどうか判断しづらく、思うようなサウンドが出ないため練習していても楽しめません。
音を歪ませると、倍音が強調されハーモニクスの音もハッキリと聞こえるようになりますよ。
基本的にロックやメタルで使われるテクニックなので、ぜひ自分好みの激しいサウンドを作って練習してみましょう。
ハーモニクスを使ったチューニング
弦楽器が出すハーモニクスと、基準音となるAの音(440kHz)を出せる音叉やメトロノームを使えばチューニングをすることも可能です。
まず5弦の開放弦の音と基準音を合わせ、5弦7フレットと6弦5フレットのハーモニクスをならし合わせていきます。
2弦と3弦の合わせ方のみ実音(フレットを押さえて出す音)を使いますが、基本的に隣り合った弦の5フレットと7フレットを使って合わせていけばチューニングができますよ。
詳しい方法を解説した記事もあるので、音感を鍛えたい人や色々なチューニング方法を知りたい人はぜひチェックしてみてくださいね。
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ハーモニクスは弦楽器の不思議な奏法!やり方を覚えて演奏テクニックを身に付けよう
ハーモニクスは不思議なサウンドを作り出す、弦楽器ならではの奏法です。
アルペジオやコードの響きをゴージャスにしたり、メロディを奏でたりと色々な使い方ができるので、自分の演奏に上手く取り入れるとワンランク上のステキな演奏ができます。
慣れるまでは難しいですが、やり方やコツ、出せるフレットを覚えれば自由に不思議なサウンドを自由に操れるようになりますよ。
まずは基本のナチュラルハーモニクスからマスターしてみて、演奏の幅を広げてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ハーモニクスは倍音を強調した、高くクリアな音を出すためのテクニック
- 基本のナチュラルハーモニクス以外にも、ピッキングハーモニクスやタッピングハーモニクスなど色々な種類がある
- ハーモニクスの出し方はギターとベースで共通する部分も多いが、ピッキングハーモニクスのみ少し異なっている
- ナチュラルハーモニクスはフレットの真上に指を当てて、弾いた瞬間に離すのが基本
- ピッキングハーモニクスが上手く出せない人はピックを深く持ち、楽器用アンプやエフェクターで音を歪ませて練習してみよう。