オクターブ奏法を使って演奏の幅を広げたいけど、やり方やキレイな鳴らし方が分からず取り入れられないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
コードや単音弾きとは違った動きが必要になるため、難しく感じやすいテクニックですが、基本やコツを意識して練習すれば自由に弾けるようになりますよ。
オクターブ奏法とは
オクターブ奏法とは、弾きたい音と1オクターブ上の同じ音を使ったテクニックです。
エレキベースやウッドベースでは別々に鳴らす演奏法をオクターブ奏法と呼びますが、ギターの場合はオクターブ違いの音を同時に鳴らす演奏法を指します。
「基準音とその倍の周波数を持つオクターブ上の音のみ」という特殊な構造のため、力強い響きのパワーコードや、シンプルな響きのトライアドとは違った、単音に近いサウンドが特徴。
ジャズギタリストのWes Montgomeryが使ったことで広まったテクニックですが、歪みサウンドとも相性が良いので、ロックやメタルでも定番になっています。
オクターブ奏法のギターの押さえ方
オクターブ奏法はルート音などの出したい音と、オクターブ上の音の2音を鳴らすシンプルなテクニックです。
しかし、押さえ方やミュート方法が少し変わっているため、単音弾きやコードと同じ感覚で弾くとノイズが多くなってしまうので注意しましょう。
次は、オクターブ奏法の押さえ方やミュート方法を紹介するので、ぜひ練習の参考にしてみてくださいね。
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6弦でのオクターブ奏法
6弦を使ったオクターブ奏法のフォームは、上記の通りです。
6弦にある出したい音やルート音を人差し指で押さえ、弦を1本飛ばし2フレット分移動させら1オクターブ上の音を小指で押さえます。
Fコードをイメージして押さえると簡単です。
まずは弾きやすいフォームでFコードを押さえて、そこから使う指以外を離し、人差し指のセーハを緩めるような感覚です。
このときに、人差し指は5弦~1弦、小指はできる限り高音弦に当たるように触れさせておくと、不要弦のミュートも一緒にできます。
ギターのボディ側にポジションを移動させても同じフォームで音が出せるので、メロディや好きなコードのルートを弾いて、押さえ方の練習をしながら感覚を掴んでいきましょう。
5弦でのオクターブ奏法
5弦を使ったオクターブ奏法のフォームは、バレーコードのBmをセーハせずに押さえつつ、中指と薬指を離した形と同じです。
オクターブ上の音も6弦ルートと同じく、弦を1本飛ばして2フレット分移動した場所にあります。
ギターのボディ側にポジションを移動しても、形は変わりませんよ。
ミュートの方法も、人差し指や小指を高音弦側に触れさせる点は同じです。
ただし6弦には指のハラ部分で触れられないので、人差し指の先で軽く触れてミュートしましょう。
余裕があれば中指を6弦に触れさせて、よりミュートを完璧にするのもおすすめ。
コードと同じようにストロークして、必要な音のみが鳴れば、5弦を使ったオクターブ奏法の完成です。
3弦・4弦でのオクターブ奏法
3弦と1弦、4弦と2弦を使ったオクターブ奏法は、上の図のように6・5弦フォームのときの小指を、ボディ側に1フレット移動させたフォームになります。
このフレットのずれは、6弦~3弦・2弦~1弦の間では2音半開いている音程の間隔が、3弦と2弦の間では2音しか開いておらず、他よりも狭くなっていることが原因です。
指を開くフォームなので押さえるのが難しいですが、人差し指を軸にして小指を伸ばし、中指の向かい側に親指がくるように気をつけると楽に押さえられます。
基本的なミュートは他のオクターブ奏法のフォームと同じく、人差し指や小指を高音弦に触れさせて行いましょう。
人指し指の先でとなりの弦に触れて、使っていない中指や薬指を6弦と5弦に触れさせると不要弦のミュート対策はバッチリです。
パラレルアプローチ
オクターブ奏法では、パラレルアプローチと呼ばれる「フォームと弦を同じに保ったまま横移動するテクニック」をよく使います。
基本的な押さえ方は同じですが、ハイフレットに行くほどフレットの間隔が狭くなるため、指の開き具合の微調整が必要です。
狙った場所に手を素早く移動させるテクニックも必要なので、1音のみのオクターブ奏法よりも難易度が高いです。
まずは、ゆっくりとしたテンポでポジションや指の形を確認しながら練習し、押さえ方に慣れましょう。
慣れてきたら、スライドのように押さえたまま動かす、押さえる指が弦から離れない程度に力を緩めて移動させるなど、動きを加えていくとキレイに弾けるようになりますよ。
オクターブ奏法のコツ
オクターブ奏法をキレイに鳴らすためには、いくつかのコツを掴んでおく必要があります。
もちろん、フォームを覚えるだけでも音は出せますが、コツを意識した練習のほうが効率も良く、サウンドもカッコよくなるのでおすすめです。
基本フォームの次は、オクターブ奏法をキレイに鳴らすためのコツや、ポジション移動を滑らかにするためのコツを紹介します。
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思いきりストローク
コードストロークのように、思い切りストロークして弾くのがオクターブ奏法のコツです。
押さえた弦の間に鳴らさない弦が入るフォームが基本なので、同時にキレイに鳴らすためにも、ミュートに気を配りながら、ピックを振って一気に鳴らしましょう。
マイルドなサウンドが出せるWes Montgomery風のオクターブ奏法も同様で、親指の第一関節より少し先端寄りの部分を、ストロークと同じ間隔で当てるように弾きます。
ストロークを使って鳴らすだけでも、バランスの良いサウンドになり、勢いやリズムを生かした演奏がしやすくなるので試してみてくださいね。
左手の形を維持
パラレルアプローチやスライドなどの横移動が入るオクターブ奏法では、できるだけ左手の形を維持して弾きましょう。
形を維持することによって、押さえるポジションを確認する労力が減るだけでなく、押弦のスピードも上がるのでスムーズに弾けるようになります。
ローフレットからハイフレットに移動する場合の微調整も、形さえ維持しておけば、押さえる直前に人差し指を少し調節するだけで簡単に押さえられますよ。
