今や音楽も「観る時代」です。
自分の曲や演奏を聞いてもらおうとYouTubeなどのネット上に曲をアップするなら、音楽だけではなく「ミュージックビデオ」としてアップしたいですよね。
せっかく曲を作ってレコーディングしたのなら、映像をつけて多くの人に見てもらいましょう!
ココがおすすめ
この記事の目次はこちら!
MVとPVの違い
曲に映像が付いた動画には「ミュージックビデオ」と「プロモーションビデオ」の2種類があります。
基本的にMVとPVは同じものである場合が多いですが、実は「作る目的」が大きく異なります。
ミュージックビデオとプロモーションビデオは、それぞれどのような目的で制作されているのでしょうか。
ライブUtaTenの関連記事!
-
【実践】ギターの録音を自宅でするには?ライン録りを中心に必要機材や宅録方法を解説!
続きを見る
MVとは
ミュージックビデオ(以下、MV)とは、アーティストの曲の世界観を表現するために作る動画のことです。
曲の始まりから終わりまで映像が付いているのが一般的です。
MVは、ファンやしっかり観てくれる人に向けて作られることが多く、CDの初回限定特典DVDなどに収録されています。
バンドをやっていて、自分たちの楽曲の世界観を伝えたいときなどはMVを作るのがおすすめですよ。
PVとは
PVとはプロモーションビデオ(以下、PV)の略称です。
「プロモーション」とは、宣伝・販売促進のことで、PVは楽曲を売るために作られる動画を指します。
CMやお店、イベントなどで流れる短い映像がこれに当たります。
PVはその楽曲の「良いとこ取り」をした動画なので、もっと聴いてみたいと思わせるには最適の手法です。
CDをリリースしたときや、ワンマンライブの宣伝など、たくさんの人に興味を持ってもらいたい場合はPVを作りましょう。
MV作成に必要なもの
MVを作るには、何を用意すれば良いのかわからない人が多いのではないでしょうか。
MV制作には撮影機材や動画編集ソフト、アプリなどが必要です。
動画作りというと夢は膨らみますが、はじめのうちはあまり凝ったことはせずに、今から紹介する方法を参考に、演奏風景などを多く取り入れたムービーなどを作ってみましょう。
撮影機材
MV作成には、演奏の様子や風景などを撮影するための機材が必要です。
最近はスマホでもきれいに動画が撮れるので、画質にこだわらないのであれば、とりあえずスマホで試し撮りをしてもいいでしょう。
カメラを固定するための三脚も一緒に準備するのがおすすめです。
光量の調節に照明やレフ板があるとさらに良いですが、使いこなすにはある程度の技術が必要です。
初めのうちは、動画撮影用のカメラと三脚があれば十分でしょう。
素材ファイル
MVを作るには、もちろん曲の音源も必要です。
動画撮影を始める前に、レコーディングはしっかり済ませておきましょう。
また、動画に入れたい効果音や音声、テロップや画像、絵(ピクチャ)がある場合は、撮影とは別に準備が必要です。
少し高度な技術にはなりますが、アニメーションなどを入れたい場合には、それらも事前に準備してください。
動画編集・加工ソフト
動画の編集や加工には専用のソフトを使います。
無料から有料のものまで色々なソフトがあるので、初めて作る場合は何を使うべきか迷いますよね。
まずは、自分が作りたいイメージの編集機能が備わったソフトを選びましょう。
ただし、動画加工は操作に慣れるまで時間がかかり、ある程度の技術も必要になるので、初心者のうちはおすすめできません。
Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere Proは、人気の有料版動画編集ソフトです。
プロでも使っている人が多く、本格的な動画の編集・加工が可能です。
今後も動画制作を続ける予定ならば、一度体験版を試してから購入を検討するといいでしょう。
AviUtil
AviUtilは無料版の動画編集ソフトとしてとても人気があり、無料とは思えないクオリティを誇るソフトです。
独特の編集画面のため使い初めは戸惑うことも多いですが、ネット上に使い方の動画が多数アップされているので安心です。
Windowsユーザーのみ使用可能なので注意してください。
※上記はソフトではなく、ガイドブックになります。Adobe After Effects
Adobe After Effectsは、2分以内の短い動画の作成におすすめです。
有料ではありますが、これがあればできないことはないと思える程どんな編集でもできます。
After Effectsでは短く素材を作り、Adobe Premiere Proに書き出して使うのがおすすめですよ。
Blender
Blenderは3DCG作成ができる無料のソフトです。
とにかく3DをMVに入れてみたいという人にはおすすめです。
操作が難しく慣れるまで時間がかかりますが、アニメーションCGなどの制作がしたい人は一度試してみるのもいいでしょう。
無料ではじめるBlender CG アニメーションテクニック ~3DCGの構造と動かし方がしっかりわかる 【Blender 2....
