楽曲の作詞をするのは難しいですよね。歌詞を書くことで自分の世界観を表現できますが、何でも自由に書いていいので、逆に言葉が浮かんでこないこともあるでしょう。
これから音楽活動を始めたい人も、バンドでオリジナル曲を作りたいと思っている人も必見です!
ココがおすすめ
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作詞の手順
音楽制作をしたくて作詞をしてみたけど、途中から「いいフレーズが浮かばない」と悩んで、時間だけが過ぎて行ったという人もいるのではないでしょうか?
また「作曲は得意だけど、作詞が毎回うまくできない」という人もいるかもしれません。
ここでは、初心者でも作詞しやすくなる手順を紹介します。ポイントを押さえることで、どんどん筆が進むようになりますよ。
テーマを決める
まずは曲のテーマを決めましょう。「聴く人に何を伝えたいのか」「自分は何を表現したいのか」を先に決めることで、途中から詞の方向性が変わってしまうことを防ぐことができます。
例として、大きなテーマを「恋愛」にするとします。そこからさらに片思い、青春、失恋、結婚などの細かいテーマを設定すると、言葉選びで迷うことが減るでしょう。
ジャンルを決める
テーマが決まったら、次は歌詞のジャンルを決めましょう。ジャンルとしては、ストレートなラブソング、仲間との友情、家族への感謝、応援ソング、ネタ的な要素を含んだものなどが挙げられるでしょう。
あえて曲調と違うイメージの歌詞をつける方法もありますが、技術が必要なので初心者には難しいかもしれません。
はじめは素直に、楽曲の曲調にあったジャンルを決めてみましょう。
ターゲットを決める
リスナーがより共感できるように、ターゲットを決めることも大切です。「普段思っているけど人には言えないこと」などを代弁してくれるアーティストに、人々は心を掴まれます。
しかし「みんなに共感してもらえる作詞をしよう」と思うと、どうしても当たり障りない内容になってしまいます。
「自分と同じ年代の人に届けたい」「同性の人に共感してほしい」とターゲットをしっかり絞り、心情を想像しながら作詞してみましょう。
キーワードを連想する
テーマ、ジャンル、ターゲットが決まると、自分が書きたい曲のイメージが掴めてくるでしょう。これから先はキーワードを連想して言葉を書き出し、世界観を固めていきましょう。
はじめは、とりあえず浮かんでくるキーワードをどんどん書いていきます。そこから使いたい言葉をピックアップしていくといいでしょう。
またキーワードを連想するうちにストーリーが出来上がったら、それを基に作詞するのもおすすめです。
5W1Hを決める
5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)のことです。作詞には、5W1Hを決めることも重要です。
ラブソングの場合、主人公が恋に落ちた場面からどんな恋愛をして、最終的に結ばれたのか失恋したのかなどを決めておくと詞が書きやすくなります。
聴いている人が想像しやすい作詞を意識してみましょう。
主人公の詳細設定
曲の中に主人公を設定することで、リスナーは感情移入しやすくなります。この主人公は性別、年齢、性格、職業など、できるだけ詳細に設定しておくと、言葉選びのヒントにもなります。
音楽の中に主人公の恋人、友人などが登場する場合は、そのキャラクターの詳細も設定しておきましょう。楽曲を聴く人も想像しやすく、歌詞が伝わりやすくなりますよ。
パートごとに書いていく
パートごとに分けて、段階を経て歌詞の方向性を決めていくこともポイントです。
曲の入口であるAメロは、主人公についてや物語のあらすじなどを書くのがおすすめ。BメロはAメロとサビをつなぐ重要な部分で、曲の世界観をAメロより強く出していいでしょう。サビは一番伝えたいことを表現して書きあげます。
AメロやBメロ以外にも、曲に1番、2番がある場合は、過去のこと、現在のことなどで時間軸を分けて構成してみてもいいですね。
