スマートフォンやSNSが普及し、誰でも簡単に動画を撮影、拡散できるようになりました。
だからこそ、ライブや音楽フェスなどの思い出の場を記念に残したい、みんなにも観て欲しいと思う人も多いでしょう。
それにもかかわらず、なぜ日本のライブは撮影禁止なのでしょうか。
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日本のライブ事情
日本のほとんどのライブやコンサートでは、撮影・録画禁止のため、違反行為が明らかになった場合、ライブを途中退場させられることもあります。
しかし、スマホなどで撮影された海外のライブ映像を動画サイトなどでよく見かけるのはなぜでしょうか。
まずは、日本のライブ事情を海外と比較しながら解説します。
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日本では撮影禁止がほとんど
日本人アーティストのライブ、音楽イベントのほとんどは撮影禁止です。
ライブや音楽イベントで、撮影禁止の放送が流れたり、看板が掲げられるのを見たことがある人も多いでしょう。
ライブによっては電源を落とすように指示される厳しい会場もあるようです。
思い出として動画に残したい気持ちもわかりますが、その場の音や情景をしっかりと耳と目に焼きつけましょう。
海外では撮影OKが多い
日本と違い、海外では撮影OKのライブ会場がほとんどです。
観客が撮影したライブ動画は動画サイトにも多数アップされており、観客もスマホやカメラを持ってライブを楽しんでいる人がたくさんいます。
しかし一方で、観客がライブを観ずに自撮りをするなどのマナー違反を問題視する声もあがっています。
過去には、世界で活躍する海外アーティストのブルーノ・マーズが、マナーの守れない観客に激怒する事件も起きています。
日本でも撮影OKのアーティストが増えている
一方、最近では日本でも撮影OKのアーティストが増えてきています。
歌手の藤井フミヤさんや浜崎あゆみさん、バンド「SEKAI NO OWARI」など有名アーティストが次々と撮影OKに踏み切りました。
また、一部の曲のみ撮影を許可するアーティストや、あまり知名度のないインディーズのバンドやアイドルなど、撮影を全面的に許可している人もいます。
撮影OKが増えている背景とは?
撮影禁止だった日本のアーティストが、どうして徐々に撮影を許可し始めたのでしょうか。
撮影OKの動きの裏には、音楽の楽しみ方の変化やインターネットの普及によるプローモーション形態の変化などが隠れています。
撮影OKが増えた背景について、詳しくみてみましょう。
CDが売れないから
最近では音楽の配信サービスやサブスクリプションサービスが普及し、アーティストのCDを買う人が少なくなりました。
CDが売れない時代が来たことで、ライブの撮影許可という形でファンサービスを行い、ライブの動員を増やそうという狙いがあります。
SNSの普及
SNSが普及したおかげで、アーティストの写真やライブ動画が拡散されやすくなりました。
広告会社だけでなく一般の観客にも映像を拡散してもらうことで、アーティスト自身の知名度も上がります。
ファンが撮影する動画や写真は、アーティストにとってはプロモーションの1つなのです。
今やファンひとりひとりが広告塔となる時代です。
ファンが拡散したくなるようなライブをすることも、現代のアーティストには求められているのかもしれません。
ライブで撮影が禁止されている理由
日本でも撮影OKのアーティストが増えているとはいえ、それでもまだほとんどのアーティストは撮影を許可していません。
アーティスト自身の宣伝もできファンの増加につながるなど、いいことばかりのようですがなぜ日本では撮影OKがあまり広がっていないのでしょうか。
そんな疑問に答えるために、ここではなぜ日本でライブの撮影が禁止されているのかを解説します。
著作権の問題
アーティストが演奏する曲は誰かが創作した作品であるため、全ての作品に著作権が発生します。
また、著作権は曲に限らず、ライブ演出の舞台道具などにも発生するため、ライブ中に撮影した写真や動画、音声をネットにアップロードすると、著作者の複製権や公衆送信権を侵害する危険があるのです。
動画や音声を自分で楽しむだけの場合、著作権侵害には当たりませんが、権利に関するトラブルを未然に防ぐためライブ中の撮影を禁止しているのです。
肖像権の問題
勝手に自分の写真を取られたり、写真を不特定多数に晒されたりしたら不快ですよね。
肖像権とは、許可なく自分の姿が公表されたりすることを拒否する権利をいいます。
一般人、芸能人問わず全員が肖像権を持っており、プライバシーとともに守られるべき人権の1つです。
ライブ中に動画を撮影すると、観客も映ってしまいますよね。