※上記はソフトではなく、ガイドブックになります。
FlexClip
FlexClipは登録なし・無料で利用できる、初心者におすすめの動画編集ソフトです。
ミュージックビデオ用のテンプレートを使えば、高品質の動画が数分で簡単に作成できます。
機能制限なくサービスを利用したい人には、有料プランがおすすめです。
有料プランであれば、よりクオリティの高い動画が最長30分まで再生できますよ。
Google ChromeやFirefox、Safariなど、様々なブラウザに対応しています。
Motion5
Motion5は、2D映像を3Dにしたり、カラーリングを自在に操ったりすることができる有料の動画編集ソフトです。
多彩な表現が可能なため、他のソフトでは難しい加工も簡単にできます。
使い勝手も良くおすすめですが、Mac専用ソフトです。
※上記はソフトではなく、ガイドブックになります。
MVの作り方
MVは、映像を使っていかに「観せるか・魅せるか」が大切です。
ムービー全体のコンセプトなどを設定して、世界観をしっかり作ることを心がけましょう。
必要なものは揃えたけれど、何から始めたら良いか困っている人のために、MVの作り方を具体的に紹介します。
曲を決める
まずはMVにする楽曲を決めます。
伝えたいメッセージがある場合は、そのイメージに合った楽曲を選びましょう。
始めうちは、曲に世界観があるものや、伝えたいメッセージがしっかりしているものを選ぶと、ムービーが作りやすいですよ。
MVの流れを決める
曲が決まったら「絵コンテ」を作りましょう。
絵コンテとは、曲のどの部分にどんな映像を入れるかを図にまとめた、いわばMVの設計図です。
絵コンテがしっかりしている程後の作業は楽になります。
Aメロにはアニメーション、Bメロにはエフェクト付きのテロップなど、なるべく具体的な絵コンテを作るよう心がけましょう。
素材を作る・集める
絵コンテが決まったら、次は必要な素材を作ったり集めたりしましょう。
新しく撮影する場合は、絵コンテで指定されているよりも多めに、色々なカットを収録しておくといいでしょう。
音声や写真、イラストなどは、フリーで公開しているサイトの素材を積極的に活用しましょう。
動画を編集・加工する
必要な素材が集まったら、絵コンテに従って一つのムービーにしていきます。
動画編集ソフトを利用して素材をつなげ、映像にエフェクトをかけたりして、理想の動画にしていきます。
エンコードをする
動画作成が終わったら、最後に「エンコード」しましょう。
エンコードとは、再生するのに無駄な情報を削って、動画ファイルの容量を小さくする操作のことです。
動画編集ソフト内でエンコードできる場合もありますが、うまく行かない場合はエンコード専用ソフトの使用をおすすめします。
思わず真似したくなるMV7選
いざ作ってみようと思うと意外と難しいMV作り。
初めのうちは、すでに存在しているMVを真似して作ってみるのもおすすめです。
MV作成の上達スピードがグッと上がりますよ。
KANA-BOON / フルドライブ
KANA-BOONの「フルドライブ」は、ストーリー仕立てになっていて、初めて観る人にもコンセプトがわかりやすいMVです。
動画自体は、演奏シーンとアクションシーンの2シーンのみで構成されているため、とてもシンプルな内容です。
2シーンをいくつかのアングルに分けて撮影し、それらをつなぎ合わせたら完成するため、比較的制作しやすいムービーでしょう。
サンボマスター / ロックンロール イズ ノット デッド
サンボマスターの「ロックンロール イズ ノット デッド」は、たくさんの人が色々な場所でリレー形式で演奏する様子をつないだMVです。
