「何か楽器を始めてみよう」と思ったときや、高校・大学で軽音楽部に入るとき、まず最初に「どの楽器にしよう?」と悩みますよね。
特に、ベースパートは周りに経験者が少なく、「やっていけるかな」「始めるには何を揃えればいいんだろう?」と悩む初心者の方も多いかもしれません。
この記事のもくじ
軽音でベースが向いている人って?
バンド内での各楽器の役割について、こんな例え話があります。
「もしも曲が家だとしたら、床を支える基礎部分がドラム・家の骨格を支える骨組みがベース・外壁など、家の見た目の部分がボーカル・軒先の花壇の花がギター」というものです。
確かに、ベーシストは他のパートのようにキラキラと目立つことは多くありません。
しかし、この例えからもわかるように、曲を成り立たせるためには不可欠なパートなのです。
つまり「 “縁の下の力持ち” や “職人” というワードにピンとくる人はベースに向いている」ということですね。
また、ベーシストは他の楽器を支えるだけでなく、曲のグルーブや雰囲気をこっそり支配する「黒幕」になることもできます。
重低音が好きで、バンド内で “暗躍” したい職人気質の人には、ベーシストはまさにぴったりのパートです。
さらには、コードなどの専門知識がなくても1音ずつ音を鳴らせば演奏することができるので、「とにかく早く曲を演奏したい」という人にもおすすめです。
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軽音でベースをするのに必要なもの
ここまではベーシストに向いている人やバンド内での役割について解説しましたが、いざ「よし、ベーシストになるぞ」と決めたとしても、ベースを購入しただけでは練習したり演奏することはできません。
各楽器店ではスターターキットとして「初心者セット」も販売されていますが、学校やサークルの設備によっては過不足がある場合もあります。
自分の練習環境では何を揃えれば良いのかを、きちんと知っておくのがおすすめです。
ここからは、主に軽音楽部でベースパートを担当することを想定して、ベースを始めるために必要なものを紹介します。
必要なもの
- ベース
- チューナー
- アンプ
- シールド
- ストラップ
- ピック
- ケース
- スタンド
- エフェクター
この中で、必ず用意しなければならないのは「ベース本体・チューナー・シールド・アンプ」の4点です。
最低限これらさえあれば「弦の音程を正しく調整し、アンプに接続して音を出す」ことはできます。
ただし、アンプを通したベース音はかなり響きます。家の中で練習したい場合には、アンプから出る音をイヤフォンで聴けるようになる「イヤフォンアンプ」がおすすめです。
ストラップとケースは、なるべく新しく購入することをおすすめします。
どちらも、ベース本体の購入時にメーカー品が付属していることが多いですが、簡易的な作りのものが多く、長く使用する上では不安が残るからです。
ストラップは、体に合うものや自分の個性を発揮できるものを、ケースはどんな天候にも対応できて持ち運びのしやすいものを、という基準で選んでみてください。
その他のピックやスタンド、エフェクターは必須アイテムではありません。自分が挑戦してみたい奏法や音楽のジャンルを考えつつ、後から購入を考えても良いでしょう。
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軽音で使うベースの選び方
ベースを始めるために必要な機材がわかったら、次はベース本体を選びましょう。
先ほども言いましたが、ベースは家でも音楽スタジオでもライブハウスでも、あなたのそばにいる「相棒」になるものです。
これから紹介するベース選びのポイントを参考に、ぜひお気に入りの機材・相棒を見つけてくださいね。
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見た目
ベースを選ぶ時に一番重視してもらいたいのは、ズバリ「見た目」です。
意外に思う方も多いかもしれませんが、自分が好きな見た目のベースを手に入れれば愛着が湧いて、練習のモチベーションも上がります。
同じ見た目でも種類や機能が異なるものも多いので、「これだ!」というものを見つけたら写真を撮っておきましょう。
そうすることで、部活の先輩や楽器店のスタッフさんにも相談しやすくなり、自分に合ったベースを選びやすくなりますよ。
弾きやすさ
最も外せないポイントは、やはり「弾きやすさ」。