そのため、ライブ動画をネットにアップすると観客の肖像権を侵害する可能性が出てきます。
主催者が撮影を禁止するのは、観客の権利を守るためというわけです。
ライブの撮影禁止に賛成の意見
ライブの撮影については賛否あります。
ライブ撮影を許可することにはメリットもデメリットもあるため、アーティストやレーベルの考え方・方針によって対応が違います。
しかし、写真撮影を許可することによって生じる悪影響を恐れて、禁止にしている場合がほとんどです。
ほとんどのアーティストがライブの撮影を禁止しているのはなぜなのでしょうか。
ライブに集中するべき
撮影禁止に賛成の声には「観客はライブに集中するべき」という意見があります。
アーティストにとってそれぞれのライブは、二度と完成しない一度限りの作品です。
観客も撮影などせず、全身全霊ライブを楽しむべきだと思っている人がたくさんいます。
コンテンツの悪用の防止
撮影した動画や音声などのコンテンツを、自身で視聴するだけなら著作権的には問題はありませんが、SNSや動画サイトへの転載の可能性も考えられます。
自分が撮った動画を利用して動画サイトで視聴数を稼いだりされては大変です。
中には、ライブ映像を有料で販売するなど悪質なケースも考えられます。
入場料を払ってライブに行った観客にとっても、アーティストにとっても良いことではありません。
スマホが観覧の妨げになる
観客でいっぱいの会場でライブを撮影しようとすると、スマホを高く掲げる必要があります。
そのため、前にいる人がスマホで撮影を始めると、後ろの人はアーティストを観づらくなります。
また、スマホ撮影中のライトやシャッター音はライブの演出にも影響を与えるでしょう。
静かでシリアスな場面でカメラのシャッター音や光が目に入ったら、純粋にライブを観に来ている人にとっては不快かもしれません。
ライブDVDが売れなくなる
ライブ映像をSNSや動画サイトで無料で観られるとなれば、アーティストのライブDVDを買う人は少なくなるでしょう。
CDが売れないこの時代、ライブDVDはアーティストの大事な収入源です。
ライブDVDを少しでも多くの人に買ってもらうために、ライブ中の撮影を禁止しているアーティストもいるかもしれません。
撮影OKのメリットは?
ライブ中の撮影にはデメリットもありますが、近年では撮影を解禁するアーティストが少しずつ増えています。
ライブ撮影を上手く活用して、自分を売り込みたいと考えるアーティストも多いようです。
ライブ撮影を許可しているアーティストは、どのような狙いがあるのでしょうか。
SNSの拡散による宣伝効果
ファンがライブを撮影しSNSにアップすることで、ライブに来ていない人にもアーティストの曲が拡散されるため、アーティストの宣伝に繋がります。
レコード会社やレーベルは、アーティストを売り出すためにプロモーションに膨大なコストと時間をかけます。
しかし、ライブ撮影を許可すれば、無料で宣伝することができるのです。
ライブに行った記念になる
参加したライブの映像が手元に残れば、ファンにとっては記念になります。
撮った映像や音声を複製してお金を得ると、著作権法違反になりますが、個人で楽しむ場合は問題ありません。
なかなかライブに行けない人にとっては、一生の思い出になるでしょう。
そんなファンの想いに応えて、ライブ撮影を許可するアーティストもいます。
ライブの雰囲気をシェアできる
ファンの中には、ライブには興味があってもライブの雰囲気がイメージできず、なかなか行く勇気が出ない人もいます。
しかし、SNSや動画サイトでライブ動画を観ることができれば、現場の雰囲気が分かります。
ライブによく行く人も、友達をライブに誘いやすくなります。
動画をシェアし合う中でファンの輪が広がれば、ライブの動員数も増え、アーティストにとってもプラスです。
ライブの撮影禁止には理由があった!日本でも撮影OKのライブは増えつつあるがマナーを守って楽しむことが大切
日本ではライブ撮影が禁止されていることがほとんどです。
しかし理由もなく禁止しているわけではなく、映像の悪用やライブDVDの売り上げ減少を危惧して禁止しています。
一方、最近では撮影OKのライブも増えており、写真や動画で雰囲気をシェアできるようになっています。
好きなアーティストのライブ映像を友達やフォロワーに共有し、ファンの輪を広げることもアーティストの応援になるでしょう。
撮影が解禁されたライブでもルールをきちんと守って、皆でライブを楽しみましょう。
この記事のまとめ!
- 日本ではほとんどのライブが撮影禁止だが、海外では許可されていることが多い
- 最近では、日本でもプロモーションのために撮影が解禁されている
- 著作権や肖像権の侵害を防ぐために、撮影を禁止している
- ライブ撮影解禁には賛否あるが、決まりやマナーを守って楽しもう