ジミヘンコードという名前を聞いたことはありますか?
ギター初心者には聞きなれないコードなので、よくわからない方も多いでしょう。
玄人ギタリストが好む性質を持つので、早めに覚えておくと一目置かれる要素にもなりますよ。
この記事のもくじ
ジミヘンコードとは
ジミヘンコードとは、伝説のロックギタリスト「ジミ・ヘンドリックス」が独自にあみだしたコードの通り名です。
現在でも多くのギタリストが愛用しています。
ジミヘンコードの原型はE7コードのフォームに9thの音(ルートからスケールを辿り、9番目に当てはまる音)を足したE7(9)というお洒落な響きのコードです。
このコードの肝である9thを半音高いポジションへずらすことで、一気にサイケデリックでロックな雰囲気に変わりました。
ファンキーな響きがブルースにとてもマッチし、クランチサウンドとの相性も抜群。
一度ハマると多様したくなるコードなので、楽器屋での試し弾きで演奏されるのを良く見かけます。
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ジミ・ヘンドリックスってどんな人?
ジミ・ヘンドリックスは天才的な音楽センスで、それまでのロックの常識を覆すギタープレイで人々を魅了しました。
ジミヘンコードは勿論、ソロプレイにおけるブルーノートの使い方にも抜群のセンスがあります。
ブルーノートとは通常のスケール音階を部分的に半音ずらして雰囲気を作り上げるスケールの事です。
有名ミュージシャンたちにも影響を与えており、
- エリック・クラプトン
- ジェフ・ベック
- ビートルズのジョン・レノン
- ポール・マッカートニー
などもジミ・ヘンドリックスへのリスペクトを公言。
また、エレキギターの教則本に登場する基礎フレーズもジミ・ヘンドリックスの編み出したフレーズに雰囲気が似ているものが多いです。
ジミ・ヘンドリックスは、現代ロックのルーツになっているギタリストといえるでしょう。
ジミヘンコードは緊急地震速報に使われている?
緊急地震速報のあのフレーズ。
「怖い」「不気味」といった印象を持っている人は多いのではないでしょうか。
実はそんな緊急地震速報にも、ジミヘンコードが使われているのです。
ジミ・ヘンドリックスがよく使うキーはEですが、緊急地震速報はCのキーでジミヘンコードと同じ構成音を鳴らしています。
不思議なことに、キーがCになるだけで急激に不協和音感が強調され、あの地震への危機感を煽る雰囲気が生まれるのです。
ジミ・ヘンドリックスの曲はサイケデリックかつファンキーな雰囲気で、とても同じコードを使っているようには聞こえません。
音楽は1つ要素を変えるだけで、全く別の形に生まれ変わる場合がありますが、まさにその代表的な例といえるでしょう。
ジミヘンコードの押さえ方
ジミヘンコードには、いくつかの押さえ方があります。
何故同じ構成音で違う押さえ方を使い分けるのか気になりますよね。
ギターは鳴らす弦によって音のニュアンス、聞こえ方が大分変わってくる楽器です。
例えばC(ド)の音は5弦3フレットで弾く事が多いですが、6弦8フレットでも同じ音が出ます。
6弦で弾いた場合、5弦と比較すると丸く低音の強い音になるので、フレーズによって使い分けると良いでしょう。
複数の弦を鳴らすコードはニュアンスの違いがより明確に出てくるので、ぜひ全てのフォームを覚えてくださいね。
ここでは、ジミヘンコードの押さえ方を紹介します。
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6弦ルートで弾く
Eの音を6弦で鳴らすパターン。
太い弦を使う分、音が丸く低音が強めです。
<押さえ方>
6弦12フレット(中指) 5弦11フレット(人差し指) 4弦12フレット(薬指) 3弦12フレット(小指)
ハイポジションの低音弦を使うコードを弾く機会は少ないので、良い練習になるでしょう。
1弦と2弦が鳴らないように指の腹やピッキング側の手を当て、しっかりミュートしてあげましょう。
5弦ルートで弾く
ジミヘンコードといえば、このフォームが最もメジャーな押さえ方です。
ジャキっとしたニュアンスが気持ちよく、音のバランスも良いのでぜひマスターしましょう。
<押さえ方>
5弦7フレット(中指) 4弦6フレット(人差し指) 3弦7フレット(薬指) 2弦8フレット(小指)
このフォームのまま、2弦8フレットを7フレットへずらすと本来のE7(9)コードになり、曲の中で使い分けても面白いです。
4弦ルートで弾く
5弦ルートよりも更に煌びやかなニュアンスを出したい時に最適なフォーム。
