街中を歩いていると路上でミュージシャンが音楽を演奏したり、歌ったりしている姿をよく見ますよね。
音楽が好きな人の中には「自分もあんな風にカッコよく路上ライブがしたい!」と思う人もいるでしょう。
ただ路上ライブの知識が無いと、最悪の場合「苦情が来て警察沙汰になる」なんてことも考えられます。
ココがおすすめ
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ライブ場所の確保
まず、路上ライブを行うためには「場所選び」が非常に重要です。
場所選びを間違えると、そもそも人に聞いてもらえなかったり、警察に注意されることもあるので気を付けましょう。
ここでは「路上ライブを行う場所」の選び方を4つ紹介します。
すでに他の人がやっている場所
他の人がすでに活動している場所は、路上ライブOKである可能性が高いでしょう。
他の人が路上ライブをしたことのある場所であれば、苦情を言われる可能性も低いのでおすすめです。
また、他の人がやっている場所で自分も路上ライブをすれば、音楽仲間としての横のつながりもできます。
一緒に頑張れる仲間ができるのは励みになりますが、その場所の常連である先輩ミュージシャンにはきちんと挨拶をしましょう。
また、路上ライブのタイミングが被らないように交互に行うなどマナーを守ることも大切です。
人通りが多い場所
路上ライブを成功させるには、何よりも人に聞いてもらわなければ意味がありません。そのため人通りが多い場所で行うことが重要です。
駅の近くや公園など、人の往来が多いところを見つけて行いましょう。
路上ライブは言わばあなた自身の宣伝を行う場です。誰も見ないテレビ番組でCMが流れても、誰もその商品を欲しいとは思いませんよね。
路上ライブもそれと全く同じなので、人通りをまず第一に考えましょう。
許可が必要か
人通りの多い場所を見つけても、必ずしもそこが路上ライブをやってもいい場所とは限りません。
本来、路上ライブは道路使用許可を申請し行うもので、申請を行わずにパフォーマンスを行うと、道路交通法違反などで処罰される可能性があります。
そのため、厳密には許可を取ってから行う必要があるのです。
しかし実際のところ、警察や私有地の所有者が個人のライブのために許可を出すことはほとんどなく、ストリートミュージシャンの9割以上は無許可で演奏しています。
路上ライブに関してはグレーゾーンなことが多く、警察も騒ぎになっていないのなら黙認するというケースが多いようです。
場所によっては厳しく取り締まっていることもあるので、注意されたら速やかに撤退しましょう。
許可制でできる場所もある
路上ライブはやりたいけれど「無許可でやるのは気が引ける」という人もいるでしょう。
せっかく路上ライブをするならトラブルなく演奏したいですよね。そういう人は許可制でできる場所を探しましょう。
市や区が運営している公共施設などを、ストリートミュージシャンのために演奏場所として開放している自治体もあるので確認してみてくださいね。
路上ライブに必要なものを用意する
路上ライブを行う場所を決めたら、次はそれに必要な機材を揃えましょう。
「え?路上ライブってギター1本あればできるんじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。
しかし人通りの多い場所では、せっかくあなたが歌っていても誰の耳にも届かないなんてこともあり得ます。
ここでは「路上ライブに必要な機材」を紹介します。
マイク・マイクスタンド
路上ライブを行う上でマイクは必須です。マイクの選び方で重要なのは「高価過ぎない」「頑丈な作り」「音質が悪くない」の三点。
路上ライブは手軽にできる反面、風で舞う砂ぼこりなどの影響を機材がダイレクトに受けてしまうため、壊れることが多々あります。
そのため、あまり高価なものや繊細な機材は使用しないほうがいいでしょう。
ただマイクの音は価格が高ければ高いほどよくなるものなので、ある程度音質を考慮しつつ「壊れたら仕方ない」と思える価格帯のものを選ぶことが必要です。
キーボード・ギター
あなたが引き語りをメインに路上ライブを行うのであれば、ギターやキーボードなどの楽器類は必須になります。
ただ「三日月」で有名な綾香さんのように、アカペラで路上ライブをする場合やカラオケ音源を利用する場合は必要ありません。
もしギターを使用する場合は、エレアコを選ぶのがいいでしょう。
エレアコとは「エレクトリック・アコースティック・ギター」の略で、アンプに接続できるタイプのアコースティックギターです。
エレアコもマイク同様、音質が価格に左右されるものなので、妥協せずよいものを選びましょう。