弾きやすいベースを選ぶことは上達を早めるだけでなく、ベースの重さによる肩こりや腰痛防止にも繋がります。
例えば、女性や手が小さめの人には、フレットの幅が狭かったり、ネックが細いものがおすすめです。
また、技巧的な曲をスムーズに弾けるようになりたい人は、通常よりネック部分が長い「ロングスケール」のものを選ぶと、高い音を弾きやすくなりますよ。
メーカーによってたくさんの種類があるので、実際に試奏したり経験者に相談したりして、自分に合ったものを選んでください。
音
重低音を鳴らすベースですが、材質や種類によって、丸くて温かみのある音や粒の揃ったはっきりした音など、音質が異なります。
自分だけで聴き分けるのが難しい場合は、周りの経験者や店員さんに相談してみてくださいね。
また、自分が演奏したい音楽のジャンルを基準にするのもおすすめです。
例えば、メロコアやパンクを演奏したい人は、シャキシャキした音でピック弾きとの相性がいいベースを選ぶと良いでしょう。
メーカー>
ベースを作っているメーカーも、考慮に入れておきたいポイントのひとつです。
やはりメーカーによって理念や価格帯、本体の形の特徴も異なります。
国内メーカーだとヤマハやバッカス、アイバニーズが有名で、国外メーカーだとフェンダーやシェクターも人気です。
また、保証期間やメンテナンス無料特典など、購入後のサポートに関しても確認しておくと安心ですね。
自分の憧れのベーシストがどのメーカーを愛用しているかを知っておくなど、自分のお気に入りのメーカーがあれば、バンドメンバーやベーシスト同士での会話も弾みますよ。
予算
ベースを選ぶ上でやはり無視できないのが「予算」ですよね。
同じような見た目なのに価格が全然違うことも多いのですが、ベースの値段の差は基本的に生産地や材質、作り手によるものです。
5万円以内のものは中国やインドで生産されていることが多く、材質やパーツのグレードを下げることで低価格になっています。
それでも近年は質のよいモデルも増えているので、初めての購入にはこの価格帯がおすすめです。
5〜10万円の価格帯では国産が増え始め、日本人の手のサイズに合った機体を見つけやすくなります。
丁寧に作り込まれているものが多いので、一本を長く使用したい方はこの価格帯から選ぶのが良いですよ。
より高い質やオーダーメイドを求める場合は、これ以上の価格帯も検討しましょう。
軽音で使うベースの種類
ベースには「ジャズベース」や「プレシジョンベース」、「リッケンバッカー」など、様々な種類があるのをご存知ですか?
それぞれピックアップ(音を拾ってアンプに届ける部位)の位置や数、種類、ベース本体の材質や回路に特徴があり、出せる音が異なります。
先ほど紹介した「見た目」や「メーカー」と合わせて、こちらも機材選びの参考にしてください。
ジャズベース
おそらく最も一般的に使われているのが、「ジャズベース」ではないでしょうか。
ジャズベースの特徴は、ピックアップが離れた場所に2つ付いていることです。
手前側のピックアップ(柔らかい音)と奥側のピックアップ(硬い音)の音量をそれぞれ調整することで、幅広く様々なジャンルに合う音色を作り出すことができます。
「特にこだわりのない人は、ジャズベースを購入すれば間違いない」と言えるほど、安定感のあるベースです。
プレシジョンベース
プレシジョンベースは、ジャズベースとは違ってピックアップが1組なのが特徴で、ネックも太めに作られることが多いです。
ノイズを拾いにくく力強い音色を出すことができ、ピック弾きと相性が良いでしょう。
そのため、ガレージロックやパンクバンドのベーシストには、プレシジョンベースを使用している人もたくさんいます。
つまみも少ないので、シンプルなベースを求めている方にはおすすめです。
その他
ジャズベースとプレシジョンベースの中にも「パッシブタイプ」と「アクティブタイプ」があったり、ジャズベースとプレシジョンベースのいいとこ取りを実現した「PJベース」や、フレットのない「フレットレスベース」があったりと、まだまだたくさんの種類があります。
以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はそちらも参考にしてください。
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軽音楽部で使える初心者おすすめベース
さて、ここまでは必要機材やベースの選び方、種類を解説してきました。
自分が手に入れる機材のイメージはなんとなくついたでしょうか?