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言葉の技法
言葉をただ書き連ねるだけではなく、言葉の技法を使うことで歌詞に深みをもたせたり、美しくメロディーに乗せられるようになります。
言葉の技法はオリジナル音楽のクオリティを一段と格上げしてくれるポイントです。ここでは初心者にも使いやすい上に、多くのヒット曲でも使われている言葉の技法について紹介します。
韻を踏む
韻を踏んで言葉の響きを合わせることで、強弱がついたり、リズムがよくなる効果があります。韻を踏むときは、歌詞の最初や最後の母音を合わせるようにします。
例えばKREVAの「音色」には「愛してんぜ音色 はまっちまったよまるで迷路 何をしてみても無駄な抵抗」という歌詞があります。
この場合「音色 neiro」「迷路 meiro」「抵抗 teiko」とすべて母音を「eio」にして韻を踏んでいることが分かりますね。
特にラップの楽曲制作で必要になる技法ですが、実は「J-POPヒット曲」にも使われていることが多いですよ。
倒置法を使う
倒置法とは、語や文節を普通の順序と逆にする表現方法のことです。
例えば「今すぐ、あなたに会いたい」という文は、倒置法を使うと「あなたに会いたい、今すぐ」となります。
このように倒置法は語調を整えたり、伝えたいことを強調したり、意外性を与える効果があります。ストレートなフレーズよりも、インパクトがある表現ができるでしょう。
比喩
比喩とは、何かを他のものに置き換えて表現するテクニックです。
人を人でないもので例えたり、あえて直接的な表現を使ったりしないことで、リスナーの心により強く響く効果があります。
BUMP OF CHICKENの「スノースマイル」では、「まだ綺麗なままの雪の絨毯に 2人で刻む足跡の平行線」というフレーズに比喩表現が使われています。
歌詞の世界観や表現に幅が生まれるので、ぜひ取り入れてみてください。
反復(リフレイン)
何度も同じ言葉を繰り返す技法を反復(リフレイン)といいます。
THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」では、サビで「リンダリンダ」というフレーズが何度も反復されています。このようにリフレインを使うことで、聴く人に伝えたいことを強烈に印象付けることができます。
また反復の効果は歌詞だけではなく、作曲方法にも用いられます。同じメロディをリフレインすることで、印象的で耳に残りやすい編曲になるでしょう。
初心者にありがちNGパターン
これからオリジナル音楽制作を始めたい初心者には、作詞での悩みが付きまとうでしょう。せっかく歌詞が出来上がったと思ったものの、楽器と合わせてみると「なんか違う」と思うこと。
ここでは、初心者にありがちなNGパターンを紹介します。注意したいポイントを理解しておくと、作詞がスムーズにできるようになりますよ。
凝りすぎる
人気のアーティストの楽曲の中には「人によって様々な解釈ができる」「歌詞に深みがある」ような歌詞が印象的なものもあります。
しかし初心者が初めから凝った歌詞を作るには、時間がかかりすぎてしまいます。まずは頑張りすぎず、1曲完成させることから始めてみましょう。
繰り返し作曲していくとコツが掴めるようになり、次第に自分の世界観を表現できるようになるはずです。
ありきたりな言葉をばかり使う
ストレートな表現も人気ですが、ありきたりな言葉ばかり使った歌詞は少し物足りない印象になります。
例えば「大好き」という言葉の場合「いつもあなたのことを考えてしまう」「笑顔を思い出すだけで胸が苦しい」など、違う言葉で表現できないか考えてみましょう。
類語辞典や辞書で言葉の意味を探ってみると、ヒントになることも。ぜひ参考にしてみてくださいね。
文字数が音に合わない
せっかく作詞しても、文字数が音に合わなければ歌いにくいですし、聴き取りにくくなります。