また、キーボードに関しては路上ライブの場合、毎回持ち運ばなければならないので持ち運びやすさを重視した軽量設計のものを選ぶのがおすすめです。
アンプ・シールド
マイクや楽器の音を出すために、アンプとそれを接続するためのシールドも必要です。
アンプは「コンセント式」「充電式」「電池式」の三タイプがありますが、そもそも路上にはコンセントを使用できる場所がほとんどないので、「充電式」か「電池式」を選ぶことになります。
この2つの中でも、路上ライブ向けに準備するのであれば、「電池式」がおすすめ。
例えライブ中に電池切れになっても、電池式であれば予備の電池に変えるだけで済むので安心です。
シールドに関しては音質を重視しましょう。シールドの場合は音質がいいもの=壊れやすいものではないので妥協せず、よいものを選ぶことをおすすめします。
また、シールドは断線することもあるので、必ず予備も用意しましょう。
宣伝用のチラシや看板
路上ライブを行った際に、お客さん側から「いつもやってるんですか?」「お名前なんて言うんですか?」と声をかけてもらうことは稀です。
大体がよくて「上手い人だったなー」と思われて終わりです。せっかく路上ライブをしているのに、それだけではすごく勿体ないですよね。
今後の活動の為にも、宣伝用のチラシや看板を用意しておきましょう。
チラシや看板にあなたの名前やよく行う路上ライブの場所と日時などを記載しておけば、それだけでも十分宣伝になります。
また、オリジナル曲がある人は音源の配布なども行えば、自分のファンになってくれるお客さんがいるかもしれません。
運搬用の台車やカート
路上ライブはマイクや楽器だけでなく、アンプや看板など持ち運びにくいものが多く移動が大変です。そのため運搬用の台車やカートは準備しておいた方がいいでしょう。
路上ライブをする度に機材などの運搬に時間や手間をかけていると、それだけ疲れてしまい、いいパフォーマンスができません。
大きすぎる台車やカートは邪魔になるので、小さめのものを利用することがおすすめです。
アンプや看板なども十分乗りますし、小回りもきくので移動も楽ですよ。
路上ライブ当日の注意点
場所も決まり、機材類を揃えていざ本番。しかし、本番でも注意することが何点かあります。
これらの注意を怠るとライブをさせて貰えなかったり、機材が壊れてしまったりなど、今後の演奏活動に支障をきたす場合があります。
注意点をしっかり覚えて、マナーよく路上ライブを行いましょう。
音量
路上ライブをやる上で音量には細心の注意を払いましょう。
せっかく路上ライブを行うのだから「大きい音量で皆に聞いてもらいたい」と考えるのは当然です。
しかし、あなたがライブをする場所はライブハウスなどではなく、あくまで路上。
あまりにうるさいとクレームが入ったり、最悪の場合には警察に退去命令を出されてしまいます。
特にバンドで路上ライブを行う場合は、ベースなどの低音が響きやすいので注意が必要です。
人の通行を妨げない
お客さんがたくさん集まってくれることは「ミュージシャン」にとってありがたいことですが、それが通行の妨げになってしまうとトラブルの基になります。
そのため、ある程度人が集まったら「もう少し前につめてください」「座り込みなどはやめてください」といった声掛けをして交通整理をしましょう。
天気予報を確認
意外と忘れがちなのが天気予報のチェックです。
「今日は晴れてるし、夜にでも路上ライブをしようかな」と意気込んで出かけても、到着したら雨だったなんて時には労力の無駄になりますよね。
さらにライブ中にいきなり大雨が降ってきて、機材が壊れてしまったら、それこそ最悪です。
ライブを行う日は、忘れずに天気予報をチェックしましょう。
観客にはマナーを守ってもらう
演奏者がいくらマナーよくライブを行っていても、観客がマナーを守らないという場合もよくあります。
騒いでしまったり、通行の妨げになったりなど周りの人の迷惑になる行為は警察とのトラブルになります。
これらのマナー違反に関してはMCなどで注意を促し、未然に防ぐようにしましょう。
もしそれでもマナー違反をするお客さんがいる場合は、速やかに演奏を中止する方がいいでしょう。
警察に注意されたらすぐに撤退
「せっかく気持ちよく演奏していたのに警察に注意された」なんてことは、路上ライブにはつきものです。
注意されても決して感情的になったり、口論をしてはいけません。
最悪の場合、道路交通法違反で逮捕されるなんてことになったら、今後のあなたの人生が大きく左右されてしまいます。
