チューニングとは、ベースの音の調律を行うことであり、正しい綺麗な音を出すために絶対に必要な作業です。
音がズレていると不協和音になったり、気持ち悪い音が出るので、ベースを弾く前のチューニングとても重要なのです。

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この記事のもくじ
チューニングの知識
ベース初心者は、まず基礎を身に付けることが大切です。
ベースの弾き方や弦の押さえ方だけではなく、正しい音を知り自分自身で音の調整ができるようになりましょう。
ここでは、チューニングの知識について紹介します。
ベースのチューニングとは
チューニングとは、ベースの弦を正しい音程に合わせることです。具体的には、ベースのヘッド部分についている「ペグ」というツマミを回すことで弦の張りの強さを変えて音程を調節します。
楽器にはこういった音程を調節する作業が付き物なので、ここでしっかりと押さえておきましょう。
開放弦をチューニングする
チューニングをする際は、基本的に開放弦の音程を合わせるようにしましょう。開放した弦を一本ずつ弾いて音の調節をします。
弦は基本的にベースを弾く手元付近にある「ブリッジ」とヘッドの付け根にある「ナット」、そしてヘッドについている「ペグ」の3点で張力を保っています。
弦は常に張力を保った状態なので、当然時間がたったりベースを弾いたりしているうちに緩んできます。そうすると、チューニングがずれてくるのです。そのため、練習する際は毎回必ずチューニングをするようにして正しい音が鳴るように調節しましょう。
特に張り替えたばかりの新品の弦は張力に慣れていないせいで緩みやすく、チューニングが狂いやすいので、最初のうちは何度も繰り返し合わせるようにしましょう。
また、チューニングをする際は最低音である4弦から合わせるようにするとベースのネックにかかる張力負荷が安定するので、楽器に良いとされています。
チューニングの方法3種類
ベースのチューニングにはいろんな方法があります。その中でも、よく使われているチューニング方法を3つ紹介します。
これらのチューニングの仕組みを理解できれば、自分の好きな音楽を演奏することができるようになりますよ。
レギュラーチューニング
レギュラーチューニングとは、決められている音程に合わせた基本のチューニングのことです。
音程はそれぞれ4弦がE、3弦がA、2弦がD、1弦がGとなります。これはギターの6弦〜3弦と同じ音階となっています。
フラットチューニング(半音下げチューニング)
曲によってあらかじめ半音下げチューニングで演奏しているバンドは多いです。
全ての弦をレギュラーチューニングから半音下げたチューニングにすることにより、レギュラーチューニングとは全く違った音の印象に変化させることができます。
それぞれのチューニングは4弦がE♭、3弦がA♭、2弦がD♭、1弦がG♭となります。
ドロップDチューニング
「ドロップDチューニング」とは、4弦のみを1音下げたチューニングのことです。
その他の弦はレギュラーチューニングと同じようにしておきます。
そうすることで普通よりも低く重い音が出るようになり、ヘビーな洋楽などでよく用いられるチューニングです。4弦は1音下げることで張力が弱くなるので、弦を弾いた時の振動が大きく、より一層ドライブのかかったような音になるのが特徴です。
それぞれのチューニングは4弦がD、3弦がA、2弦がD、1弦がGとなります。
実際のチューニングの方法
楽器を手に入れたらすぐに弾き始めたいという気持ちはわかりますが、正しいチューニング方法をマスターできなければ、いつまでたっても上達することはできません。
ここでは、実際のチューニング方法を紹介します。
ベースとチューナーをシールドでつなぐ
まずは、ベースのボリュームを0にした状態で、ベースとチューナーをシールドで繋ぎます。
そして、チューナーの電源が入っていることを確認したらベースのボリュームを上げましょう。
まずは4弦をEに合わす
最初に4弦から合わせていきましょう。その理由は、4弦が一番太いため最も張力が強いからです。
ベースやギターなどの弦楽器は本体が全て木でできており、特に弦を張り巡らせる「ネック」の部分は弦の強い張力に耐えられるように調整されています。
そのため、逆に張力が著しく弱くなってしまうと「逆剃り」という現象が起こり、ネックが曲がってしまうのです。
ネックが曲がってしまうと正しい音を出すことができなくなってしまうため、まずは一番安定感がある4弦からしっかりと合わせていきましょう。
低い場合はペグを締める
合わせたい音階よりもチューナーに表示されている音階が低い場合は、弦の張力が足りていないのでペグを締めて弦の張りを強くします。
そうすることで音程が上がっていくので、チューナーが示す音を見ながら徐々にペグを締めていきます。音がピタリと合ったら安定するまで開放弦で引き続けてください。
高い場合はペグを緩める
合わせたい音階よりもチューナーに表示されている音が高い場合は、弦の張力が強すぎるのでペグを緩めましょう。緩める時は締める時とは違って硬くないので、一気に緩めすぎないように気をつけてください。
4弦から1弦の順番で合わせていく
先述した通り、チューニングをする際はネックへのダメージを避けるために4弦から1弦の順番で合わせていくようにしてください。
そうすることで、ベースのネックの向きも安定するのでチューニングが合わせやすくなります。
チューニングの種類
チューニングのやり方にはいくつかの種類があります。
初心者でも簡単にできるものからある程度ベースに慣れてからでないとできないものまで幅広くあるので、まずは知識として知っておきましょう。
ここでは、チューニングの種類を紹介します。
チューナーを使う
一番確実なチューニング方法として「チューナー」を使う方法があります。チューナーとは、弾いた音の音階が合っているかどうかを測ってくれる機械のことです。