音源を聴いたり、ギターを弾いたりしながら、実際に声を出して歌ってみるといい語感が見つかるはずです。
歌詞の内容が良くても、語感が合っていないと耳障りに聞こえてしまいます。言葉を言い換えたり、別の内容を考えたりしながら、納得いくまで作詞してみましょう。
説明しすぎる
音楽に歌をのせる作詞は、作文とは異なります。あまりに説明しすぎると、つまらない作品になってしまう可能性も。
言葉も大切ですが、メロディやコードでも「ロマンティックな感じ」「悲しい感じ」を伝えることができます。音だけでは補えない部分を、歌詞で伝えるようにするとイメージすれば良いかもしれません。
リスナーに曲を想像させるということは、音楽の芸術性を高める上でも大切なポイントです。
作詞のコツ
オリジナル曲を制作するには、作詞は必須です。最初はやる気がみなぎりますが、いざ書き進めると「ちょっとダサいかも」「あの曲に似ているかも」と思ってしまうことも。
ここでは、作詞のコツを紹介します。「今作詞中だけど諦めてしまいそう」「歌詞がなかなかまとまらない」とお悩みの方は要チェックです。自分の切り口で世界観を表現してみましょう。
サビに一番伝えたいことを置く
曲中にはAメロ、Bメロ、Cメロ、サビがありますが、サビは最も盛り上がるパートです。曲のメインになるサビには、一番伝えたいことを置くようにしましょう。
サビを盛り上げるために、前のパートはあくまで前置きと考えます。インパクトがある言葉をサビに入れると、より効果的になりますよ。
また言葉の意味だけではなく、サビはリズムやテンポの盛り上がりも重要です。コード進行も意識しながら作り上げていきましょう。
歌いやすさを意識する
作詞は歌に乗せるものなので、歌いやすさを意識することが大切です。メロディーが同じでも、歌詞によって合わせやすさが大きく変わります。この意識は、オリジナル曲を音楽作品として完成させるために重要なポイントになります。
また語感を合わせ、聴き取りやすさにも配慮すると、伝えたい言葉がリスナーの心にスッと入りやすくなるでしょう。
漢語より和語を使う
漢語とは、漢字の音読みが使われる語でかたい語感があります。和語は平仮名や漢字の訓読みで表され、意味を捉えやすい特徴があります。
例えば「おやつ」という和語に対し、漢語は「間食」になります。「おやつ」は聞き取りやすいですが、「間食」は「感触」「完食」などと音が同じなので、意味が伝わりづらくなります。
作詞に使う場合は和語の方が耳馴染みがよく、歌詞の意味が分かりやすくなります。正確に歌詞の意味を伝えたいのであれば、漢語より和語がおすすめです。
正解はない
作詞のコツについて紹介してきましたが「これが正しい方法」というものはありません。アーティストによって、作詞方法は様々です。正解や不正解はなく、論理的に作っても、フィーリングで思いつくままに書き綴っていいのです。
ただ作詞に行き詰ったときは、今回紹介した方法や技法が役に立つはずです。迷ったときはぜひ参考にしてみてくださいね。
初めての作詞では大作を書き上げようとするのではなく、とにかく一曲書き上げることが大切!
作詞初心者の人は、制作中に様々な壁にぶつかると思います。初めて作った曲が最高傑作になる人は、ほぼいません。とにかく最初は一曲書き上げてみてください。
もしかすると自分が作詞したものを「ダサいな」と思うかもしれません。しかし、繰り返し作詞するうちに自然とスキルが身に付いて行きます。
そこから次第に自分の世界観を確立できるようになるでしょう。迷ったときは作詞のコツや言葉の技法を参考にしながら、ステキな一曲を仕上げてくださいね。
この記事のまとめ!
- 作詞を始めるときは、まずテーマを決めて、ジャンルやターゲットなどを細かく設定すると書きやすい
- 韻や倒置法、比喩や反復など言葉の技法を使うことで、表現にまとまりや幅が生まれる
- 作詞初心者は歌詞に凝りすぎたり、説明しすぎたりするNGパターンが多い
- 作詞に正解はないが、技法やコツを理解しておくと、言葉選びに悩んだときに役立つ