うまくできない場合には、まずはゆっくりなテンポで、左手の形を崩さないように移動させる練習がおすすめです。
鳴らさない弦をミュート
オクターブ奏法をキレイに鳴らすコツは、不要弦を確実にミュートすることです。
ミュートが出来ていないと、ノイズが入ったり開放弦の音が鳴ったりするので、オクターブ奏法の独特なサウンド効果も薄くなってしまいます。
6弦を使ったフォームの場合は、人差し指や小指のハラを使って高音源を鳴らない状態にしましょう。
5弦~3弦ルートのフォームでは指のハラを使ったミュートに加えて、人差し指の指先を使ったミュート、中指と薬指での5・6弦のミュートを追加します。
最後にアンプのスピーカーから出る音を使って、必要な音のみが鳴っているかを確認し、問題がなければミュートは完璧です。
オクターブ奏法の練習曲
オクターブ奏法の基本フォームとコツを覚えたら、次は練習曲に挑戦してみましょう。
プロのバンドが演奏する曲の中にも、初心者でも気軽に挑戦できる曲はたくさんあります。
作曲やアドリブ演奏の参考になるフレーズも登場するので、練習曲にはもってこいです。
初心者にもおすすめの、オクターブ奏法の練習にピッタリな曲をピックアップしたので、気になる曲はぜひ挑戦してみてくださいね。
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リライト / ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」は、アニメ「鋼の錬金術師」のOPに起用され話題となった人気曲です。
イントロではオクターブ奏法を使ったシンプルでかっこいいフレーズが登場するほか、サビのバックや間奏のフレーズにも登場。
人差し指が2フレットから9フレットに移動するフレーズがありますが、弦移動を押さえたまま移動するテクニック「スライド」のような感覚で行うとキレイに鳴らせます。
初心者でも気軽に挑戦できる、シンプルでカッコいいフレーズが満載の曲です。
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リライト 歌詞 ASIAN KUNG-FU GENERATION 鋼の錬金術師 OP ふりがな付 - うたてん
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光の射す方へ / Mr.Children
ダークで少しサイケデリックな雰囲気のオクターブ奏法が登場する曲が、Mr.Childrenの「光の射す方へ」です。
押さえたフォームをそのまま移動させて音を出す「スライド」が上手く使われたフレーズで、メインのモチーフとしてイントロや間奏などに何度も登場します。
フレーズ自体はシンプルですが、スライドするときの力加減が難しい曲です。
力を緩めてしまうと音が途切れてしまうので、しっかりと弦を押さえた状態で滑らせるイメージで行いましょう。
シンプルながらも、メロディを聴かせるタイプのオクターブ奏法を弾いてみたい人にピッタリの楽曲です。
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光の射す方へ 歌詞 Mr.Children ふりがな付 - うたてん
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Supernova / ELLEGARDEN
ELLEGARDENの「Supernova」は、メロコア・パンク風の、勢いのあるオクターブ奏法が練習できる曲です。
曲の色々な場面に登場するオクターブ奏法は、動きの少ない3ポジションのみで構成されているのが特徴。
他のフレーズも、パワーコードが中心のシンプルな内容なので、初心者でも気軽に挑戦できます。
ギターアンプやギター用エフェクターを使ってロックな歪みサウンドを作って、勢い重視で弾くと原曲のような雰囲気が出せるので、ぜひ試してみてくださいね。
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Supernova 歌詞 ELLEGARDEN ふりがな付 - うたてん
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完全感覚Dreamer / ONE OK ROCK
ONE OK ROCKのアップテンポで、激しいバンドサウンドが際立った曲が「完全感覚Dreamer」です。
この曲のイントロや間奏部分にも、シンプルでスタイリッシュなオクターブ奏法のフレーズが登場します。
このフレーズは動きが少し多いので、演奏するときには左手の形を保ったまま素早く移動させるのがポイント。
また、ドラムが4拍目のウラにスネアを叩く「スリップビート」を多用しているので、スネアの音に引っ張られてオモテとウラがひっくり返らないように気をつけましょう。
激しいギターとモダンなリズム・サウンドが好きな人におすすめの練習曲です。
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完全感覚Dreamer 歌詞 ONE OK ROCK ふりがな付 - うたてん
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オクターブ奏法は押さえ方のコツをつかもう!練習曲を演奏して上手くなろう
オクターブ奏法は、押さえ方のコツを掴めばギター初心者でも気軽に弾ける、シンプルなテクニックです。
横移動のあるフレーズや、押さえる弦を変える場合は少し難しくなりますが、フォームを意識しながら素早く移動する練習をすると弾けるようになりますよ。
基本を覚えたら、ぜひ練習曲や好きな曲のオクターブ奏法フレーズに挑戦して、使いこなせるようになってみてくださいね。
この記事のまとめ!
- オクターブ奏法とは弾きたい音と、1オクターブ上の同じ音名の音を同時に鳴らすテクニック
- 人差し指と小指で弦を押さえ、他の指でミュートするのがオクターブ奏法の基本
- オクターブ奏法を上手く鳴らすコツは、右手をストロークのように動かし、左手は形を維持して移動させること
- シンプルなオクターブ奏法のフレーズが登場する曲もたくさんある