低音が押さえられ、シャープな高音域に特化しているので、音を抜けさせたい時に使用すると良いでしょう。
<押さえ方>
4弦2フレット(中指) 3弦1フレット(人差し指) 2弦3フレット(薬指) 1弦3フレット(小指)
弦を1本ずつ弾く「アルペジオ」でジミヘンコードを弾きたい時も、こちらの4弦ルートのフォームがおすすめです。
ルートを省略して弾く
「ジミヘンコードが難しくて弾けない...」と感じた方は、ルート音を省略して演奏してみましょう。
どのフォームも一番低い音の弦を押さえずにやってみると、指がかなり楽になります。
ただし、指の配置は変えずにやってみてくださいね。
ルートを省略するとG#の音が強調されますが、使いどころによってはハマる事もあるでしょう。
例えば、4弦ルートのフォームでカッティングをする時、軽いニュアンスでシャカシャカさせるならルートを省略した方が良いです。
ジミヘンコードのの押さえ方をクリアした方も省略版を覚えておいて損はないので、ぜひ弾いてみてくださいね。
ジミヘンコードを使った曲
独特の響きがカッコ良いジミヘンコードですが、実際に曲で使用すると、どんな感じになるか気になりますよね。
ジミ・ヘンドリックスは勿論、後続のバンドも終始セッションを続けているような構成の曲が多く、先にギターのフレーズを作ってから歌を乗せているかのような印象を受けます。
アメリカンでファンキーなノリを体感できるので、ぜひ聞いてみてください。
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The Lemon Song / Led Zeppelin
世界3大ギタリストの一人とされるジミーペイジ率いるバンド、Led Zeppelin。
「The Lemon Song」は最高傑作との呼び声も高い2枚目のアルバム「Led Zeppelin Ⅱ」に収録されています。
こちらは、オフィシャルのスタジオ音源と70年代当時のフォトを組み合わせた映像です。
音階が上昇していくフレーズから、キメのアクセントにジミヘンコードを使用。
ダーティなスローテンポがメインですが、ギターソロの際にテンポアップしてガラッと雰囲気が変わるのが斬新で耳に残ります。
Purple Haze / The Jimi Hendrix Experience
ジミヘンコードを語る上で、この曲は絶対に外せません。
ジミ・ヘンドリックス率いるThe Jimi Hendrix Experienceの「Purple Haze」という名曲です。
イントロのサイケデリックなメロディーの後に、5弦ルートフォームのジミヘンコードがそのままリフとして登場。
こちらのセクションに煙が立ち昇るような印象があり、楽曲名「Purple Haze(直訳すると”紫の煙”)」を象徴するフレーズとなっています。
Purple Hazeのスタジオ音源。
録音技術が現代程には発達していないからこそ出せる、味のある空気感を堪能出来ます。
ボーカルの位置が右側に振られているのも斬新なので、イヤホンでも聴いてみてください。
Little Wing / Jimi Hendrix
1967年に発表された「Little Wing」は「Purple Haze」と同様に人気の高い曲です。
ジミ・ヘンドリックスのマイナーコードを用いたムーディーな楽曲。
ボーカルの合間を縫うようにギターのフレーズが入っているのに注目してみてください。
このようにボーカルを引き立てたり、ギターソロとまでは言えない程度の尺で入れたりする印象的なフレーズやメロディーを「オブリガート」といいます。
R&B風な曲ながらも、しっかりとジミ・ヘンドリックスらしいロックフレーズを盛り込んでいるので、オブリガートの参考にもなりますよ。
ジミヘンコードはジミ・ヘンドリックスが多用していたコード進行!押さえ方を覚えて有名曲を弾いてみよう!
ジミ・ヘンドリックスがE7(9)コードの構成音を1音ずらすことで、よりファンキーな雰囲気となったジミヘンコード。
自身の曲でも多用していたことで多くのギタリストに影響を与えてきたジミヘンコードは、今やギタリストにとって教科書の一部のような存在となっています。
小指さえ慣れてくれば比較的押さえるのは難しくないので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ジミヘンコードとはジミ・ヘンドリックスが多用したことで知られる特殊な響きのコード
- ジミ・ヘンドリックスとは伝説のギタリストであり、ロックギターの基礎を作り上げた存在
- 押さえ方のパターンがあるので、セクション毎に使い分けると良い
- ジミヘンコードを使った有名曲弾いて完全にマスターしよう