基本的にギター用とベース用は兼用であり、ギターモードやベースモードなどの切り替え機能が付いています。また、電子チューナーには「カード型チューナー」「ペダル型チューナー」「クリップチューナー」の3種類があります。
ここでは、3種類のチューナーについて紹介します。自分に合ったチューナー選びの参考にしてください。
カード型チューナー
カード型チューナーはベースとシールドで接続することで、ベースのピックアップから拾った音をチューナーに出力して音が合っているかどうかを測ります。
購入しやすい安価のモデルも多く、精度も高いので初心者におすすめです。
ペダル型チューナー
ペダル型チューナーは、足下に設置してエフェクターの中に組み込むタイプのチューナーです。
ライブなどでも使用されることが多く、暗闇でも見えるように視認性が高いのが特徴です。
機能性を重視する人はペダルチューナーがおすすめです。
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クリップチューナー
クリップチューナーはベースのヘッド部分に挟むようにして取り付けるタイプのクリップ式チューナーです。
ヘッドに取り付けることで弦を弾いた時の振動を拾い、音のピッチを合わせるという仕組みで、上記のチューナーとは違って挟むことができればほとんどの楽器に対応できるため、ウクレレ用にも使われています。
演奏している手元で針が動くので演奏中でも見やすいのが特徴です。
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スマホのチューニングアプリを使う
スマートフォンが広く普及した現代では、アプリでチューニングを合わせることもできるようになりました。
ベースの音を直接スマートフォンのスピーカーで拾ってチューニングを合わせたり、専用の器具を使ってシールドをスマートフォンに接続してチューニングをすることもできます。
音叉を使う
古くから使われている音叉(おんさ)と呼ばれるチューニング道具は、叩くとその振動でベースの3弦の音(Aの音)が鳴ります。
その音を耳に近づけて聞きながら、同じ音になるようにベースの音を合わせていきます。3弦の音を合わせたら、その音を頼りに他の弦の音も合わせましょう
この方法はある程度音感を持った人でないと難しい方法です。
耳でチューニングする
チューナーを使わずに、耳で聴いた音のみでチューニングをする方法もあります。この方法もある程度の音感を持った人でないと難しいチューニング方法です。
ギターの6弦とベースの4弦が同じEの音なので、チューニングが終わったギターの6弦を鳴らしてベースの4弦を合わせるという方法もあります。
初心者向けチューニングのポイント
チューニングは、楽器から綺麗な音を出すために正しく調整する大切な準備です。そのため、練習のたびに毎回チューニングを行う必要があります。
そんな大事なチューニングだからこそ、単純にチューナーにつないでメモリを合わせれば良いというものではなく、注意しなくてはならないことがたくさんあります。
ここでは、チューニングをする際に気をつけておきたいポイントを紹介します。
ペグは締めながら音に近づける
弦は強く張りすぎてしまうとネックが反ってしまう原因になります。そのため、誤って張りすぎてしまわないように、チューニングは下から上へと音を上げていくイメージで行ってください。
ペグは緩い状態から締めていくようにしましょう。
静かな場所で行う
チューニングはできるだけ静かな場所で行うようにしましょう。「チューナーを繋いでいるから大丈夫」と思われがちですが、チューナーへ出力される音はベースのピックアップマイクから拾われた音が伝わります。
つまり、いろんな楽器の音が入り混じっているスタジオ内では他の楽器の音も拾ってしまいます。そうなってしまうと、精度が落ちてしまいます。
オクターブに注意する
チューニングする際はオクターブにも気をつけなければなりません。ここが狂ってしまうと開放弦の音程を合わせたとしてもどこかのフレットで狂い始めてしまいます。
これは、ペグとは正反対のブリッジの部分についている調整器具を動かすことによって、フレットを移動するごとの音の微妙な変化を調整します。
その調整方法は非常に繊細で、一度狂ってしまうと慣れている人でもなかなか正確に合わせることができないので、もしわからなくなってしまった場合は楽器屋さんに持って行って調整してもらいましょう。
回すペグを間違えない
チューニングの際に回すペグを間違えてしまうと、弦を締めすぎてしまう可能性があります。そのため、自分が回している弦とペグの位置をしっかりと見てチューニングするようにしましょう。
弦を締めすぎてしまうと、張りすぎて切れてしまうこともあるので注意してください。
何度も微調整する
弦は一度合わせたとしてもすぐに緩んでしまうことがあります。また、新品の弦の場合は張りに慣れていないため、特に緩みやすいです。
そのため、弾く前に毎回微調整をしておきましょう。
チューニングができていないとライブが台無し!ベースのチューニングはペグを締めながら合わせていくのがコツ
どれだけ良い機材を揃えて、しっかり練習してもチューニングができていないと正しい音を出すことができないため綺麗な音を奏でることはできません。
そうなってしまうと、せっかくのライブも台無しになってしまいますよ。特にベースはバンドを支える重要な存在です。
かっこよさ以上に安定感が求められるパートなので、しっかりとチューニングをして基礎を大切にしましょう。
この記事のまとめ!
- チューニングでは開放弦で音を合わせる
- チューナーにはカード型とペダル型とクリップ式がある
- チューニングは4弦から1弦の順番に合わせていく
- チューニングはペグを締めながら合わせる
- チューニングのコツをつかめば、綺麗な音で演奏をすることができる