とはいえ「結局どれが良いの?」と迷っている方も多いはず。
ここからは、軽音楽部やバンドを結成する初心者の方におすすめのベースを5種類紹介します。
BUSKER'S / BJB-3
まず紹介するのは、BUSKER'Sの「BJB-3」です。
BUSKER'Sは、価の安さと練習しやすさ、上達しやすさを考慮した楽器作りに定評があり、こちらのモデルも税込みで2万円代と、手に取りやすい価格が魅力です。
先ほど紹介したジャズベースタイプのピックアップがついていて、どんなジャンル・弾き方にも対応できるベースですので、まさに学生さんや初心者の方におすすめの一本です。
Ibanez / SSR-630
次に紹介するのはIbanezの「SSR-630」。
こちらは島村楽器とのコラボレーションモデルで、輪郭のはっきりした清らかな音と、低音域から高音域までを幅広くカバーする反応の良さが魅力の一本です。
オリジナルのパーツを用いたメンテナンスのしやすい仕様も人気の理由のひとつでしょう。
ベース本体のカラーバリエーションも6色展開なので、使いやすさと見た目それぞれにしっかりこだわりたい方におすすめです。
Squier by Fender / AFFINITY SERIES™ JAZZ BASS®
続いては、エレキベースとジャズベースの生みの親であるFenderの直系ブランドが販売する「AFFINITY SERIES™ JAZZ BASS®」を紹介します。
形も色合いもサウンドも伝統的なジャズベースをしっかり受け継いでいるので、手頃な値段で本格的なベースを手に入れたい初心者の方におすすめです。
Bacchus / Universe Series IKEBE ORIGINAL HWL-ALL
国内生産メーカーとして定評のあるバッカスが「コストパフォーマンスの良いビギナーズモデルを」という理念で作り上げた「Universe Series IKEBE ORIGINAL HWL-ALL」。
弾きやすさやサウンドはもちろん、パーツが全て黒で統一されたクールな仕様も魅力的なポイントです。
イケベ楽器モデルのこちらは「音質にも見た目にもこだわりたい」という方におすすめします。
Ibanez / SR305E
最後に紹介するのは、Ibanezの5弦ベース「SR305E」です。
どんなジャンルにも対応出来るジャズベース仕様にスリムなネックと、使いやすさ抜群のベースです。
5弦ベースに抵抗のある方も多いかもしれませんが、邦楽ロックの中でもRADWIMPSやBIGMAMA、SPIAIRなどのコピーには向いています。
オリジナルバンドを組んでいる場合でも、より多くの音階を使って曲を作りたい方には特におすすめの一本です。
軽音でベースを始めるなら予算や見た目で選ぼう!まずは2~3万のベースがおすすめ
ベースを選ぶ時に重要なのは、何と言っても「見た目」が気に入るかどうかです。
これから軽音楽部で過ごす時間を共にする相棒ですから、愛着が持てて、自分のテンションや練習のモチベーションが上がるものを選びましょう。
ただでさえ周辺機材をたくさん揃えなければならないので、予算も見逃せないポイントです。
この記事を参考に、質と価格のバランスのとれたお気に入りの一本を、ぜひ見つけてくださいね。
この記事のまとめ!
- ベーシストに向いているのは職人気質の人
- ベースを始めるには多くの周辺機材が必要
- ベースは1万円台から購入できる
- 予算と質のバランスがとれた一本を探そう