逮捕とまではいかなくても、ライブできる場所の取り締まりが厳しくなってしまい、他のミュージシャンに迷惑をかけてしまうかもしれません。
警察に注意されたら速やかに演奏を中止し、撤退するのがいいでしょう。
路上ライブの成功のコツ
たくさん練習して路上ライブに望むなら、絶対成功させたいですよね。
世の中には路上ライブから人気に火が付き、一気にCDデビューを果たしたミュージシャンも多くいます。
例えば、「ゆず」や「いきものがかり」などは有名ですよね。ここでは路上ライブを成功させるためのコツを4つ紹介します。
同じ場所、同じ時間、同じ服装で行う
路上ライブで人気を得るためには、まず最初にお客さんに覚えてもらうことが大切です。
そのためには「同じ場所」「同じ時間」「同じ服装」で路上ライブを行うようにしましょう。
せっかく曲を聴いて興味を持ってもらっても、いつも「違う場所」で「違う時間」にライブをしていたら、なかなか会いにいけません。
また、毎回同じ服装をしているほうが、いつもその場所を通る人にも目に留まりやすいですし、興味を持った人も探しやすいですよね。
「毎回、この場所・この時間帯に行けばあなたに会える」という風にすれば、お客さんも自然と足を運びやすくなるでしょう。
流行の曲をカバーする
路上ライブで通行人がお客さんとして一番足を止めてくれるのは、知っている曲が流れたときです。
「どうせやるならオリジナル曲を聴いてもらいたい!」と考えてしまいますが、オリジナル曲を聴いて足を止めてくれる人は中々いません。
まずは流行の曲をカバーするのが一番いいでしょう。
「カバー曲なんて邪道だ!」と思う人もいるでしょうが、一番大切なことはお客さんにあなたの演奏や歌を聴いてもらうことです。
コツとしては最初の何曲かは有名な曲のカバーでお客さんの注目を集め、人が集まったところで「1曲オリジナルをやらせてください」と宣伝するのがいいでしょう。
カバー曲を聴いて足を止めてくれた人が、あなたの曲のファンになるかもしれません。
看板やポスターを出す
あなたのことを道行く人に知ってもらうには、看板やポスターが効果的です。
知らない人に声をかけるってなかなか勇気がいることです。看板やポスターであれば、声をかけなくても自分をアピールできます。
看板やポスターに「名前」「ライブ日時」「SNSアカウント」などを記載しておくだけでも、お客さんが気軽にあなたに興味を持ちやすくなるでしょう。
SNSでお客さんと繋がる
路上ライブを成功させる上で、SNSの利用は必須です。
SNSはライブに関する情報発信だけでなく、あなたの音楽活動に興味を持ってくれた人に対して、あなたの人間性までも知ってもらうことができます。
また、日々短い演奏動画をInstagramやtwitterなどSNSにアップし続けることで、あなたの歌声を知らない人にも知ってもらうことができるでしょう。
ブログを運営している人はSNSからブログに誘導することで、さらに自分をアピールすることができます。
撮影したライブ動画をネットで公開する
路上ライブの様子をYouTubeなどの動画サイトに投稿するのも効果的です。実際に自分の路上ライブの様子を撮影しYouTubeに公開して有名になった人もいます。
路上ライブはその場所にいる人に向けてライブをする行為ですが、ネットを利用すれば一気に全国の人、全世界の人に向けてライブを行うことができます。
動画を見て、実際に路上ライブを見に来る人がいるかもしれません。ネットを上手く利用して集客に繋げましょう。
ルールやマナーを守って、はじめての路上ライブを成功させよう!
路上ライブは準備を怠らなければミュージシャンを目指す人たちにとって、自分を知ってもらうために有効な手段になります。
しかし、ルールやマナーを守らないと路上ライブができなくなったり、警察とのトラブルになってしまいます。
しっかりとルールやマナーを守り、ネットなども上手く利用して路上ライブを成功させましょう。
ライブハウスでのライブも楽しいですが、路上ライブならもっと色んな人にあなたの演奏や歌を知ってもらうことができます。ぜひ挑戦してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- 路上ライブをするなら、すでに他の人がやっている場所がおすすめ
- 路上ライブは見られることが大事!人通りが多い場所を選ぼう
- 基本的に路上ライブは無許可だが、自治体が開放している演奏場所もある
- マイクやアンプなどの機材は路上ライブに適しているものを選ぶ
- 音量や通行の妨げなどはトラブルの基!警察に注意されたら速やかに撤退しよう
- まずは流行りの曲をカバーして通行人に演奏や歌を聴いてもらおう