人さえ集まれば比較的簡単に作ることができるので、初心者にもおすすめです。
編集作業は大変ですが、楽器をさわる様子だけを撮影して、人物部分だけを切り取り風景と合成する手法も使えます。
緑黄色社会 / またね
緑黄色社会の「またね」は、ボーカリストが歌っている様子を映し続けた作品です。
撮影した動画をつなぎ合わせるだけで作れるので、比較的真似しやすいでしょう。
とにかく歌っているシーンばかりが使われるので、ボーカリストに存在感を出したいときにおすすめの構成です。
リーガルリリー / リッケンバッカー
リーガルリリーの「リッケンバッカー」は、ライブ映像をつなぎ合わせて作ったMVです。
ライブのときに色々なアングルから撮影できれば、素材をはり合わせるだけで臨場感あるムービーを作れます。
ただし、ライブ中はテンポを一定に保って演奏することが難しいため注意してください。
テンポ感が出ない映像を上手く使って編集するか、イヤモニなどを駆使してライブの演奏を一定にするなどの工夫がいるでしょう。
観客数が多ければ多いほど、かっこいい映像になること間違いなしです。
ヤバイTシャツ屋さん / あつまれ!パーティーピーポー
ヤバイTシャツ屋さんの「あつまれ!パーティーピーポー」は、スタジオライブから始まり、メンバーがハリウッドまで行くというストーリー仕立てのMVです。
ただハンディカメラでメンバーを追いかけているだけなのに、メンバーの仲の良さや曲の楽しさが伝わってきます。
制作自体は簡単ですが、最後に「ハリウッドに着いた!」というようなインパクトあるアイディアが必要です。
多少演技がかってしまっても楽しそうなパフォーマンスが必須なので、挑戦するときは思い切りテンション高くはっちゃけましょう。
東京事変 / 群青日和
東京事変の「群青日和」は、演奏の様子をMVにしています。
スポットを上手く使って、演奏風景を上手く演出しています。
一見、ただスポットライトを操作して撮影しただけにも見えますが、実際は様々なアングルから撮影した映像をつなぎ合わせて作られています。
そのため、制作するには同じ曲を何度もカメラの前で演奏する必要があるでしょう。
明確な絵コンテと体力さえあれば比較的スムーズに作成できるMVです。
サカナクション / アルクアラウンド
サカナクションの「アルクアラウンド」は、次々と現れる歌詞を目で追って楽しめるMVです。
編集よりも撮影に手間がかけられているので、編集が苦手な人におすすめの手法です。
撮影のセッティングに手間はかかりますが、凝った演出さえできれば、高い技術力で編集したMVと同じくらいインパクトのあるMVになりますよ。
照明や撮影アングルにこだわって、独創的なMVを目指しましょう。
好きなバンドのMVを参考にしてオリジナルMVを作ってみよう!
MVがあると曲の世界観を表現しやすいので、自分のバンドの魅力も上手く伝えられるでしょう。
最近はスマホでも高画質で撮影ができたり、動画編集ソフトも操作しやすくなったりと、初心者でも比較的簡単にMVが作れるようになっています。
ただし、最初から凝ったものを作るのは難しいかもしれません。
初めはシンプルなMV作りを心がけつつ、自分の好きなバンドや気に入ったMVを参考に、オリジナルMVを作ってみましょう!
この記事のまとめ!
- MVは曲の世界観を伝えるための動画で、PVは宣伝用の動画
- MV作成には、撮影機材・素材ファイル・動画編集ソフトが必要
- MVを作るときは、初めに絵コンテをしっかり作ることが大切
- 絵コンテに合わせて素材を集め、編集する
- 編集作業が終わったらエンコードを忘れずに
- 始めのうちは、好きなバンドのMVを真似しながらスキルアップしよう